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「表現」行為のあまりにも狭い理解、道学者然たる塩川議員の発言 [社会]

kushubuchi3.jpg18日の衆院本会議で、れいわの櫛渕万里議員が投票のため壇上に登った際、「与党も野党も茶番」と書かれた紙を広げた行為に対する懲罰動議が、25日、衆議院本会議で可決された。立憲までこれに賛成するなど、全く不当なことだが、より我慢がならないのは、賛成はしなかったものの、共産党までが櫛渕議員を批判していることだ。(写真はテレ朝ニュースから)
shiokawa.jpg        
26日の赤旗に、25日の衆院議院運営委員会での同党の塩川鉄也議員の発言が載っている。曰く、投票のための壇上で「与党も野党も茶番」と書かれた紙を広げた行為は許されない、壇上は言論と表決の場であることを踏まえるべき、と言う。

これは「言論」と言う言葉を余りに狭く解釈した議論だ。実際過去に、議場内で野党議員がバナーを掲げた行為はいくらもある。その時こんな議論は出ていない。言論や表現行為は、暴力や暴力的なものでない限り、幅広いスペクトルを持つ。単に言葉や文字と、それが示す限りの意味だけでなく、主張する者の決意や覚悟を表現するためには、言葉以外の表現方法も重要である。今回の櫛渕議員の方法はまさにそれである。上の塩川議員の発言はこのようなことを全く理解しない、言わば道学者然たる態度だ。

長周新聞の27日の次の表題の記事こそが正鵠を射ている。
下品な輩が騒ぐ「議会の品位」 本会議場で「与党も野党も茶番!」と訴えたれいわ・櫛渕議員に与野党が懲罰動議
https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/26705

赤旗の紙面の写真は榊山さんのフェイスブックから借用
https://www.facebook.com/sakakiyama.jun/posts/pfbid0YikB6fd9Z52HimcepztkHVHVaTKPh1VSLvQGf5V7cdr8WLPEjZBxUvF3bB6V2Nfl
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21時30分追記:立憲や共産のこのような態度の背景には、「市民的抵抗」の概念に対する無知があるのだろうと思われます。NHK-Eテレが今年1月に放映した「100分de名著」のジーン・シャープの回テキストを読むことをお勧めします。または中見真理教授の話を聞いたらどうでしょう。直後にブログに書きました。
*我田引水ながら、拙稿「『ガラパゴス』状態の日本のデモが暴政継続を許す」もよろしく。プラス、2019年の長崎でのトーク「暴政に慣れる社会にしていいのか?」の文字起こしも。
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29日さらに追記:長周新聞は櫛渕万里議員の5月25日の演説全文を転載しています。全面的に賛同します。
櫛渕氏とは2000年、核廃絶に関する会合で同席した記憶があります。おそらく3月4日の三軒茶屋しゃれなあどでの、「東北アジアの非核地帯化をめざして」というシンポジウムで、と思います。こちらはそのイベントを含む「アンジー・ゼルター日本講演ツアー」の日程表です。
http://ad9.org/goilsupt/maytimetour.htm
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映画「大統領の陰謀」,現代のウッドワード記者は? [メディア・出版・アート]

一昨日,NHK-BSで放映された「大統領の陰謀」を,主に録画で見ました.
次のNHKサイトからコピペ:「1972年6月、民主党本部のビルへの不法侵入者が逮捕されたのをきっかけにニクソン大統領の側近や関係者がさまざまな不正や違法行為に関与していたことが明らかになり、アメリカを揺るがす政治スキャンダルとなったウォーターゲート事件。」
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=38647

最後の方の,「全情報機関が絡む」,「みんなグル」の会話,まさに今の日本の権力機構そのものではないでしょうか.付け加えて,「メディアもグル」[1401577.gifこの件追記あり].
この部門を担当するNHKのスタッフからの,報道などのスタッフへのメッセージに違いないと,根拠のない妄想を膨らませたくなる番組でした.
主役は言わずと知れたロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマン,この2人のスーパースターも今や80代.
ネットはもちろんパソコンもまだ普及する前の,ワープロではなくタイプライター,電話も黒電話の時代.小道具も楽しめます.
スパイ活動に.jpegみんなグルだと.jpeg 憲法修正1条.jpeg報道の自由.jpeg 主役2人.jpeg

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屏水中学校の校歌「カラピアノ」 [趣味]

YouTubeからの移転4件目は,母校・屏水中学校の校歌,カラオケならぬカラピアノです.5年前の録音,久しぶりに同窓会をやるというので,アップロード.

