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「不服従」による正義実践のモデル,杉原千畝 [メディア・出版・アート]

テレビ東京で11日に放映されたエンタテインメント番組で杉原千畝を取り上げていた.
ありえへん∞世界スペシャル「99%行かないかもしれない世界の秘境」

この中のリトアニアが親日的であるという話題から,その理由は?というつながりで杉原千畝の話になり,10分以上のドラマ仕立てになっていた.今ではよく知られるようになったが,リトアニア領事(代理?)の時に,ナチス・ドイツの迫害を逃れて来たユダヤ人に日本通過のビザを本国外務省の訓令に反して発給し,数千人の命を救った人だ.このたった一人の勇気ある日本人によって,リトアニアが超親日の国になったと言うのだ.

敗戦・帰国後の杉原に外務省は退職通告書を送り付け,彼は退職を余儀なくされた.理由がリトアニアでの行為にあるのかどうか分からないが,少なくとも賞賛どころか承認もされていないのは確かだ.つまり,戦後も日本の外務省は過去のナチス・ドイツと時空を超えた「同盟関係」にあったということだろうか.

外務省が杉原に謝罪し名誉を回復させたのは,2000年の河野洋平外務大臣による演説による.しかし謝罪の内容は「色々御無礼があったこと、御名誉にかかわる意思の疎通が欠けていた点」と曖昧である.はっきりと退職通告書が間違いだったと言うべきではないか.そして彼を大いに顕彰すべきであり,教科書に採用したり,あるいはお札するのもいいかも知れない.(ちなみにバチカンは,ガリレオ・ガリレイの死後350年も経った1992年,地動説故の彼への有罪判決が誤りであったことを認めた.)

杉原の物語は,抵抗と不服従の素晴らしいモデルである.このような物語がなぜ映画にならないのだろうかと調べて見たが,次のように過去2回テレビ映画になっている.しかし本格的な劇場映画としての作品を見たいと思う.

「命のビザ」
1992年製作,フジテレビ
主演 加藤 剛、秋吉久美子

「日本のシンドラー杉原千畝物語・六千人の命のビザ」
2005年10月11日,読売テレビ・日本テレビ系にて放送
監督: 渡邊孝好,主演:反町隆史, 飯島直子

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 「不服従」という語の認知度
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(杉原千畝に関する情報は日本版ウィキペディアによる.)
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