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トリチウム汚染水放出は「風評被害」問題ではない [仕事とその周辺]

福島第1原発の放射性物質トリチウムを含むALPS処理水(以下、汚染水)について、昨日来(4月9日)、政府が海洋放出の方針を決めたと報道されている。大手メディアは海洋放出が起こしうる被害について「風評被害」だけをあげつらい、あたかも人への実際の健康影響は「ない」と暗示することに躍起である。

経産省の2020年2月10日付けの報告書[1]によると、汚染水の量は、2019年10月31日時点で約117万m3、それに含まれるトリチウムの量は約856兆ベクレル(Bq)である。トリチウムは雨にも含まれることを強調して、大したことはないという「印象操作」をする向きもあるが、この量は1年間に日本に降る雨に含まれるトリチウム量の3.9倍という膨大な量である。

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「米国の科学と軍産学複合体」追加情報 [仕事とその周辺]

先にお知らせしました翻訳書「米国の科学と軍産学複合体 ―米ソ冷戦下のMITとスタンフォード」に関する追加情報を、このページでお知らせします。
(原書タイトル:The Cold War and American Science ―The Military-Industrial-Academic Complex at MIT and Stanford)
全国の図書館82館で所蔵(2021/6/12現在) 1401577.gif原著者序文の日付を2に追加しました。

目次
1.事項索引の追加(すぐ下)/the addition to the subject index
2.日本語版への序文のオリジナル(英語)/preface to the Japanese edition in English
3.「3月4日のマニフェスト」の日本語訳(リンク)/Japanese translation of the 'March 4 manifesto直接ジャンプ
4.組織や人物の関係を図式にしたもの(リンク)/relationships of organizations直接ジャンプ
5.1401577.gif訳者あとがきの英訳/English translation of the translators' afterwords
6.1401577.gif帯の英訳/English translation of the phrases on 'obi'

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1.事項索引に24項目の記載漏れがありました。お求めされた方にはたいへん申し訳ありません(2/18)。以下に画像イメージ(クリックで拡大)、PDFワードファイルをご案内します。PDFとワードファイルは書籍と同じA5サイズにしています。
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index-addendum.jpg

2.日本語版への序文(本書9〜11ページ)のオリジナル(英語)
 (下に続きます。)(1401577.gif日付は2020年9月24日です。)

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日本科学者会議福岡支部、新型コロナウイルス感染症の急速な拡大に際して政府・自治体に要請文、1月25日 [仕事とその周辺]

新型コロナ感染がこれまでとケタ違いに広まる中、日本科学者会議福岡支部は1月25日、「新型コロナウイルス感染症の急速な拡大に際して政府・自治体への要請」と題する文書を内閣官邸,福岡県知事,福岡市長に届けました。私も起案に参加しました。全文は福岡支部サイトの掲示をご覧ください。(本記事の末尾にも転載

長文なので、いくつか要点を拾ってみます。

・国会に提出された、罰則を含む特別措置法と感染症法の改正案に断固反対.
・全国レベルでのPCR検査の大規模実施体制の整備と感染者の保護・隔離.
・無症状感染者の存在が感染拡大の大きな要因であることは否定できない事実
・国が猛進させたGotoトラベル/イートは全国への拡散に拍車をかけた.
・クラスター対策中心の政策は完全に破綻.
・大規模なPCR検査をエッセンシャルワーカーに継続的に実施.
・ウイルスゲノム解読、精密抗体検査を拡大.
・大量の検査と隔離で新規感染者を急激に減少させられることが数値モデルによるシミュレーションで確かめられている.
・コストを大きく低減できるプール方式PCR検査導入を.

同会支部では第1波の4月6にも、幹事会名で、PCR検査の拡大、無症状感染者や軽症者を自宅待機させてはダメ、感染状況下では原発の稼働停止、などの「提言」を発表していますが、どれも実現していません。その中でこの第3波です。自宅で医療も受けられず亡くなる人が多数出るなど、地獄の様相。

遅ればせながら、福岡のグループで取り組み、まとめたのがこの要請文です。このような要請をするのが「遅すぎた」という自責の文も、あるいは入れるべきだったかも知れません。なお、文案作成には感染症の専門家も参加しています。

以下、全文を転載

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「やみくもな検査」で感染拡大を抑える -- 神戸大の牧野淳一郎氏の発信 [仕事とその周辺]

1/10追記:この線に沿った具体的な提案など、岩波「科学」掲載予定の3本の文章が出版前に無料公開
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東京をはじめ,国内の感染状況はいよいよ重大になって来ている.再ロックダウンという話も言われる.しかし希望の持てる計算,見積もりがある.