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ゼレンスキー大統領の芳名録/President Zelensky's note [社会]

ゼレンスキーの芳名録が公開され、ウクライナ語の原文と仮訳を外務省が発表している。
President Zelensky's entry in the visitors' book has been made public, and the original Ukrainian text and a provisional translation have been published by the Ministry of Foreign Affairs. He visited the Hiroshima Peace Memorial Museum on May 21.

zelensky in hiroshima.jpg原文:Глибоко вражений відвіданням Музею. Жодна держава світу не має пережити такий біль і руйнування. Ядерному шантажу не місце в сучасному світі.

日本語仮訳:(平和記念)資料館の訪問に深く感銘を受けた。世界中のどの国も、このような苦痛と破壊を経験することがあってはいけない。現代の世界に核による脅しの居場所はない。

英訳(DeepL):I am deeply impressed by the visit to the Museum. No country in the world should have to go through such pain and destruction. Nuclear blackmail has no place in the modern world.

ゼレンスキーの芳名録の外務省訳での"脅し"の語は、DeepLでは"blackmail"となっているが、次のようにdeterrenceも同じことだ。昨年12月のブログ記事に書いたように、deterはラテン語の’de’と’terrere’が語源で、"脅しつけて止めさせる"という意味である。つまり「核抑止」=「核による脅し」の居場所もないはずだ。相手がやれば「脅し」、自分らがやれば「抑止」、こんなシンプルな言葉のマジック、マジックとも言えないほどの子供だましが、なぜ大手を振ってまかり通るのか、まさに不可思議。

The word "脅し" in the Ministry of Foreign Affairs translation of Zelensky's note is "blackmail" in the English translation by DeepL, but as we will see below, deterrence has the same meaning. As we wrote in our blog post last December, the word "deter" is derived from the Latin words "de" and "terrere," meaning "to threaten to stop. In other words, if there is no place for "blackmail," there is no place for "nuclear deterrence," or "nuclear threats. How can such simple word magic, such childish trickery that cannot even be called magic, be allowed to go unchecked? It is nothing short of a mystery.
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米英による日本への原爆使用の1944年9月の合意 [反核・平和]

広島G7の評価はとりあえず他の論者に任せることにして--例えば日刊ゲンダイ22日「これじゃあロシアに“宣戦布告”同然だ 岸田サミット あらゆる面で『ヒロシマ』を冒涜」
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G7首脳の原爆資料館訪問は40分だったと言うことで、展示をある程度じっくり見たでしょう。彼らが人間的な感性を曇りなく働かせていたならば、国に帰ったらすぐに核兵器禁止条約への署名に向けて動くはずです。その感性・感情のスイッチはどのように切られているのでしょうか。それでも、いつかはそのスイッチが入ることにわずかな期待をします。もちろん世界中の市民運動と世論の圧力次第です。

hydepark-memo.jpg原爆投下によって日本が降伏した、という見方がアメリカ側の正当化の理屈で、日本でもまだその見方が主流なのかも知れません。しかし日本への原爆投下の容認は「ハイドパーク覚書」(右の写真*.末尾にテキストと日本語訳)という米英の秘密協定にあります。これは1944年9月、ルーズベルトとチャーチルによる「原爆は日本人に対して使うことになろう」と合意したもの。(* 小西誠氏のフェイスブック記事から拝借)

日本の降伏を決定づけたのはソ連対日参戦というのがむしろ有力な説ではないでしょうか。立命館の藤岡惇氏は「ソ連参戦と天皇制存置の口約束の組み合わせ」という説を述べています.
「原爆投下と敗戦の真実
― 米国の「アメとムチ」作戦の全貌―」
https://core.ac.uk/download/pdf/60552323.pdf

長崎原爆投下の後も、私の久留米市(8月11日)ほか、幾つもの都市に空襲が行われています。8月10日以後の日本本土空襲をwikiから拾ってみます。

10日 花巻空襲、熊本空襲/12日 阿久根空襲/13日 長野空襲/14日 岩国大空襲/14日 山口県光市 光海軍工廠空襲/14-15日 熊谷空襲,伊勢崎空襲,小田原空襲,土崎空襲.

