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東北大学学生自治会主催のダバディー講演会 [社会]

フローラン・ダバディー氏のコラムを昨年12月26日の記事で紹介したが(http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/2004-12-26),彼が今月18日に東北大学学生自治会の招待で講演を行っている.コラムに共感して,以前から付き合いのある同自治会に,「講演に呼んだらどうか」と提案していたが,それが実現したようだ.主催者も,ダバディー氏も大成功と評価しているので,私もたいへんうれしい気持ちだ.ダバディー氏も自分のブログで参加した学生と主催者を大変誉めている.自治会の文書へのリンクまで付いている.
http://dabadie.cocolog-nifty.com/blog/2005/04/post_1efa.html

なお,12月26日の本ブログの記事は,ほとんどそのままニューズウイークの投稿欄に掲載された.
http://www.nwj.ne.jp/public/toppage/20050209/LET.html


「起立」する人の責任 [社会]

立川第二中学校の先生のメールを紹介したが,その中の次の言葉に印象づけられた.

当日は、「開式の言葉」で全員起立した状態で『君が代斉唱』は始まり、はじめは私は座らずにいました。途中で座りました。罪悪感に胸が締め付けられ、苦しくて苦しくて、この時間の長かったこと。着席したとき、「銃の引き金を引かなくてよかった」とほっとしました。

この「罪悪感」を,おなじ学校の同僚の先生たちはどの程度感じているのだろうか?「君が代」が好きか嫌いか,気にするか気にしないかの問題ではない.まかり通っている現代の「踏み絵」,思想統制を目の当たりにして,「何もしない」ことはそれに加担することであることは,少しでも教育のある人なら理解できるはずである.その上で「起立」し,根津さんのような常識をわきまえた人を目立たせているのである.そのことによって「処分」が可能になっている.

もし平均的な良識と,「連帯」という価値を理解する人が半分でもいれば,「処分」は不可能になるだろう.これを思想統制ととらえることの出来ない感性の低下あるいは無関心と,無関心のふりをする臆病さが,ファシズムを育てるのであろう.

「見て見ぬ振りはイジメの共犯」などと先生は子どもたちに教えるのではないか.自分の目の前でそれが行われているとき何もできないのでは,そのようなことを教える資格もないと言うべきだろう.

「不起立」の先生たちを「勇気がある」として誉めるのもいいが,しかし,起立してしまう先生を批判することがほとんどなされないのも変である.むしろ,「それぞれ条件が違うから・・・」などと寛容な,庇うような言説が優位であるような気がする.外部のものがそのようなことを言いにくいということもあるだろう.自分がおなじ立場に置かれたらどうなるか分からないというわけである.これは一見慎重で尤もらしい態度にも思えるが,しかしこれは「臆病の先物買い」のようなものだ.敢えて批判し,もしその状況で自分に勇気がなかったときは恥をかくリスクを負うという,いわば勇気の先物買いぐらいはしてもよい.いやむしろすべきであろう.

学校現場の無法を見ていると,ファシズムは一夜にして訪れるものではなさそうだと思える.少しずつ少しずつ,一歩一歩,人々の臆病さに育てられて,日々成長していくもののようだ.とすれば,ファシズムとの闘い方も少し分かって来たような気がする.

(5月15日追記,20日字句修正)
どうしてもコメント欄への書き込みができないので・・・
「職務命令はルール」とのコメントがありましたが,それは全く違います.「ルール」は「法の支配」の「法」を指しています.これに対して「命令」は人間の行為です.「命令イクオール法」という考えは近代的な法治主義,つまり「法の支配」とは正反対のもので,「人治」になってしまいます.
 このことを端的に示すものに,「違法な命令には従ってはならない」という「ニュールンベルグ原則」*というのがあります.これは国際法や戦争犯罪に関するものですが,一般的にも成り立つと思われます.卑近な例では,牛肉偽装の上司の命令に部下は従うべきではなかった,などです.
 法には上下関係があり,上位の法と下位の法,また命令とが矛盾するとき,当然上位の法が優先します.最終的には憲法や教育基本法です.私は法学の人間ではありませんが,「法の支配」というものをこのように理解しています.
 なお,コメント欄で引用した福岡地裁判決に矛盾があるのは確かです.命令は正当なのに「拘束力を持」たない,つまり従わなくてもいい,と言っているのですから.