「やみくもな検査」でも,その規模次第では感染を収束させられると言うことを神戸大の牧野淳一郎氏がツイッターと,そこからリンクされたウェブサイトで発信している.
https://twitter.com/jun_makino/status/1344546864297697281
http://jun-makino.sakura.ne.jp/articles/corona/note009.html

大量に検査(PCR検査,抗原検査)を実施し,感染者を隔離することで,感染拡大にブレーキをかけるという当たり前の,常識的なことだが,その現実性,実行可能性を,費用も含めて定量的に見積もっている.

要点を簡単にまとめると以下の通り.(引用が殆どだが,記法を変えたり,筆者の雑音も少し挿入)

集団の中の感染者の変化は“SIRモデル”と呼ばれる方程式で扱われる.以下は専門外のにわか勉強によるまとめである.
SはSusceptible(未感染者),IはInfected(感染者),RはRecovered (回復者)を表し,それぞれの人数の時間変化は次のような方程式に従うとされる.(数式表記の慣例により数量を表す文字はイタリック体.左辺は微分記号.)

dI/dt = βSI − γI,
dR/dtI
S + I + R = N (全人口)

β(ベータ)は感染が広がる速さの係数(一人が 1 日にうつす人数の期待値を人口Nで割ったもの.他の定義もあるので紛らわしい),γ(ガンマ)は感染者が1日あたり回復する確率(回復率.回復までの日数の逆数).
基本再生産数(1人の感染者が次に平均で何人にうつすかを示す数値)は
R0 = Nβ/γ
これを1以下にすれば感染は収束に向かうことになる.

つまり,検査で隔離すれば,回復者数Rと同じに扱っていいので,この式の分母にあるγ(回復率)を検査・隔離で大きくできるということだ.そうすればR0を下げられる.

牧野氏は東京都を対象に,例えば全員を月一回(30日ごと,つまり毎日30万人)検査する場合を計算している.この場合1日1人当たりあたりその逆数,つまり1/30の確率で「回復」させることになる.全体の「回復率」は自然の回復の確率γとの和になりγ' =γ+ 1/30,つまり1/γ'= (1/γ) ×{30/(30+1/γ)}.現在,γは1/7程度(つまり平均7日で回復)とされているので,30/37=0.81.つまり再生産数を2割弱下げられることになる.

ことための費用も見積もられていて,安価なスマートアンプで1日6億円,プール方式なら1億円を切る.1年やっても400億.

検査を7日毎にすれば,例えば1.2だったR0が半分の0.6 まで下がり,1ヶ月で新規感染者を 1/8にできる(もちろん費用は4倍になるが).わずかに感度が低いが安価でスピーティーな抗原検査でも,この議論に大差はない.

ロックダウンで人々の生活に,特に苦境にある人に決定的なダメージを(もちろん経済全体にも)与えることに比べれば,とても安上がりではないか.もちろん「アベノマスク」の費用に比べても.

追記:大規模PCR検査については,4月にもWHO上級顧問・渋谷健司氏の全国民にPCR検査をという提言をブログで紹介しました.
全国民にPCR検査を--渋谷教授が提言
そのころに比べて,PCR検査の費用もフィージビリティーも今ははるかに有利です.

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"The Cold War and American Science"日本語訳,1月25日出版 [仕事とその周辺]