「戦争を終わらせた」はずの原爆の後に,これだけの空襲というのは,おそらく爆弾の在庫一掃をやった、ということでしょうか?

次に「ハイドパーク覚え書き」のテキストと訳

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毎日の「松尾貴史のちょっと違和感」,そのまま社説に [メディア・出版・アート]

matsuotakashi230521t.jpg今日の毎日の「松尾貴史のちょっと違和感」,この文章をそのまま社説に出来たら本物のジャーナリズムです.
中程から引用
岸田首相に至っては、宗教法人としての解散命令の要求はおろか、もう既に国民が忘れてくれたと解釈して広島サミットでイメージアップを図って「解散して総選挙、国民の信任を得て憲法をいじろう」とでも思っているかのようだ。「家庭」に対するいびつな価値観を共有させられている団体の意向をくんで、国の骨組みを改変してしまおうなどというのは言語道断だ。だが、テレビ局を押さえれば、この国の有権者の多数はちょろいものだという成功体験があるのか、今更、襟を正そうなどという気はさらさらないのだろう。・・・

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いったい何度くり返せば学べるのか? コロナ第9波はすでに立ち上がっている [社会]

(21時28分:札幌市の下水サーベイランスのデータを追記)
国立遺伝学研究所・川上浩一教授のツイッターが,石川県小松市の下水サーベイランスのデータを紹介していました.次のグラフがそれです.
survey20230519.jpg
これは下水中に含まれる新型コロナウイルスのRNAの数を数えたもので,その「流域」の住民の感染率を示すものです.もちろんこれ自体が感染を引き起こしたりする訳ではありません.

つい一昨日,東京で原発問題の全国会議があった際,登壇者の一人が「コロナが明けて」という言葉を使ったことからも,一般には終わったことのように思っている人が多いようです.西鉄大牟田線で「換気をやめた」という駅員の言葉は以前紹介しました.他方,昨日乗車した福岡空港と久留米を結ぶ高速バスでは,量的な基準まで示して,「適切な換気をしている」との車内アナウンスがありました.電車とバスで指揮系統が違うのか,それとも西鉄がいい方向に変わったのか,分かりません.

#コロナ第9波はきています
#コロナは空気感染
#CovidIsAriborne

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Reviews of my essay "Japanese demonstrations in 'galapagosian' way allow continued tyranny" from three prominent individuals, both inside and outside the country. [反核・平和]

I have already introduced comments from three prominent people on my essay published two years ago in "Anti-war Bulletin", but here is the English translation from the Japanese text and the original English text together again.

