コロナウイルス対策は保健所の聖域？

［追記あり］人口当たり感染者数で一躍全国１に躍り出た久留米市、この数日は２桁の低い方で推移しているものの、収まる気配はありません。市役所として一体どういう「戦略」で臨んでいるのか、それとも「戦略」などないのか、市に質問するなどして探って見ました。結論としては、どうやらコロナウイルス対策は保健所の、いわば「聖域」となっていて、役所として独自の頭脳を配置して対策を考えている様子はなさそうです。

まず、5／４に市長室に以下の質問をウェブ経由で送りました。

久留米での新型コロナ急拡大に際して、市長の5月1日付けのメッセージで、市長として「まん延防止等重点措置について、国に働きかける」とされています。しかしいわゆる「まん延防止」では不十分であることがすでに他の地域で証明されています。また、この中では、市民への対策の要請は細かにありますが、
（１）市としてどのような対策を取っているかの説明はなく、また市のウェブサイトを見てもなかなか見つかりません。
（２）網羅的なpcr検査で無症状感染者を事前に発見するなど、世田谷区のような方法をなぜ取られないのか、大変不思議です。感染症学会の「地域の流行状況によるが、PCR検査の原則適応は、『入院治療の必要な肺炎患者で、ウイルス性肺炎を強く疑う症例』とする。」という昨年の文書がまだ生きているのでしょうか？(この項4/22の投稿参照)
ひと月ほど前に別のページで同様の質問をしましたが、施設へのpcr検査は非常に限られているようでした。
以上２点、よろしくお願いします。

これに対して一向に回答がないので、秘書室に直接電話すると、総務課に回され、独自の回答はなく、型通りの説明の後、保健所のQ&Aのページを示されるだけでした。

ここにある、他の質問に対する保健所の回答もほとんど機械的で、誠意が感じられません。（なおこれは総務課の職員の方にメールで教えてもらったアドレスで、トップページからの辿り方は不明です。）

市が積極的に無症状の感染者を見つけようとしていないことは、市の発表データでも明らかです。例えば5月18日の久留米市の陽性者発表11名のリストを見ると(冒頭の画像も)、無症状者は一人もいません。感染者の半数ほどは無症状と言われるので、これと同数（または恐らくそれ以上）の無症状の陽性者がいて、それを放置しているということを意味します。その人たちが周りに感染を広げれば、いつまで経っても収束しないということです。

他の日のデータも、無症状者のほとんどは濃厚接触者で、つまり積極的に無症状者を発見しようという姿勢は皆無のようです。

これに対して、感染者数を低く抑えている自治体、例えば鳥取県や和歌山県では、PCR検査を創造的に、また賢く活用しています。鳥取県のスーパースプレッダーに注目する手法は5月17日の『報道1930』が伝えています。
https://twitter.com/matsubarakoji/status/1394467159003172865

また、昨年来、東京都世田谷区では、介護施設などの定期的な全員検査でクラスターの発生を予防しています。

このような取り組みを学んでいるのか、総務部総務課の人と電話で話をしましたが、全く中身のある話は出来ませんでした。冒頭に書いたように、保健所任せで独自に対策を考える姿勢はなさそうでした。保健所は恐らく「感染症ムラ」の支配下にあり、このままでは大変心配です。次のニュースのように、インド型変異株はもっと恐ろしいようです。

U.K. Cases of Covid Variant From India More Than Double in Week
（イギリスでインド変異株は１週間で倍加）
https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-05-20/u-k-cases-of-covid-variant-from-india-more-than-double-in-week
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5/22追記：インド変異株対策も全くザルのようです。南野 森（MINAMINO Shigeru）氏のツイート：
https://twitter.com/sspmi/status/1395719428306788353

遅すぎ。なぜ最初からそうしなかったのか。
3月28日　検疫でインド株発見
4月26日　都内で感染者発見
4月28日　待機を3日に
5月10日　待機を6日に
5月21日　待機10日へ調整
既に国内で160人からインド株が検出

インドなどからの入国者 待機期間10日間に延長へ 水際対策強化
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210521/k10013044911000.html