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佐賀オスプレイ基地建設阻止行動3回目(3月20日) [反核・平和]

昨日(21日)は裁判を巡って大きなニュースがありました。建設用地の地権者4名が工事の差し止めの仮処分を求めた件への裁判所の決定が出され、原告敗訴となりました。国側の言い分をなぞっただけのひどい判決です。原告は即時抗告の予定、また本訴もすでに(3/15)行われています。

本題の、佐賀オスプレイ基地建設阻止行動3回目(3月22日)の様子などをお伝えします。この行動の基本的なことについては、過去の記事や、メールリストに2月に投稿したものを参照ください。(この記事の末尾に添付。この記事も、本日MLに投稿したものをわずかに編集したものです。)

warning-c3.jpg前2回とさらに時間をずらして、午後2時開始としました。つまり、ダンプが動いている状態への積極的な「介入」となるタイミングです。そのため、行動の「大義名分」の明示として、警察がデモ隊を排除するときに掲げるような「警告パネル」(右の図)を、我々の側が工事を進める人たちに対して提示しながら、ゲートを占拠しました。現場には警備員しかおらず(機動隊は別の場所で待機していたようです)、なんなく座り込みに入ることができました。そして予定の1時間、警備員による繰り返しの「立ち止まらないで下さい」のコールのみで、警察官が姿を見せることもありませんでした。
ダンプの方は封鎖されていない別のゲートに回ったため、「実害」が少なかったためかと思われます。そのため予定時間経過後も参加者の一部は別のゲートに回って封鎖しました。2時間ほどで全員が引き上げました。

(左から)警備員に「法令違反警告書」提示/ゲートに入れないダンプ運転所にも/好天だが強風-いずれもボディーカメラによる
141204edited.jpg145721.jpg142737.jpg

(2)報道
地元紙「佐賀新聞」がその日のうちにネット版に、翌日の紙面で写真入りで報道しました。
https://www.saga-s.co.jp/articles/-/1212722
ネット記事は、2日後の今も、同紙の24時間のアクセスランキング3位(21日夜、22日9時も)をキープしています(22日21時に10位に落ちたので、更新を怠っていたためではないことが分かります)。記事は次のように結ばれています。
「・・・抗議行動は1月から始まり、今回で3回目。代表の佐賀大名誉教授豊島耕一氏(76)は「平和的に工事を止められることが実証でき、手応えがあった」と話した。来月以降も継続する予定。
朝日の佐賀版、19日の記事でも触れてくれています。これも末尾の部分を引用します(全文は有料)。
https://www.asahi.com/articles/ASS3L3H6WS3LTTHB001M.html
・・・佐賀空港にオスプレイが配備されると、九州や南西諸島の自衛隊施設などを利用する回数も増えるとみられ、大分、熊本、福岡など自衛隊施設がある地域で活動する市民団体や労働団体が地元住民とともに、抗議の座り込みも行う。日米共同訓練などで日米のオスプレイが頻繁に飛び交うことを懸念する声も上がる。
抗議行動を呼びかける豊島耕一・佐賀大名誉教授は、『オスプレイが配備される駐屯地は、戦争を誘発し、日本全体を戦争に巻き込む危険性がある。軍備を持たない非暴力で戦争を防ぐという考え方をもっと広めたい』と話した。( 野上隆生 )
(3)県内の様々な反対運動の中での位置

