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「週刊金曜日」コロナ記事の変遷、無症状感染者発見の重要性など [社会]

『週刊金曜日』の9月3日号に、東京都世田谷区長の保坂展人氏の、「戦略的PCR検査が明らかにした意外な事実」とのタイトルでインタビュー記事がある。そこに「社会的検査での陽性者のウイルス量の分布」という図があり、無症状感染者78件のデータが示されている。それによると、実に半数近くが強い感染力を持ち、しかもその約8割が70代以上の高齢者だったとのことである。実に強い説得力を持って、無症状者への検査の必要性を示している。
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実際には、未だに検査忌避が横行しており、ほとんどの自治体では、症状のある人か、「濃厚接触者」しか検査されない*。むしろ、症状があっても検査が出来ない例があるのかも知れない。これではいつまでも無症状感染者が市中に潜伏し、ぶり返しが起きる。

同誌は昨年12月にも、3回にわたって東大の児玉龍彦教授のインタビューを掲載し、無症状者への検査の重要性を指摘していた(12月4-18日号)。ところが、今年の3月5日号と4月15日号ではそれぞれ岡部信彦氏と舘田一博氏の「検査抑制派」を登場させ、当然検査の重要性には触れず、それどころか舘田氏は「ハンマーとダンス」論を公然と述べてさえいる。おそらくこれが4月23日の参院議院運営委員会での西村担当相口からも出たのであろう。(時事の同日の記事には、共産党の山下芳生氏の「『ハンマーアンドダンス』はもう破綻した。いつまで繰り返すのか。みんな疲れ切っている」との指摘に、西村氏は「専門家も『ハンマーアンドダンス』は感染症の常識だと言っている」と理解を求めた、とある。)この大臣の考えを、こともあろうに『週刊金曜日』がサポートしていたことになる。

無症状者が感染を媒介することについては、SNSでの知り合いとのやりとりで、「証拠はあるのか」と訊かれたことがある。改まって訊かれると、こちらは専門家でもないし医者でもないので、即答はできなかった。実際、みずからその「証拠」を探したことがなかったことにも気づかされた。そこで検索をかけて見ると、中澤港教授の解説が見つかった。
「新型コロナの厄介さと怖さを知る:2つの致命割合 CFRとIFRとは」
   (CFR(Case Fatality RatioまたはRisk)は、確定診断がついた患者のうち、
    その感染によって死に至る割合。IFR(Infection Fatality Ratio or Risk)は、
    感染者全員のうち、その感染によって死に至る割合。感染者全員は推定するし
    かないので、推定値となる・・・リンク先から)
その中に次の図がある。
fig2-1.jpg
この図も含め、そこで引用されている文献は、Nature Medicine の昨年5月の論文である。
"Temporal dynamics in viral shedding and transmissibility of COVID-19"
要約の部分のDeepL訳:
「実験室でCOVID-19が確認された94名の患者におけるウイルス排出の時間的パターンを報告するとともに,感染者と被感染者の77組のサンプルからCOVID-19の感染力プロファイルをモデル化した.症状発現時に咽頭ぬぐい液中のウイルス量が最も高くなることを確認し,感染力は症状発現時またはその前にピークに達すると推測した.また,二次感染者の44%(95%信頼区間,30~57%)が,指標となる症例の発症前の段階で感染していたと推定された.疾病管理対策は、無症候性感染の可能性が高いことを考慮して調整すべきである。
現在、感染者数は下降傾向にあるが、そのぶん検査数も絞られているようで、火種を残したままの「谷」の後、いつ再拡大してもおかしくない。実際、これまでその繰り返しだった。ニュージーランドや台湾の例にならい、また国内でも鳥取、島根、和歌山など良い成績を挙げているところに学んで、一刻も早く体制立て直しを図るべきだ。尾身氏には一刻も早く退場してもらわないと困る。彼は、自分が理事長を務める医療機構"JCHO"のベッドにコロナ患者を受け入れる努力に専念すべきだろう。
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* 地元久留米市の発表でも、例えば9/11-17までの陽性者の発表数73名の中で、濃厚接触者以外の無症状の例は皆無である。
http://www.city.kurume.fukuoka.jp/1070kenkou/2040hokeneisei/3005cov2019/4309patient/index.html
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H. Satou

CDCの北京事務所が2019年7月に閉鎖され、その数ヶ月後に武漢で新型コロナウル感染症が発生したことを考えると、このコロナウイルスはアメリカの陰謀である可能性が高いと思う。
 この新型SARS-COVID19の特色は、致命率がそれほど高くないのに、感染力がとても高いことだと思う。是は中国経済を麻痺させる目的でばらまかれたに違いない。
 中国も感染防止の立ち上がりに後れを取ったにもかかわらず、強力な検査隔離の体制で感染の封じ込めに成功している。台湾も検査と隔離の政策で感染の拡大を防止した。
 たとえアメリカの陰謀でなかったとしても、CDCの北京事務所が継続して維持されており、防疫体制を取っていたなら、もしかして世界的な感染拡大は防げたかもしれないと考えられる。
 日本も初期の段階から徹底した検査と隔離の政策をとっていたなら、感染は押さえ込めたのではないかと考えられる。
 ウイルの変異は感染の回数に対して一定の確率で発生すると考えられるので、変異株を発生させないためにも、分母となる感染の回数を抑えるのが必要で、そのためにも、検査と隔離が絶対に必要であると考えられる。ワクチン接種が人口の多くの割合に達しているイスラエル等でブレイクスルー感染が起こっているのは既存のワクチンを突破する新たな変異株が原因で有り、今のままのワクチン接種のみの政策では感染を押さえ込むの相当な時間を要するものと考えられる。
 日本の政治家や御用学者はファイザーやモデルなどのワクチンメーカから賄賂を貰っているに違いない

by H. Satou (2021-09-19 15:26) 

yamamoto

感染力が高いと分かっているウイルスをばら撒けば、やがて自国に跳ね返ってくることは予想できるはずで、そんなことをやるでしょうか?もしやるとしても、前もって防御策を取っておくでしょう。アメリカは世界で最多の死者を出しているので、それも出来てない。
by yamamoto (2021-09-19 23:43) 

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