2年前に「反戦情報」に発表した私のエッセイ「『ガラパゴス』状態の日本のデモが暴政継続を許す」についての著名な3人からのコメントはすでに紹介していますが(こちら),あらためてそれらの,日本語文からの英訳と,英語の原文とをまとめて紹介します.
Kenji Urata, Professor Emeritus of Waseda Univ., jurist
I learned about the claim that "nonviolent direct action" is necessary and even indispensable for the realization of democracy, not only that, but that it was already practiced in the UK in 2007.
I think the feedback mechanism diagram captures the relationship between the four entities and very well depicts them as a movement fueled by exploitation and deprivation.
I also found the references to the group self-suggestion that "the Japanese are docile," Matsushita's "moral pornography," and the issue of arrests to be illuminating. I also felt that I would like to pick up a copy of Michael Randall's "Civil Resistance".
(Edited and summarized by the citing author)
Angie Zelter, peace activist, UK, founder of Trident Ploughshares, laureate of the 2001 Right Livelihood Award
Great to read your essay. It is really enlightening and interesting and very necessary.
As you asked for responses/queries here are some:-
1. As a non Japanese reader I would have liked more information about what the 'personnel intervention' and the 'Japan Life' consist of and what the 'cherry-blossom viewing party' was. Just a footnote to explain them would be good. BUt as this was for a Japanese audience I guess this is not necessary.
2. It would be good to put an explanation of acronyms used when they first appear - eg. PCR and BLM.
3. Your point about whether an electorate even gets fair and practical information upon which to base their political opinions and behaviours is really important and is something we grapple with here in the UK where the press does not cover important issues fairly.
4. I liked your discussion of the ambiguity of the validity of wages and direct tax.
5. Great point about retired people being more free and able to risk arrest.
6. You have made me interested in trying to get a copy and reading Hosei Hahakigi's 'Stars in Heaven and Flowers on Earth'.
Peace Activist, USA I read your essay last night and really found it quite interesting and useful. I intend to share it with some friends who are Japanese or follow events in Japan.
I found many of the points you made about the political culture and current difficult organizing situation in Japan to be very similar to the challenges we face here in the US.

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PARCO劇場の「夜叉ヶ池」 [メディア・出版・アート]

東京2泊3日のうち,最後の1日が空白で,演劇を探しました.2つの舞台でまだチケットがありましたが,全く予備知識がないので,信頼できる筋に尋ねることに.するとPARCO劇場の「夜叉ヶ池」は完成度高いとの情報で即断しました.
https://stage.parco.jp/program/yashagaike

yashagaike.jpgその推薦の言葉に全く違わず,休憩なしの1時間55分があっという間でした.
泉鏡花という大正時代の作家の作品で,幻想的な世界を描きながら,現代にも全く当てはまるいろんなテーマが織り込まれています.主人公は若い(中年?)の男女ですが,たくさんのチミモウリョウたち(魑魅魍魎,漢字は絶対に書けない)が登場,そのダンスが大きなウェイトを占めます.チミモウリョウという言葉はよく使われますが,ファンタジー作品の世界に弱い私は,その本来の意味をこの作品で初めて理解した次第です.(写真は上のサイトから)
以下最小限のネタバレですが,最後の,神の怒りによって村が大災害に見舞われるシーンでは,観客も丸ごとそれに巻き込まれてしまいます.この演出には感心しました.5月23日(火)まで.
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経済軍事化に進めば戻れない--軍産複合体をテーマとした池上彰番組の再来を [社会]

軍拡から人権抑圧まで、あらゆる暴政の企みが国会で進んでいますが、市民運動はあまり効果的な対応ができていません。
軍拡では、次のような記事に「市場」がさっそく反応して軍需株の急騰が起きています。

ロイター「三菱重の今期、防衛事業の受注8500億円見込む 防衛費増で過去最高」
https://jp.reuters.com/article/mitsubishi-heavy-idJPKBN2X10C7

昨日(5月10日)の三菱重工の株価と日経平均。このニュースをいち早く知った人が買いに走ったのでしょう。
mitshubishijuko.jpgnikkeiheikin230510.jpg
いったん経済に軍事が組み込まれると、容易には後戻りできなくなるでしょう。
直接軍需株を買わなくても、投資信託に組み込まれている場合もあります。
日本株 https://pegasus1.blog.ss-blog.jp/2023-04-01#toshin
米国株 https://pegasus1.blog.ss-blog.jp/2023-02-24

市民運動の全体的なまとめ役(望むらくは司令塔)であるべき「市民連合」についてですが、「現況における安全保障政策についての市民連合の基本的な考え方」(2023年5月)という文書が発表されています。
https://shiminrengo.com/archives/6607
一読しましたが、現状分析だけで(それはそれなりに評価できる内容と思いますが)、運動の戦略・戦術が全く書かれていません。2015年以来、こちらは陣地を失うばかりで、巻き返しの展望が見えません。それを打開するような「方針」が、これまでも求められていたはずです。

私なりの「戦略・戦術」らしいことを述べますと、次の2点です。

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