(1/22)出来ました。→姿。末尾に他にも追記あり 最新情報はこちら
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cover300w.jpgこのブログでだいぶ前から紹介していました(例えばこの記事)、アメリカの軍産学複合体についてのドキュメンタリー本、ようやく出版の運びとなりました。書店に並んだらぜひ手に取ってご覧ください。帯に書かれる予定の文章と、奥付部分を紹介します。かなり派手なカバーも(右の写真)。
軍事研究と科学者との関わりをテーマにした翻訳本としては、原爆開発や、著名な科学者を題材にしたもの以外はあまり見かけない。本書は、現代アメリカの理工系有名2大学における、第二次世界大戦から米ソ冷戦期の軍事研究を、個人と組織の両面から描いたドキュメンタリーである。一般に知られているような著名な科学者はほとんど登場せず、MITとスタンフォードという超一流の大学とはいえ、いわば「普通の」研究者たちがどのようにして軍事研究に組み込まれていったかを、詳細に明らかにしたものである。
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米国の科学と軍産学複合体 ――米ソ冷戦下のMITとスタンフォード
(原題:The Cold War and American Science ―The Military-Industrial-Academic Complex at MIT and Stanford)
1月25日 初版第1刷発行 372ページ
著者 スチュアート・W・レスリー
訳者 豊島耕一・三好永作
発行者 高須次郎
発行所 緑風出版
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最終章に出てくる「3月4日のマニフェスト」は、本には収録されていませんが、こちらに翻訳を紹介します(筆者訳)。1969年春、軍事研究に反対して立ち上がったMITの学生による、3月4日のストと集会への参加を呼びかけた文章で、原文はUCS(Union of Concerned Scientists,憂慮する科学者連盟)のサイトにあります。
「3月4日のマニフェスト」
Japanese translation of the 'March 4 manifesto'

科学的および技術的知識の誤用は、人類の生存に対して大きな脅威を与えている。ベトナムでの行為を通じて、私たちの政府は、賢明で人道的な決定を下すという能力についての信頼を揺るがせた。また政府は、我が国が持つ巨大な破壊力をさらに拡大する意図を持つ不穏な兆候もある。

このような事態の進展に対する科学界の対応は絶望的なほどにバラバラな状態である。これらへの対応策を考える小さなグループと、政府内でこの流れを食い止めようとしたがほとんど失敗した少数の優れた男たちがいる。懸念を持つ大多数の人たちは傍観者にとどまっており、影響力がない。私たちはもはやこの問題に関わらないままでいることはありえないと感じている。

したがって、私たちはMITと全国の科学者と技術者に、一致協力した行動とリーダーシップのために団結することを呼びかける。

これらの目的のため、私たちは以下のことを提案する。

1. 科学技術が現実にまたは潜在的に重要性を持つ分野における政府の政策の、批判的かつ継続的な調査・検討を始めること。

2. 研究成果の応用を、現状の軍事技術重視から、環境問題や社会問題という緊急を要する課題解決の目的に方向転換するための手段を考案すること。

3. 学生に対して、破壊的な兵器システムの構築の仕事に加わる前に、科学と技術の恩恵を人類にもたらすことに専念するという可能性と希望を伝え、そしてここで提起された問題を精査するよう求めること。

4. ABMシステム、核兵器の拡大、化学兵器や生物兵器の開発など、誤った助言による、そして危険なプロジェクトに対する断固たる反対を表明する。

5. 科学者や技術者を組織化して、彼らの、より人間らしく、文明化された世界を求める望みを、効果的な政治行動に繋げる可能性を探る。

これらの目標を達成するための第一歩として、私たちは同僚たち(教員と学生)に、3月4日にMITでの研究活動を停止し、現在の状況の分析とその代替案の考察に専念するための1日に参加するよう求める。その日、私たちは、集中的な議論と、上で提案された方針に沿ったこれからの行動の計画立案に携わることを提案する。

もしあなたが私たちの深刻な懸念に共感され、すぐに実行できる象徴的な表現方法を求められるならば、3月4日の行動にご参加ください。
次の写真は上記、憂慮する科学者連盟のサイトからMarch-4-1969_event2.jpg
"3月4日のマニフェスト--March 4 Manifesto"に言及しているページが2つ見つかります。
ON POLITICAL PARTY TACTICS AND SOCIAL MOVEMENT STRATEGIES IN THE ERA OF "GLOBALIZATION"
Noam Chomsky - Deterring Democracy
book800w.jpg 出来ました。→
27日追記:新聞広告出ました。(下の写真、中央)
たまたま左横に並んでいるのが日の丸・君が代強制問題の本なので、これに関する私のブログ記事の一つにリンクします。
「『起立』する人の責任」
コロナ感染症対策に関して、「自粛警察」の出現などで、日本社会は「同調圧力が強すぎる」などとよく言われます。しかしその根源の一つを作っているのが、まさにこの日の丸・君が代強制という「同調圧力」ではないでしょうか。
28日追記:緑風出版のサイトにも広告が出ました。
29日追記:本に出てくる組織や人物の関係を図式に整理していますので、内容のチェックの一助に、またはお読みになるときに参考にして下さい。ただし翻訳作業の便宜のために作成したもので、正確性や網羅性を保証するものではありません。
ryokufuPR210127.jpg
2/4追記:この本を引用した文章、「科学の軍事利用と科学者の抵抗」を2016年に「日本の科学者」に発表しました。
1401577.gif2/11:遅まきながらツイッターで宣伝しました。