佐賀県内では、次のように多面的なオスプレイ基地建設への反対運動が行われています。
2023/8/29 地権者による裁判(工事中止の仮処分申立て、のち本訴)
2023/9/20 県議会に環境アセスメント請願(排水関連施設、平行誘導路含まず面積ごまかし)
2024/1/9 佐賀県公安委員会に対し、県警が違法工事を取り締まるよう「苦情申し出」。(3月4日付で回答、3月13日に「再質問」)
2024/1/27 工事ゲートでのダンプ侵入阻止行動開始、「私人による法の執行」…「オスプレイストップ!9条実施アクション佐賀」結成
2024/2/16 環境アセスメント実施要求(新たな土砂採取地を除外した問題)
2024/2/21 住民監査請求(県の土砂など9億円を無償提供)

senzo.jpg私たちのグループの公然とした行動は、上の3番目、今年1/9からのものです。一番目の、裁判に関わる集会などが100人を超える人が集まり、かつ地元佐賀からの参加者が多いのですが、私たちの行動には毎回30人程度で、しかも県内からは3割程度と思われます。「直接行動」という性格上、参加の敷居が高いと思われますが、またこの行動の意義や正当性について、県内の反対運動の中でも十分に理解されていないためと思われます。しかし、繰り返しテレビや新聞で(好意的な)報道がなされているので、徐々に市民権を得ていく事を期待しています。
なお、私自身も含め、私たちのメンバーのほとんどは同時に、地権者による裁判を支援する会の会員でもあります。(右は私が用意したパネル。当日が「彼岸の中日」であることに因んで。Iさんに持ってもらいました。)

(4)この行動の特徴
前便で紹介したような、公安委員会への「苦情申し出」、つまり警察との「対話」は、アンジー・ゼルター著「非暴力直接行動が世界を変える」の付録1Dの警察への手紙(当ブログに転載)にヒントを得たものです。
また、私たちの行動はいわゆる「市民的抵抗」「市民的不服従」という部類に入ると思いますが、同時に法的な正当性を持つもの、つまり「私人(民間人)による法の執行」であると考えていますので、(1)に書いたような「警告パネル」を使用しました。
このような例で分かりやすくかつ広く知られているのは、現行犯における「私人逮捕」ですが、この言葉は違法・異常なユーチューバーによって窃用され貶められました。しかしそれによってこの言葉の定義が変更されることはありません。

(5)結び
「直接行動」と言うとすぐに警察による排除・逮捕を連想しそうですし、実際この活動を提案したときも、「ここは沖縄とは違う」「逮捕されたら奪還や法廷闘争などに余分な労力を割かれる」というような反応がありました。しかし以上のように結構長い時間にわたって「平和的に」阻止行動を行えることがわかります。沖縄以外でも、またいろんな市民運動のシーンにおいても、もっと積極的に活用されていいと思います。何よりマスメディアの反応が違います。
次回は4月第二週の週末(13日または14日)を予定しています。裁判所の、工事を正当化する判断が示されたため、今度は警察も高圧的になるかも知れません。そうなるかどうか、私たちの動員力もより重要になり、あるいはより「覚悟」も求められることになるかも知れません。近隣の方の参加(ギャラリーも含め)、情報拡散をお願いします。
また、朝日の野上記者が記事の最後に書いてくれたように、「非暴力で戦争を防ぐという考え方をもっと広め」ること、つまり「市民力による防衛」や「無防備地域宣言」に関する活動が必要だと思います。「攻められたらどうするのか」「xx国の脅威」の繰り返されるプロパガンダに「平和外交」だけでは対抗できません。

オスプレイストップ!9条実施アクション佐賀
公式ブログ https://9zyosaga.blogspot.com/
公式X https://twitter.com/stopsaga9zyo

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メールリストへの2月の投稿を再掲します。

[abolition-japan] 非暴力直接行動の効果--佐賀のオスプレイ基地建設阻止行動
宛先: 平和への結集ML, 核廃絶ML
2024 2/28
[uniting-peace:9210] 2/20

非暴力直接行動の効果--佐賀のオスプレイ基地建設阻止行動

豊島です。
佐賀のオスプレイ基地阻止行動については、1/12、18、20、2/20と繰り返しお伝えしてきましたが、最新・先週末2/24は2回目のダンプ侵入阻止行動でした。1/27の最初の阻止行動では、私たちが朝一番から座り込みをしている間はダンプは全く姿を見せず、それどころか、予告通り1時間で座り込みを解いても、午前中は全く、1台も来ませんでした。結果的に半日間止めたことになりました。

