SSブログ

根津公子さんに停職一ヶ月 [憲法・教育基本法]

(末尾に追記があります.二中父兄さん (2005-06-19)へのコメントです.)
4月22日の「『起立』する人の責任」「不通のセンスを持った先生を応援して下さい」で紹介した都立中学の教師,根津公子さんに対し,都教委は昨日,停職一ヶ月の処分を出しました.これに対する根津さんの抗議文を転載します.処分書を受け取る前に「心して聞きなさい」と言って本人がが読み上げはじめたが,それをかき消すように都教委の役人が処分書を読み上げたので途中から聞こえなくされてしまったとのことです.
 法制化の国会審議で「内心の自由に踏み込まない」,「強制しない」はずだった日の丸・君が代ですが,このようにして徐々に強制が進み,世論もそれに慣らされていくという,いろんな問題でこれまで繰り返されたパターンが進んでいます.「茶色の朝」は始まっています.
 日教組も全教も,このような組合員(おそらく彼女はそうだと思いますが)が受ける不当な不利益に何らかの補償や金銭的支援をしてしかるべきだと思いますが,問い合わせたところ両者とも,組合の決定と関係ない(つまり組合が指令したわけではない)ので,できないとのことです.こんな重大問題で役に立たないのなら一体何のための「救援金制度」なのでしょうか.
 彼女は一ヶ月間校門に立ち続けると言っています.

____________________________________
2005年5月27日
東京都教育委員会御中
           立川市立立川第二中学校教諭 根津公子

「君が代」処分に抗議する

 本日2005年5月27日、東京都教育委員会(以下、都教委)は入学式における「君が代」斉唱時に起立しなかったとして私を停職1月処分に処した。この暴挙に強く抗議する。
 1989年当事の文部省が学習指導要領に「日の丸・君が代」を持ち込んで以降その強制を年々強め、都教委は2003年、いわゆる10・23通達を出し、反対意見を処分で脅し封じ、徹底した「君が代」服従を教員に、そして教員を通して子どもたちに強いてきた。
 教育は「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成」を期し、「学問の自由を尊重して」行うべきものであって、教育行政が「不当な介入に服してはならない」と教育基本法は謳っている。教育として「日の丸・君が代」を取り扱うならば、学校・教員はこれらについて子どもたちが考え判断できるよう資料を提示し、学習する機会を作るとともに、その上で子どもたちが自らの意思で行為を選択することを保障しなければならない。それが軍国主義教育の反省から生れた、教育基本法の示す教育行為である。
 然るに、都教委が強行する、子どもたちに一つの価値観を押し付ける「君が代斉唱」行為は非教育・反教育行為であり、教育基本法に違反する行為である。それは調教と呼ぶべきものである。
 そのような理不尽なことに、私は従えない。職務命令を濫発されても従わない。それは、教育基本法を順守し、軍国主義、国家主義教育に加担しないと誓った私の教員としての職責であり、選択である。私は、私の生き方を子どもたちに示すことで教育に責任を持つ。だから、都教委が叩いても私は立ち上がる。意を同じくする人たちとともに闘う。
 都教委の役人の方々よ、世界に目を向けよ。圧政に命を堵して闘っている人々がいることをあなた方は知っているだろうか。圧力をかければ、誰もが服従するのではないことを学ぶとよい。
 都教委の「君が代」処分に抗議するとともに、併せて、闘いつづけることを宣言する。
                           以上
____________________________________
6月19日追記
なぜかADSL+マックだとコメント欄書き込みができないのです.同じ様な経験の方ありませんか?
やむを得ずここに二中父兄さんの投稿 (2005-06-19)へのコメントを書きます.
「二中父兄」さん
気長に見ていただきありがとうございます.できるだけすぐに反応しようとは思っているのですが・・・.
根津さんの考えや態度全般に話が及んでいますが,毎日校門に立つという行為を批判されていたので,それに話を限りたいと思います.「けしからんやつだから校門に立つのもけしからん」とおっしゃっているわけではないでしょうから.
「しかるべき司法の場・・・」については,いずれ根津さんはそうされるだろうから,コメント不要と思っていました.司法の場に持ち込むことと,それ以外の場でアピールしたりすることとは,二者択一でもなく,矛盾することでもありません.