* ニュールンベルグ原則については以下を参照下さい.
国際軍事裁判所規約 第八条
http://ad9.org/pegasus/peace/nurchartr.html
「ニュルンベルグ裁判所憲章と判決において認められた国際法の諸原則」
Principle IV
http://www.un.org/law/ilc/texts/nurnberg.htm

↑ リンク切れのため「魚拓」へ → http://ad9.org/pegasus/peace/nurnberg.html ------
1401577.gif2019年2月追記:まさか自分にも「不起立」の機会が訪れるとは思ってもいませんでした.
小学校の入学式に出席
成人式に出席

普通のセンスを持った先生を応援して下さい [社会]

 根津公子さんという方のメールを紹介します.立川第二中学校の先生で,3月の卒業式で君が代斉唱時に着席したことで減給6ヶ月の処分を受けています.4月7日の入学式でも同様に着席したことで,この28日にも,彼女の言葉によると「量刑」が決まることになりそうとのことです.本人自身の文章だけに,迫力,説得力があります.
 メールにあるように,ぜひ東京都教育庁に抗議や要請のメールやファクス,電話をお願いします.それなりの肩書きや地位をお持ちの方は,ぜひその「紋所」をつけて.

応援のクリック歓迎

 以下,「自由の風ネットワーク」からのメールの転載です.
  http://comcom.jca.apc.org/freedom/
==========================================
根津公子です。BCCでお送りします。
入学式で着席した件のその後の報告とお願いです。
12日に都教委による事情聴取がありました。いつものことながら直前に(=11日夕刻)その連絡を受け、夜メールで呼びかけ・お願いをしたところ、20人もの方が駆けつけてくださいました。都教委に対して「周りも許さないぞ!」という意思を示すことができたと思います。
今回の事情聴取では、しっかり都教委に記録させようと考えて臨みました。それで処分量刑に違いが出るものではありませんが、都教委に労力を使わせ、また、「オウム信者」と変わらない聴取者の管理主事に、話しても変わらないだろうことは分かってはいても、人として生きようとする私(たち)の話を聞かせようと思ったのです。
「30分を予定している」という管理主事に、「外形的行為で終わりにせずに、その行為の理由をしっかり聞き取り、都教委は考えるべきだ。私の質問にも答える機会を別途取るように」と言って、話をしました。1時間を過ぎた頃から管理主事は「後どのくらいかかるか」と、言ってはならないことを2度も言ったので、謝罪させました。管理主事二人の聴取者のうち、一人が聴取役、もう一人が記録役。最後に記録したことに間違いがないかを私に確認させるのですが、渡された記録を見ると誤字あり。私の指摘に(=でも、正しい字は教えてやらなかった)、聴取役の管理主事が記録の管理主事に訂正を命じる。しかし、案の定記録の管理主事は正しい字がわからない。記録の管理主事はイライラし、上下関係を露わにして叱責する。私の前でそんな失態を見せずにフォローしたほうがスマートなのに、と思いましたが同時に、人の心を読めない人たちだからうまい管理もできないんだろうなと納得しました。
 さて、事情聴取の後は教育委員会に諮り、処分と量刑が承認、決定される運びです。14日に定例の教育委員会がありましたが、インターネットで議題を見ましたが、処分の件はありませんでした。とすると2週間後28日の定例会にかけるのでしょうか?そこで、再度のお願いです。
都教委に抗議・要請の電話、FAX、メールを入れてください。すでにしてくださった方は、周りの方に広め、協力をお願いしてください。一言「立川二中教員・根津公子をこれ以上処分するな」で結構です。構えると出しそびれてしまうことが私など、ありがちです。一言で結構ですから、至急、お願いします。
北海道のYさんは、都教委藤森職員課課長に電話を入れ、逃がさずに長い時間きっちり話をしてくださったり、申し入れと16項目に及ぶ公開質問状を出してくださいました。大阪のMさんは300人にメールを送り呼びかけてくださいました。感謝と感激の極みです。大勢の方から「送ったよ」という声をいただき、本当にありがたく思っています。皆さんからの抗議要請が、14日の定例教育委員会に出さなかったことと関係があるかな・・・?、なんて想像しています。
次の定例会は28日かと思います。あるいは臨時会をするのかもしれません。抗議・要請をぜひぜひお願いします。
1週間前に呼びかけさせていただいたものを再度貼り付けます。転送する際にお使いください。

