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今なおテロの支配する国、日本 [メディア・出版・アート]

image.jpg(末尾に少し追記しました。)
昨日、『標的』というドキュメンタリー映画を見て来ました。従軍慰安婦問題報道にまつわる、植村隆氏へのバッシングと彼の闘いを描いた作品です。
https://target2021.jimdofree.com/作品情報/
監督は、元RKB毎日放送記者の西嶋真司氏。2018年に退社し、映像制作会社「ドキュメント・アジア」を設立。

植村隆氏への10年ほど前から始まったバッシング[1]、そして当時彼が非常勤講師として勤めていた北星学園大学への攻撃のことは知っていましたが、その攻撃は今も効果を持ち続け、従軍慰安婦問題はメディア界のタブーになっているとのこと。また教科書の記述にも大きな影響を及ぼしています[2]。

今なおテロの支配する国ということがこの映画で明らかになります。「国」という「大きな存在」と自分を一体化したいという欲求なのでしょうか、その尖兵となる人たちの #言葉のテロリズム 。時としてそれは言葉だけでなく、朝日新聞阪神支局襲撃事件のように、本物のテロとして牙を剥きます。

メディアの萎縮と教科書に載らないことで、この問題を忘れ去ったり、あるいは「デマ」や誇張と思っている人が少なくないように思います。そこで、末尾に資料として、政府の公式見解である1993年の「河野談話」と、今も否定論の先鋒である櫻井よしこ氏が、実は当時は、植村氏と同じように、「慰安婦」を「日本軍強制説」で報じていたという証拠を、下に「付録」として掲示しておきます。

それはともかく、会場が高宮の「アミカス」で、ファスレーン365の準備などで頻繁に利用したところで、久しぶりに訪れて懐かしい気持ちでした。

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[1]監督インタビュー記事によると、2014年から。
https://www.cinema-factory.jp/2022/11/12/6089/
[2]例えば東京新聞2022年3月30日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/168575付録
慰安婦関係調査結果発表に関する河野内閣官房長官談話
平成5年8月4日(1993年)
(転載)
いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果がまとまったので発表することとした。
 今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。
 なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島が大きな比重を占めていたが、当時の朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理等も、甘言、強圧による等、総じて本人たちの意思に反して行われた。
 いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。
 われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。
 なお、本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。
週刊時事1992年7月18日付けの、櫻井よしこ氏の記事
(冒頭部分)
ずばり一言
従軍慰安婦問題の責任を取るべきは日本の「政府」だけなのか


昨年十二月以来、韓国政府の要請を受けて日本政府による従軍慰安婦問題の実態調査が行われていたが、その要旨が明らかになった。七月二日付の「読売新聞」によると、おもな点は、慰安婦となった女性たちの出身地は朝鮮半島、中国大陸、フィリピンそして台湾など広い範囲に及ぶこと、彼女らの募集や慰安所の経営には旧日本軍が直接関与していたこと、しかし、慰安婦の強制的な徴用に、旧日本軍が関与したことを証明する政府の資料はないこと、などである。
今回の実態調査は、必ずしも完全なものではないかもしれないが、日本人全体が目をそらし続けてきた日本現代史汚点について、事実を明らかにしていくための第一歩として評価されるべきであり、この努力は今後も継続されていくべきであろう。
そして、その結果、明らかにされる事実については、日本人全体が人間として責任を負うという姿勢で臨むべきであろう。昨年末、従軍慰安婦問題がクローズアップされ、日韓間のみならず、日朝関係の中でも、政治問題となってことは周知の通りである。東京地方裁判所には、元従軍慰安婦だったという韓国人女性らが、補償を求めて訴えを起こした。強制的に旧日本軍に徴用されたという彼女らの生々しい訴えは、人間としても同性としても、心からの同情なしには聞けないものだ。
彼女らが心身に負った深い傷の代償を、日本政府に要求する気持ちは理解できる。しかし不思議でならないのは、そうした動きを見つめる私たち日本人の視点である。責任をとるべきは日本政府であり、すべては旧日本軍が悪いとする見方は、それによって個々の日本人の責任を回避しようとするためのものであるかのようだ。
戦前、戦中の話を聞けば聞くほど、あるいは資料で読めば読むほど、当時の日本人は男性も女性も、慰安婦や慰安所の存在を必要なものとして認めていたことがわかる。その理由には「お国のため」「戦地の兵隊さんのため」な・・・
(引用元, 写真も:週刊金曜日 櫻井よしこ氏は「慰安婦」を「日本軍強制説」で報じていた 徃住嘉文|2019年4月19日)
週刊時事1992桜井良子のコピー.jpg
追記:午後の上映の前の、監督と「主演」の植村氏とのトークショーも聞きました。その中で、監督の西嶋真司氏は、RKBの記者の時、TBSの特派員としてソウルにいて、植村氏と同様に韓国で従軍慰安婦の取材をし、その後このテーマで番組を企画したが、会社が認めなかったとのこと。このまま死んでは後悔すると、会社を辞めてこの映画を作ることにしたそうです。
映画が終わった後、「主人公」の植村氏は著書のサインセールでロビーにいたので、私もその本を買うと同時に、自分のエッセイ「『ガラパゴス』状態の日本のデモが暴政継続を許す」のプリントとチラシなど計4点を手渡すことができました。これは大きな収穫でした。
追記2:ネット上などでの言葉によるテロの標的は家族にも、学生だった娘さんにまで及んでいたとのこと。卑劣さに怒りが湧きます。しかし彼女はそれに耐え、映画にも気丈な姿で登場します。
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