2回目の2/24は、相手の反応を見るため開始時間を午後1時にずらしました。今度は警察が来て排除されるかも知れないと、一同、最悪の場合は逮捕も覚悟していましたが、今回も全く同じで、予告の1時間はダンプは来ません。「ごぼう抜き」シーンなどをメディアに大きく報道されることを嫌ったのか、1時間程度の遅れは取り戻せると思ったのか、理由は分かりません。もっとも善意の(お人好しの?)理解は、私たちの、「警察は違法な工事を取り締まれ」との県公安委員会の「苦情申し出」を真剣に検討しているため、と言うことでしょうか。実際、その申し出からひと月以上経つのに、なんの応答もないのです。第七十九条の3には、これに対して「誠実に処理し、処理の結果を文書により申出者に通知しなければならない」とあるにもかかわらず、です。

沖縄では、このような直接行動は辺野古など各所で行われていますし、このMLの皆さんの中にも参加された方も多いと思いますが、他府県では稀です。しかし私たちの2度の経験では、沖縄同様、十分に阻止行動が可能であることを示していると思います。

今の政治状況、特に軍事化の速度は尋常ではなく、これまでの市民運動のやり方では止めることが困難だと思います。つまり、メディアに無視されて「存在しない」ことにされてしまうのです。メディアが無視できないようにする、つまりなんらかの形で実際に違憲行為やそれにつながる「業務」を遅らせ、混乱させることが必要です。つまり「非暴力直接行動」が不可欠です。実際、私たちの2度の行動は、地元のテレビがニュースとして取り上げ[1]、また新聞も報道しています[2]。しかもかなり好意的に見えます。(なぜか赤旗だけは全く報道しません。しかし2月23日の「文化の話題」欄で、間接的にこの行動に触れているので[3]、変化を期待しています。)

また、このような行動形態は祝祭性の要素も持つので、参加者をエンパワーする効果もあります。

私たちの行動に対して、うるま氏在住のもと裁判官の仲宗根勇氏から、「佐賀頑張れ!沖縄も頑張る」と言うメッセージをフェイスブックにもらいました(1月27日の投稿へのコメント)。

第3回目は3月20日(水、祝日)で、さらに時間を変えて14時から開始します(13時50分に佐賀空港第四駐車場集合)。近隣の方はどうぞご参加ください。例によって、阻止行動に参加される方は、「非暴力と安全の誓約書」への署名をお願いしています(ギャラリーは不要)。

なお、1/18の投稿で、この行動の趣旨や、警察(県公安委員会)への働きかけなどについての文書にリンクしていますが、再掲します。
なぜ今、工事阻止行動が必要か
HTTPS://PEGASUS1.BLOG.SS-BLOG.JP/2023-12-21
なぜ今、工事阻止行動が必要か(続)
HTTPS://PEGASUS1.BLOG.SS-BLOG.JP/2024-01-04
佐賀県公安委員会への苦情申し出
HTTPS://PEGASUS1.BLOG.SS-BLOG.JP/2024-01-10
最初の1/19の記者会見で配布した文書の内容、録音。
https://pegasus1.blog.ss-blog.jp/2024-01-19
最新の、2月19日の記者会見の詳細。
https://pegasus1.blog.ss-blog.jp/2024-02-20

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[1] 1/27 https://www.sagatv.co.jp/news/archives/2024012715615
2/24 https://youtu.be/-V2fEmMzjNY
[2] 新聞でもっとも優れた記事は、朝日の野上記者によるものです。
https://www.asahi.com/articles/ASS1X6X89S1WTTHB005.html
[3] 赤旗の2月23日のこの記事はブログに転載しています。
https://pegasus1.blog.ss-blog.jp/2024-02-23
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