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中国政府による日本人処刑の中止を [社会]

村野瀬玲奈さんの「中国の不十分な裁判の末の死刑執行を止めるように日本政府は全力で動くべき」の記事に全く賛同します.麻薬密輸で死刑は重すぎるし,被告は,通訳がいい加減だったなど,裁判や取り調べに不満を持っているようです.

日本政府や与党にも,中国に働きかけるよう要請しなければいけませんが,私は,昔と違って中国とのチャンネルを持っている日本共産党に,次のような短いメールを出してみました.宛名は,同党のメールの宛先のページによると, infoアットマークjcp.or.jp が適切のようです.
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日本共産党中央委員会御中

(自己紹介の冒頭の一行は省略)
さて,報道のように,中国で日本人の死刑囚が明日にも処刑されようとしています.しかし被告は,取り調べや裁判に不満があるようです.

麻薬の密輸に対する死刑は重すぎますし,裁判が不十分という疑いもあります.中国や中国共産党とのチャンネルを持っておられる貴党におかれましては,中国側に,是非とも死刑の執行を中止するよう申し入れていただきたく存じます.

署名
(住所氏名,電話番号など)
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1401577.gifこの件での日弁連の声明にリンクします.
中国政府の邦人に対する死刑執行通告に関する会長声明(4月2日)
中国政府の邦人に対する死刑執行及びさらなる死刑執行通告に関する日弁連コメント(4月6日)

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latter_autumn

>麻薬密輸で死刑は重すぎるし

何と言うか、このような主張には、列強が中国を半植民地にしていた時代の帝国主義的テイストが感じられるのですが。一種の傲慢みたいな。

駐日米軍の犯罪は、公務中に起きた場合は地位協定で治外法権扱い、公務外では・・・。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-144604-storytopic-1.html

いずれにしても「米兵の○○罪で××刑は重すぎる」から特別扱いにするよ、文句ないよね?

「いや、文句あるよ」という立場に立つのであれば、このような干渉はすべきでないでしょう。

「日本で起きた犯罪は日本の法に照らして裁く」のなら
「中国で起きた犯罪は中国の法に照らして裁く」のでないと、ダブルスタンダードですから。

それからアヘン戦争等の歴史を顧みれば、中国が麻薬密輸を厳しく取り締まるのも無理からぬことだと思いますが。

「集団殺害犯罪の防止及び処罰に関する条約」2条(b)「集団構成員に対して重大な肉体的又は精神的な危害を加えること(=ジェノサイドの一種)」に該当する行為と解釈するなら、国際人権B規約6条の「最も重大な犯罪」として「死刑」を適用しても、問題ないのでは。

それから枝葉末節ですが、「通訳がひどすぎて」って、ねぇ・・・。
通訳がひどいかどうか解るということは、中国語が解るということですが、だったら自ら中国語で弁明すればいい訳で、通訳なんかいらんでしょ。こんなヤクザのアホなイチャモンを真に受ける方がどうかしていますよ。

http://japanese.china.org.cn/life/archive/aaa/2007-05/10/content_8230183.htm

by latter_autumn (2010-04-06 16:55) 

yamamoto

「ご意見は、党指導部、関係各部門に報告します」とのメールが,15時過ぎに来ました.かなり速いレスポンスではありますが,すでに処刑のニュースが流れた後でした.
by yamamoto (2010-04-06 20:59) 

Runner

どういう線で抗議すればよいかがわからないのでしょう。
日本も死刑制度を持つからには、死刑反対という線では抗議できない。
また、麻薬の売買は日本でも禁止しているし、予防法も使っているので、人権という線からも抗議できない。
量刑不当という線で抗議するのが妥当でしょうが、ならば、普段から抗議しておくべきで、日本人が対象になった途端に唐突に抗議すれば、「日本人だけ特別扱いしてくれ」と要求しているように見えかねない。