応援のクリック歓迎 (1日1回まで) →

------- 1401577.gif14年後の追記:思いがけず、私にも「不起立」の機会がありました。3回も。その記事のうちの一つです:成人式に出席

デヴィッド・マッケンジーさんの集会 [反核・平和]

11日の記事で紹介した,水曜日18日の会合の参加者は,トライデント・プラウシェアズ(TP)について初めて聞くという人が大半だったようだ.また質疑応答も内容が濃く,たいへん有意義だったと思う.共催団体の「ウラン兵器廃絶キャンペーン・福岡」はキリスト教関係の方が多く,会場も教会の会議室ということで,そのつながりの参加者も多かったようだ.直接行動で,それも合法性の確信を持って,イギリスの核兵器を廃絶するという内容は,ほとんどの参加者に新鮮な驚きを与えた.
 また,被爆者の方が3名も参加されていたが,その方からの質問に答える際にデヴィッドは「身が引き締まる思い」(feel very humble)との言葉で始めていた.
 私自身はこの運動に関わってきてもうすぐ6年になるが,今回の話で新鮮だったのは,直接行動によって世論が実際に変わっていくということだった.事件の直後は,ものを壊すという行動は世論になかなか受け入れられなかった.しかし時間が経つと,なぜそのような行動をしたのかという説明をしたあとで,またそれが話題になることで,世論は劇的に変わったとのことである.つまり行動を起こすと言うことが第一,そしてそれを知らせ説明することで,人々の考えを変えることができる,このことをTPは実際に証明しているようだ.
 間もなく7月にG8サミットがスコットランドで行われるが,その直前に,グラスゴーに近いファスレーン海軍基地で,これまでで最大規模の封鎖をやる予定だという.日本からも是非参加を,とのこと.
 手元にある名刺で何人ものメディアの人にメールを送っていたが,取材がゼロだったのはなんとも残念だった.

TPについて詳しいことは次のサイトをどうぞ.
 http://ad9.org/goilsupt/goilsupt.html
ハンドブック日本語訳
 http://ad9.org/goilsupt/handbook/tphbpr3.html
少し長いですが,次は「市民による核廃絶」と題する私の解説文です.
 http://ad9.org/goilsupt/other/forearthchild.html
リンク更新(2021/6/2)

リンク追加(2021/6/2) 講演テキスト
この講演も引用した「地球の子ども新聞」への筆者の寄稿「市民による核廃絶」

トライデント・プラウシェアズの広報担当が福岡で講演 [反核・平和]

イギリスの核廃絶運動トライデント・プラウシェアズについては,1月22日の記事でも紹介しました.
http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/2005-01-22-1
その広報担当のデヴィッド・マッケンジーさんが来週水曜,5月18日18時30分から,福岡市の中心で講演します.お近くの方はどうぞおいで下さい.以下,フライヤーのテキストです.pdfは「ゴイル湖運動家支援」サイトにあります.
http://www003.upp.so-net.ne.jp/maytime/goilsupt.html
なお,マッケンジーさんは同日午後,講演に先立ち,九州大学六本松キャンパスで授業をします.4校時の「核を考える」という講座です.
========================================

「トライデント・プラウシェアズ」って知っていますか?

講演 大量破壊兵器に抗す
   − − 市民による核廃絶,最近の展開 − −
講師 デヴィッド・マッケンジーさん(日本語通訳付)
   市民自らの手でイギリスの核廃絶を目指すトライデント・プラウシェアズの広報担当

****************************************

 世界にはさまざまな核廃絶運動がありますが,イギリスの反核運動「トライデント・プラウシェアズ」(TP)は,市民の手でイギリスの核廃絶を直接実行するという点で大変ユニークな団体です.
 TPは1998年5月の創設以来この数年で目覚ましい成果を挙げています.徹底した非暴力主義で警察との間に驚くべき信頼関係を築き,一見過激な行動に幅広い市民の支持を集めることにも成功しています. 2001年には「第二のノーベル賞」と言われるライト・ライブリフッド賞を受賞し,平和運動としての国際的な評価を受けました.
  1999 年6月 8日の,イギリスとデンマークの中年の女性3人による「メイタイム」(五月)と名付けられた原潜関連施設の「非武器化」と,それに対する無罪判決は有名です.年間を通じて基地封鎖や「民間核査察 」,つまり基地への立ち入りなど様々な取り組みを行っています.
 イギリスの核は世界中の人々への脅威であるとして,TP は広く国外からの行動への参加を呼びかけています.また,私たち自身の運動にとっても参考になる点が大いにあると思います.どうぞご参加下さい.

****************************************

【日時】5月18日(水)午後6:30〜8:30
【会場】カテドラル大名町カトリック教会( 4F・会議室)
       (福岡市中央区大名2−7−7 西鉄グランドホテル前)
        入場カンパ・資料代300円
   共催:
「ウラン兵器廃絶キャンペーン・福岡」
  代表:濱生正直 世話人:木村公一、武田正勝、西山進、石川晶子
  連絡先:事務局長 青柳行信 福岡市博多区吉塚5−7−23
  TEL&FAX: 092-621-6211
  Eメール:y-aoyagiアットマークr8.dion.ne.jp
「ゴイル湖の平和運動家を支援する会」
  世話人:豊島耕一,畑山敏夫 ホームページ: 「ゴイル湖」で検索
  連絡先:豊島( TEL&FAX: 0942-xx-xxxx ,Eメール:toyoアットマークcc.saga-u.ac.jp)
========================================