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「日本学術会議の会員任命拒否事件について」 -- Pネット冊子掲載予定の文章 [仕事とその周辺]

IMG_2079w1000.jpgIMG_2078w800.jpg次は、この1〜2週間のうちに紙で発行される、「原発もミサイルもいらない 9条を活かす九州ネットワーク」(Pネット)の冊子に掲載される文章です。紙だけではサーキュレーションも限られ、また扱っている問題が切迫性のあることでもあり、先行してネットで公開します。(1401577.gif発行されました。toyosimaアットta2.so-net.ne.jpにメールいただければ送料込み400円でお送りします。)
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日本学術会議の会員任命拒否事件について

               豊島耕一(世話人・元佐賀大学理工学部)

            闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう
            -- 中島みゆき『ファイト!』より

            科学とは、断片的で互いに矛盾するビジョンのモザイクなのだ。
            だが、そうしたビジョンには、ひとつだけ共通点がある。その
            共通点とは、東洋のものであれ西洋のものであれ、ある地域で
            優勢な文化によって課された束縛に対する叛逆だ。
            -- F・ダイソン『叛逆としての科学』より

目次 1.違法性・法律上の前提
   2.なぜ「学問の自由」の侵犯か
   3.学術会議の「非軍事」の姿勢について
   4.拒否すべき「軍事目的研究」とは何か
   5.どう反撃するか

日本学術会議の会員任命を菅政権が拒否する事態が9月28日に発覚した。本稿執筆時点ですでに2ヶ月を経過したが、依然として事態は好転していない。多くの人が指摘するように、学問の自由そのものへの攻撃であり、つまり公然たる違憲行為であり、このままの状態が既成事実化すれば重大である。しかし10月3日の毎日新聞は、2016年の第23期の補充人事の際にも「複数人が首相官邸側から事実上拒否され」、人事介入は安倍政権も行っていたことを明らかにした。むしろ菅政権がそれを踏襲したのであろう。

発覚直後からテレビを含めメディアの報道は菅政権のやり方に批判的で、2日夜のTBS¬ニュース23では、コメンテータの堤伸輔氏が次のように発言[注1]した。
「こういう形で6人の任名が拒否されることになるとですね、今のVTRにあったように、自分達の普段からの研究や発言が何か問題があるのではないか、それによっても実際に不利益を被るかもしれない。あるいは今の政権から自分達は目をつけられるのかもしれない。そういう萎縮効果を、今回の方々だけではなくて広く学界全体に、実は及ぼしてしまうかもしれない。そういう意味合いがあると思います。」

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日本の教師の批判的思考力、教員組合、ユネスコ高等教育世界宣言 [仕事とその周辺]

2ヶ月あまり前のNewsweek日本版9月2日号の、「批判的思考が低い日本の教師に、批判的思考を育む授業はできない」というタイトルの記事が、数日前からフォローしているSNSで引用されているので、読んでみました。全く同感で、この数年来、いや数十年来の若者の非政治化、その結果としての政治の後進化の根本的な原因になっていると思います。筆者は教育社会学者の舞田敏彦という人。
一部引用すると、
自由奔放な思想や行動が許される学生の時期までもが、今の教職課程では学校現場の色に染められてしまう。風変わりなことや批判めいたことを言うと嫌われるので、社会に対する関心、批判精神が薄れるというのは道理だ。

牙を抜かれた教員たち
 こういう学生が採用試験を突破し、学校現場にやってきたらどうなるか。教育委員会や管理職にすれば扱いやすい存在だろうが、現場に新風を吹き込む創造性など持たないだろうし、学習指導要領で重視されている「批判的思考」を育む授業も期待できない。
 それはデータで裏付けられる。OECD(経済協力開発機構)の国際教員調査「TALIS 2018」では、授業において批判的思考を促すことがどれほどあるか、と問うている(対象は中学校教員)。肯定の回答(「A lot」「Quite a bit」)の比率を拾うと、日本は24.4%でしかない。対してアメリカでは82.3%にもなる。
そして次の表が示されています。
data200902-chart01.jpg批判的思考が日本の教師から奪われたのは、組合の衰退も大きく影響しているでしょう。保守勢力が「日教組」を悪魔化することを成功させてしまいました。組合にも入らず、自分の労働者としての権利のために闘うことを知らない人間に、真の意味の権利教育も批判的思考を育む教育はできないと思われます。