>latter_autumnさん

裁判が公正だったかどうかについては、確かに、被告人の言い分だけではなんとも言えませんね。

>駐日米軍の犯罪は、

もし、米軍の連中に光市事件での弁護士バッシングなどを指摘されて「日本では公正な裁判が受けられない」 と言われたら、現状では「なるほどね」と言ってしまいそうになります(^^;。
ちょうど、暴対法の前頃からでしょうか。「犯罪者の弁護をするとはけしからん」と反近代司法制度キャンペーンのようなものをマスコミがやり出し、今日では弁護士は身の危険を感じながら凶悪犯罪者の弁護をしなければならない始末。そこへ持って来ての裁判員制度の導入。どう贔屓目に見ても、米国の方が公正な裁判を期待できそうです。
そんな状況だからこそ、今回も中国に文句を言いづらい。
マスコミのおかげで、今や日本と中国は目クソが鼻クソに抗議するような関係に堕してしまいました。
by Runner (2010-04-07 01:09) 

latter_autumn

道理と説得力のある抗議はできないのでは。これとか、

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0406&f=national_0406_015.shtml

これとか。

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1229&f=national_1229_026.shtml

抗議して、顰蹙買ってますよね。

実際、他人を薬物乱用の挙句に廃人というか「生ける屍」に追い込む(本当に死人が出る場合もある)ことで金儲けするのは、殺人と同等もしくはそれ以上に重大な犯罪だと思います。

それから
「最も重大な犯罪とは、少なくとも人の死という結果を伴う犯罪に限定されることを意味する(=だから薬物密輸で死刑はダメだ)」
というのは、国際法の条文としては何ら明記されていない、解釈の一つでしかないので。グローバルスタンダードでも何でもない。
ジェノサイド条約の定義が明記されているのと比べると、反論としては弱い、説得力に欠けますね。

by latter_autumn (2010-04-08 17:14) 

yamamoto

日弁連会長の「中国政府の邦人に対する死刑執行通告に関する会長声明」は(末尾にurl),国連の自由権規約委員会の「総括所見」について次のように引用しています.
「自由権規約委員会は、規約第6条の観点から、経済犯罪や人の死という結果を伴わない犯罪に対して死刑を科すことは規約に反すると明言しており、さらに、タイ政府に対しては、死刑が規約第6条2項が示す「最も重大な犯罪」に限定されず、薬物の違法取引に適用されうることに懸念を表明している。」
「規約」とは国際人権(自由権)規約を指します.また,「人の死という結果」に間接的なものを含めたら,ほとんど「限定」したことにならないでしょう.

日弁連会長声明
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/100402.html
by yamamoto (2010-04-08 17:53) 

latter_autumn

>死刑が規約第6条2項が示す「最も重大
>な犯罪」に限定されず、薬物の違法取引
>に適用されうることに懸念を表明

麻薬等の薬物の密造、密売、密輸等は「最も重大な犯罪」ではない、というのは、自由権規約中の条文としては明記されていないことです。

そのように条文で明記されていれば話は別ですが、明記されていない以上、自由権規約を根拠に「麻薬密輸で死刑は規約違反だ」とは断定できない訳で。委員会の主張は「勝手な(=国際的なコンセンサスを得ていない)解釈の押し付け」に過ぎない。

委員会とは異なる解釈もありえます。すなわち
「麻薬等の薬物の密造、密売、密輸等はジェノサイド条約の禁止するジェノサイドの一種(2条(b))だから、最も重大な犯罪である」と。
解釈の根拠を比べるならば、委員会の方が不利でしょう。

http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=41202

>「人の死という結果」に間接的なものを
>含めたら,ほとんど「限定」したことに
>ならないでしょう

「ジェノサイド」は「直接的に人の死という結果をもたらすもの」に限定されていません。

http://www.preventgenocide.org/law/convention/text.htm

しかしこれは条約の条文ですから、それなりに国際的なコンセンサスを得たものです。例の委員会の勝手な解釈とはレベルが違います。

by latter_autumn (2010-04-09 17:00) 