◆入学式での着席に対し、「これ以上の処分をするな」の声を都教委に至急届けてください◆

 前略失礼します。根津公子(=立川第二中学校教員)と申します。
 この3月の卒業式において「『君が代』斉唱」時に着席したことで、私は3月31日に『減給6ヶ月』の処分を受けました。『日の丸・君が代』について子どもたちに多角度から学ぶ機会を保障せずに、ただ従わせるというやり方は教育ではない、教育機関である学校がしてはいけないことだと常に考えてきました。また、このような文部行政にあって、子どもたちは『日の丸に礼をし、君が代に対しては、起立、斉唱をするのが常識』と捉えてしまうことになるのですから、教員がすべきことは、子どもたちが考え判断できるように『日の丸・君が代』についての資料を提示することだと考えてきました。教育基本法を守らせる、守る行為だと思います。

 私はこの3月の卒業式を前に、いろいろな事情から、卒業式当日どういう行動を選択するかについて悩んでいました。生徒たちには最後の授業で、「私が『君が代斉唱』で立てない理由」を話し、「おかしいことには服従してはいけないと思いつつも、今回、服従してしまうかもしれない。そうしてしまったときは、根津は言うこととやることが違う、自分に嘘をついた、と思ってほしい。そして、そうしてしまったら、皆にごめんなさい、と謝りたい」と話しました。

 当日は、「開式の言葉」で全員起立した状態で『君が代斉唱』は始まり、はじめは私は座らずにいました。途中で座りました。罪悪感に胸が締め付けられ、苦しくて苦しくて、この時間の長かったこと。着席したとき、「銃の引き金を引かなくてよかった」とほっとしました。
 立川市教委は、私の不起立を現認するために、また、校長・教頭が私の不起立を現認したかを現認するために、市職員を二中に派遣し、私の5メートル後ろで見張りをさせました。こうして私は、減給6ヶ月の処分にされました。東京では『減給6ヶ月』に私を含め、4人の教員が処されました。

 さて、4月7日の入学式で、私は、初めから着席しました。今回も現認のための市職員(=指導主事)が派遣されていました。自分にも生徒に対しても、嘘をつくのはやめよう、おかしいことにはおかしいと言い続けようと思ったからです。都教委は「量刑は累算(どんどん重くしていく)」と言っていますし、「3回不起立で免職」だと都教委が言ったとかささやかれています。今回は停職か?、次は免職か?と思いますが、都教委の暴挙としっかり向き合うことにしました。都教委はこんな暴挙を行ったという事実を歴史に記録することになります。国際的世論も許さないでしょう。私は、都教委はおかしい!と考える多くの人たちとともに、より一層大きな闘いにしていくつもりです。
 処分の前にはその手続きの一環で、事情聴取が行われることになっています。すでに、7日入学式の午後に市教委による事情聴取は終わりました。今週(11〜15日)中に都教委による事情聴取を行うと、告げられています。
そこでお願いです。至急、都教委に「根津に対し、これ以上の処分をするな! 私は都教委を許さない」という趣旨の抗議、要請文を送ってください。周りの方にも声をかけてください。よろしくお願いします。  根津公子
 ◆抗議・要請先 
 東京都教育庁 人事部 職員課
  FAX 03-5388-1731
  Mail  S9000013@section.metro.tokyo.jp
  TEL 03-5320-6790(藤森 教悦 職員課長)
  TEL 03-5320-6792(佐藤正吉 主任管理主事)
  住所 〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1