unesco-higher-ed1998.jpgこれで思い出したのが、1998年に出されたユネスコ高等教育世界宣言「21世紀の高等教育 展望と行動」です。この会議には文部省(当時)も参加し署名しています。日本語訳の全文は、ネット上には私が当時からに掲示している日本私立大学協会による私訳しか見当たらないようです。
オリジナルはこちらです。
https://unesdoc.unesco.org/ark:/48223/pf0000141952
その第九条に「革新的教育方法-批判的思考および創造力」という項目があります。(a)〜(d)まで4項ありますが、その(b)項は「高等教育機関は、学生を批判的に思考し、社会の問題を分析してその解決策を求め、それを実践して社会的責任を受け入れることができる見聞の広い、深く動機付けられた市民となるように教育すべきである」というものです。

このユネスコ文書は日本ではほとんど注目されませんでした。文部省は公式訳さえ公表していません。当時、文部省から「試訳」をもらったので所属の教授会で配ろうとしたところ、その提供者に断られた記憶があります。出席した文部省官僚は旅費を返納すべきかと思われます。

なお、「ユネスコ高等教育宣言と大学審答申--『グローバルスタンダード』と儒教イデオロギーとのギャップ」と題して、同じ時期に出た「大学審答申」との語彙頻度分析をしていました。

「批判的思考」はもちろん高等教育だけの課題ではありません。

21世紀は始まってもう20年経ちますが、関係者は今この文書を読み直し、なんとか世界水準に追いつくよう努力すべきではないでしょうか。
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関連記事
ニューズウィーク日本版12月29日号のフローラン・ダバディー氏のコラムに共感
東北大学学生自治会主催のダバディー講演会
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九電の原発からの液体トリチウム放出(更新) [仕事とその周辺]

九電サイトの、原発からの液体トリチウム放出量が2019年度まで更新されていましたので、昨年6月のグラフを更新しました。「玄海原発からのトリチウム放出再開」の後継記事です。
まずグラフです。縦軸の単位はテラベクレル。白黒印刷用はこちら
tritium-up2019color.jpg
次に数表。

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「問われているのは知識人としての倫理と矜持」-- 学術会議任命拒否 [仕事とその周辺]

nankaibc.jpg1昨日、少し遠出の車の中で、賞を取ったラジオドラマの連続放送をNHK-FMで聴いた。
南海放送の、「感染」―正義とは何か―
【放送日時】  2020年5月30日(土) 14時00分~14時44分
同局の関係のプレスリリース

感染拡大の真っ只中に作られたドキュメンタリーで、地域でのコロナウイルス感染をめぐって、ウワサ、中傷などがどのように人々の間に「感染」していくかを追ったものだ。

驚いたのは、電話やSNSで攻撃したりするような人たちの権力追従ぶりだ。知事など行政当局が、感染を出した施設の不手際を批判すると、すぐにその施設への攻撃が始まり、逆に、「敵は人ではなくウイルスだ」というようなことを言うと、たちどころに施設への激励や感謝の電話が増える、というのだ。

このような、権力にすぐに追従するような人というのは、このような電話好き、SNSで発信したがるような人に特に多いのか、それともこの国の人々の一般的な傾向なのか。おそらく後者だろうと思われる。(「この国」に限ったことではないかも知れないが。)

ウイルス感染問題とは全く別の世界、学術会議の任命拒否問題でも類似のことがすでに起きているようだ。任命拒否された人に対する攻撃が、直接本人にだけでなく、その関係者・機関に対しても始まっているという情報を目にした。総理大臣という「お上」の価値判断に、忠実に付き従っている、そのような人たちが、もちろん少数だろうが、さっそく出現しているのだ。

権力に従順に追従するというのは、コロナ対策では日本にとって大きなメリットだったかも知れない。なにしろ、何の強制力もなしに「ロックダウン」が可能だったのだ。しかし世の中では「多様性」が重要な局面も多い。排外主義が一層強くなり、国家がそれを公認するようになると(現在すでにその傾向が大きくなっているが)、それに同調しない人に対する攻撃も表面化するだろう。ましてや、たとえ小規模でも隣国との軍事衝突ともなれば、「非国民」と言う言葉もあからさまに復活するかも知れない。その先には・・・。