Runner

確か、モルモン教徒のケント・ギルバートさんだったと思いますが、以前、「酒もタバコも麻薬や覚せい剤と同じくれっきとしたドラッグではないか」と言ってました。
実際、酒もタバコも大勢の人を死に至らしめています。
一方、麻薬は医療にも使われていますし、精神科の処方する薬にはある種の覚せい剤もあります。
また、世界の先住民族の中には幻覚作用のある植物を普通に吸っているところもあり、それがないとシャーマンの仕事が成り立たなかったりもします。

要するに、予防法に対する分別やハムラビ法典以来の量刑思想が欠如していることが問題なのですよ。
ヤクザによくある、最初から「シャブ漬けにする」意図を持って、本人の意志に反して無理矢理あるいは眠っている間に投与したり、危険性を伝えずにだまして勧めたりした場合は、もとより未必の故意を含めた殺人・傷害に該当するはずです。
しかし、正確な情報を伝えて本人の同意の上に提供した場合はどうか。上記と同列に扱ってよいのか。
「形式や手続きに過ぎないではないか」と見えるかも知れませんが、そこの分別が法治主義では重要なのです。それを怠り、因果関係の有無だけで判断してしまうと、どこまでも論理が暴走するおそれがあるのです。
by Runner (2010-04-10 00:08) 

yamamoto

薬物密輸がジェノサイド条約違反というような,latter_autumnさんの説は,初めて聞きます.そういう判例ないし,国際的な機関の見解や議論はあるのでしょうか.ご教示下さい.また,中国の裁判所が今回ジェノサイド条約違反を理由にしたとも聞いていません.
by yamamoto (2010-04-10 00:32) 

latter_autumn

>薬物密輸がジェノサイド条約違反

「重大な身体的または精神的な害悪を加えることによるジェノサイド」に「薬物を使用する方法」が含まれるという解釈は、私の独自解釈ではありません。

http://space.geocities.jp/japanwarres/center/library/jihyou32-2.htm

それから自由権規約6条の「最も重大な犯罪」ですが、1984年経済社会理事会で採択された(=コンセンサスあり)「死刑囚の権利保護のための保護基準に関する決議」では、

「最も重大な犯罪」とは「その範囲が生命の損失又はその他の極度に重大な結果を伴う故意の犯罪を越えてはならない」

ということで、ここでも「直接的に人の死という結果をもたらすもの」に限定していません。
生命の損失以外でも「その他の極度に重大な結果を伴う故意の犯罪」であれば、「最も重大な犯罪」に該当する範囲内です。

http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/95-1/tokugawa.htm

>中国の裁判所が今回ジェノサイド条約
>違反を理由にしたとも聞いていません

そこまでは私も確認していませんが。
中国の国内法に基づく薬物規制・取締りですよね。そしてそれは、国際法と整合していない訳ではないので、「今回の死刑は重すぎるし国際法違反だ」みたいな批判は成り立たない。批判側の理論武装は丸腰同然です。

「裁判が不十分だ」に至っては、先に挙げた蒋豊氏も反発していますが、「中国に対する偏見と蔑視」としか言い様がないでしょう。
宇都宮氏や村野瀬さんのこういう主張は、何と言うか、「無意識・無自覚のレイシズム」ですかね。「故意のレイシズム」に反対する者が「無意識・無自覚のレイシズム」を実践していては、何ともかんとも・・・。

by latter_autumn (2010-04-12 17:06) 

sauemon

>ジェノサイドに「薬物を使用する方法」が含まれるという解釈は、私の独自解釈ではありません

貴方の示した資料には「ジェノサイドの中には薬物を使った方法もある」とは書かれていても、薬物密輸がジェノサイドであるなんて一言も(!)書かれていませんよ。




by sauemon (2010-04-13 10:14) 

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