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佐賀オスプレイ配備、自治会長らが「条件闘争」、小説「となり町戦争」とのアナロジー [社会]

昨日(3月24日)のNHK佐賀のニュースで、「オスプレイ」の佐賀空港への配備計画をめぐり、地元の自治会長らが条件次第で容認の姿勢を示したことが報道された。

「また、自治会長らは、騒音対策として川副地区のすべての世帯について窓を二重化すること、ミサイル攻撃に備えた地下シェルターの整備などが必要だという考えを示しました。」

ospray-saga.jpgつまり、オスプレイ配備が戦争のための計画であることを、この自治会長たちは認めたということだ。隣国にとっての「敵地」となることを。オスプレイ配備(佐賀市への自衛隊基地の新設)がなければ、地下シェルターなど必要ないからだ。

この自治会長らの姿勢を見て、昨日投稿の「となり町戦争」の一節を思い出した。自治体による「戦争事業」を始めるにあたっての住民説明会の様子である。88ページを引用する。
男性はなおもぶつぶつと言っていたが、重ねて質問する意志はないようだった。室長補佐は、慇懃に見える態度で一礼をして席に戻った。
その後も、「戦時負担金は世帯の家族数に応じて計算するそうだが、うちの息子は他県の大学に行っていて住民票は移していないが、その場合は?」「実際の家屋の損傷だけではなく、騒音なども補償の対象になるのか?」「二箇所以上で戦闘が行われる場合の迂回路はきちんと確保されるのか?」などの質問が相次ぎ、それに対して室長補佐、コンサルティング会社の男、そして香西さんがあいついで回答した。
不思議だった。住民達の質問は、自分たちの、日常の利害の問題に終始していた。僕は思っていた。こうした説明会の場では、一般の住民の戦争に対する思いのようなものを聞けるのでは?と。だからこそ説明会に参加する気になったのだ。今日の雰囲気では、住民たちは戦争を歓迎はしていないが、しなければならないものとして、積極的にではないが、協力する意志を持っているようだった。
やがて住民からの質問も途絶え、頃あいを見計らって室長が前に立った。
「他に質問ございませんでしょうか? ...... ないようですので、それでは今日の説明会を....」と、説明会終了を宣言しようとした時だった。
「ああ、ちょっと待って」
僕の前に座っていたコートの男が、室長の言葉をさえぎった。
「根本的なことを聞きたいんだけど」
佐賀の地元の自治会長たちは、県や国に対して「根本的なこと」を問いただすつもりはなかったようだ。(小説の中の、「根本的なことを聞きたい」の「根本的」については、またひねった展開になるのではあるが.....。)
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