学術会議問題が孕む重大な危険性はこのような文脈にもつながる。サンデー毎日掲載の、白井聡氏の論説はとても鋭くこの問題の本質に迫っている。私が10月3日の記事に書いたのと同じような内容もあった。真ん中ほど、「知識人の倫理と矜持が問われている」のパラグラフから引用する。
また、今回会員に任命された99名の学者たちから、6名の任命拒否が貫かれた場合どのような対応をするのかについて態度表明がなされたという話も現時点で聞かない。政権の越権行為によって6名の学者を省いてなされた今回の任命は、違法である。99名の学者たちは、違法になされた任命に基づいて会員職に就くことを是とするのか。問われているのは、知識人としての倫理と矜持(きょうじ)である。
ぜひ全文ご一読を。
ちなみに、冒頭のラジオ番組では、四国のお遍路の歴史にも触れていた。この習慣は単に宗教的な意味だけではなく、ハンセン病患者など社会や地域からはじき出された人々の行き場でもあったこと、地域の人はこれを暖かく迎え入れる風習があったこと、ところが、明治期のコレラなどの感染症を機に、お遍路がこれを運ぶ者と決めつけられ排除されたこと、それで最後の行き場まで失った人は、行き倒れや自殺に追い込まれたことをも明らかにしていた。これもまた、今のコロナパンデミックの中で、形を変えて繰り返されているのではないか。番組製作者はそれも問うていたのだろう。
shirais.jpg
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学術会議・梶田会長、総理に「強く抗議する姿勢は示さなかった」 [仕事とその周辺]

TBS報道特集 “学術会議 任命拒否「学問の自由」とは”10月18日(日) 14:00 まで公開延長Dailymotionに上がっています。
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学術会議・梶田会長と菅総理大臣との会談をメディアが報じている。次は毎日の16日 21時27分のネット報道から。
政権の圧力じわり 任命拒否、強い抗議できず
「学術会議が今後しっかりと社会や国にどう貢献していくかについて主に話した」。菅首相との会談後、官邸の玄関で報道陣に囲まれた梶田氏は、少し身構えながら淡々と答えた。会談時間は約15分。肝心の任命拒否問題については、理由の説明や速やかな任命を求める要望書を手渡したものの、「(菅首相から)お答えがなかった。踏み込んでお願いはしていない」と明かし、強く抗議する姿勢は示さなかったことを認めた。
同じ記事の中に、「梶田会長は16日の首相との会談で、これまで発信力が弱かったことを挙げ」たとあるが、それなら、なぜ今もって会長本人が記者会見をしないのか。

会長のこのような「弱腰」の背景には、学術会議をサポートする発信は多くあるものの、その不十分さを指摘する声が少なすぎることもあるのではないか。いわば、「左」からの圧力の弱さである。応援は別として、圧力はもっぱら「右」から。これでは流される。

毎日新聞に10/6日に投稿した文章を掲載します。3日にこのブログに掲載したものと同じ趣旨です。(10日経過したのでボツと判断)
任命された99人と、任命拒否された6人との「分断」を許してはならない。
学術会議は部分的な任命は返上すべき
日本学術会議が政府に提出した名簿のうち菅総理は6名を任命しなかった。日本学術会議法の、総理大臣による任命は会の推薦に基づくという規定は、天皇による総理大臣の任命と同様、任命者の恣意性を認めていない。多くの人が指摘するように今回の菅総理の決定はこれを無視する違法なものだ。
新会長の梶田氏は政府に理由の説明と全員の任命を求めた。当然だが、学術会議が今回任命された人たちをどう扱うかもまた問題である。任命拒否が違法なら選別的な任命もまた違法だからである。なぜならこの人事は一体のものであり、政府の意思によって構成が歪められてはならないからだ。単に人数が減っただけでなく、分野別構成にも偏りが生じたはずだ。何よりも政府による思想選別の疑いが濃い。
政府が態度を改めて全員を任命しない限り、学術会議は任命された人の辞令も受け入れてはならない。いかに大多数とはいえ、一部の人事のみを受け入れることはこの違法行為に加担することになるからだ。
モン=モジモジ先生のツイート
mojimoji.jpg
モン=モジモジ@天皇制拒否
@mojimoji_x
梶田会長はお人好しも大概にしないと、とんでもない汚名を歴史に残すことになるよ。誰か忠告してあげないのかね、身近な人。


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