意見広告,いよいよ明日掲載 [憲法・教育基本法]

今年のはじめから「九条広告支援の会」で準備してきた意見広告が,いよいよ明日10日,毎日新聞の全国版に掲載されます.北海道,東京,中部,大阪,西部の各本・支社ともに,国際面,社会面など,注目度の高いページの記事下に載ります.各地の九条擁護運動の情報は,これら5つの地域ごとに異なります.

掲載される広告のpdfを次に置いていますので,どうぞご覧下さい.中部本社版の例です.
http://ad9.org/9jochubu.pdf
各地の版で異なる部分は,ホームページからたどれます.
http://ad9.org/

募金状況もグラフで掲示していますが,このままだと2百万円以上の赤字になりそう.多くの方のご支援をお願いします.
 郵便振替口座 口座番号:01770-2-116236 加入者名:九条広告支援の会

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プルサーマル公開討論会の詳報が佐賀新聞に掲載 [社会]

九州電力が去る2月20日に玄海町で行ったプルサーマル公開討論会の詳報が佐賀新聞に4月2日に掲載された.同社の無料記事データベースで閲覧できる.新聞2ページにほとんど文章ばかりぎっしりで,とても全部を読む人はいないだろうというような大変な特集記事だが,それでも実際の数分の1に圧縮されている.例えば私の3回目の発言(2月25日のブログ記事*の「使用済みMOXの放射能レベルと寿命」参照)では,5分の1弱である.

「廃棄物の放射能レベルについては,国際原子力機関の資料がある.使用済MOX燃料はウラン燃料に比べて放射能,中性子線が強い上,寿命も長く,厄介だ.」

これをめぐるやりとりにはちょっと心残りな点がある.この私の指摘に対して,九電の松下氏が,「・・・・高速炉で燃すと,放射能が約三百年間で天然鉱石のレベルまで低下・安定することが分かっている.ワンススルーだと,安定するまで一万年かかる」と答えた(上記記事による).MOXを話題にしているのに,もはや「非現実的」となった高速炉を持ち出したのである.このことはその場で指摘したが,言い方があまりにソフトすぎたためか,新聞には採用されていない.

* http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/2005-02-25

------- この佐賀新聞の2ページがそのままpdfで九州電力のサイトにコピーされていました. http://www.kyuden.co.jp/library/pdf/nuclear/pluthermal/toron/all.pdf (コメント欄に書いたものと同じです.)

毎日新聞掲載の版,かたまる [憲法・教育基本法]

「九条広告支援の会」による意見広告の,毎日新聞4月10日掲載分の編集が最終段階にあります.こんなイメージです.

文章部分は「サンデー毎日」4月10日号と同じで,これに右端の各地情報と「間近な意見広告運動の紹介」の部分が付け加わる形です.「サンデー毎日」広告は3月20日の記事で公開していますので,参照下さい.(各地情報の部分は地域ごとに異なり,また,これからの編集で少し変わります.)
http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/2005-03-20
このメッセージに共感し,多くの人に届ける手伝いをしていただける方は,どうか次にカンパをお願いします.千円で数百の家庭にこれを届けられる計算になります.

  募金目標 (必要額) :400万円。
  郵便振替口座
  口座番号 xxxxx-x-xxxxxx
  加入者名 九条広告支援の会

(終了につき口座番号削除)

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