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ヤニス・バルファキス--NHKの「欲望の資本主義2022」から [メディア・出版・アート]

1401577.gif1月30日(日)午前5:30からBS1で再放送とのこと
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BS1スペシャル、「欲望の資本主義2022 成長と分配のジレンマを越えて」、
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2021118258SA000/
録画しておいたものを、ようやく最後まで見ました。最後に出てくる、ヤニス・バルファキスの字幕を文字化しました。これが番組制作者の結論のようにも思われます。私も最も重要な部分だと思います。
まさに「フェイスブック」が槍玉に挙げられているので、フェイスブックにも転載しています。
https://www.facebook.com/kouichi.toyoshima/posts/4309906762448373

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デジタル空間をうまくコモンズとして確立しない限り、ザッカーバーグ氏によって所有され、私たちは皆ディストピアに生きる情報プロレタリアート、いわば情報農奴として領主に仕えることになるだろう。

2021年に彼はフェイスブックを「メタバース」へ一新する野心的な計画を発表した。そこでは数百万人もの人が自分をアバターに置き換えて互いに出会う。ゲームだけでなく様々な取引をし、経済を形成する。チャットや情報交換をしたり、ただ一緒に時間を過ごしたりする。

すでに20億人以上がフェイスブックを使っていることを考えると、人類の大きな一部がデジタル・コモンズへ足を踏み入れる準備が整ったとも言える。ただし本当の意味でのコモンズではなく、マーク・ザッカーバーグの所有下にある。

私たちはそれに大きな拍手を送ったわけだが、こういう反応の仕方については、そろそろ真剣に自己反省した方が良い。
アメリカでは今年になって「ビッグテックの文明化」という言い方が流行り始めた。フェイスブックのような企業をどう規制すべきかという議論だ。もし本気で企業を民主化し、企業の法外な権力を弱めたいなら、所有形態に注目する必要がある。つまり所有を分割し民主化するべきだ。

売買可能な株式を廃止し、株を図書カードのように扱えば良い。カードをもらい、それを使う。使い終わったら他の人に渡すか、あるいは返却する。就職や転職した際には、1票の投票権が与えられ、解雇の際にこれが失われる。つまり会社に勤めている間は一株一票を持てるわけだ。

市場はすばらしい。例えば、地元の直売所に行くと、そこには20軒ほどの店が並び、自分が持つ選択の力を実感できる。「市が立つ日」を通して市場価格が変動し、売れ残った商品は廃棄されていく。荒々しくも陽気で活気みなぎる場、まさに共同体だ。

例えば、トマトを育てて売れば資源を効率よく活用できる。
だが、ここで問題がある。多くの人が資本主義と市場を混同しているのだ。事実は異なる。

トマトの市場は、デリバティブや通貨の市場、ウオール街やアマゾンのような場とは本質的に異なる。

アダム・スミスは市場が持つ自由の力と効率の高さを激賞した。同時にスミスは、株式を公開している会社、すなわち匿名の株主が会社を所有することに猛反対した。資本主義の守護聖人と名高い人物が現代における資本主義に真っ向から反対していた事実は興味深いだろう。

スミスが反対した理由は、株式は匿名で取引される流動的な通貨となり、いずれ集中が進んでしまう。まさに現代の状況。ニューヨーク証券取引所に名を連ねる全企業の9割が、たった3社によって、ブラックロック、ステート・ストリート、バンガードによって所有される事態が起きている。アメリカのこのような状況は市場にとって有害であり、もはや市場資本主義ではなく独占資本主義だ。

金融市場と労働市場を、すなわち資本主義そのものを既存の体制から取り除いた場合、アダム・スミスが思い描いたような共同体市場にはるかに近い市場が生まれる可能性がある。それは先ほどの直売所のような市場で、競争のもとに機能する。まさに「人民の、人民による、人民のための市場」だ。
------字幕コピー終わり------
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宗純

タダほど高いものは無い

新コロ(SARS-CoV-2)騒動の都市封鎖や自粛などで接客業とか旅行業などが倒産する中で、何故か大富豪が資産を二倍にしていたとの腹立たしい不可解な最新ニュース「世界の富豪上位10人、コロナ禍で資産倍増」は最後の2名を除く残り全員の8人がIT関連

すべてが「カネ」になる資本主義なのに、GoogleやFacebookなどIT(インターネット)の個人使用は無料。なのに何故か、その管理者が大富豪になれるかですが、我々の承諾なしに勝手に人々の個人情報を企業に売り払って大儲けしているから

それなら情報プロレタリアート(資本主義)どころかIT(デジタル)社会とは21世紀型の最新「奴隷制」社会である。
by 宗純 (2022-01-18 16:36) 

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