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佐賀県議会での奈良林直氏の発言について-その2 [仕事とその周辺]

1401577.gif追記:福岡核問題研究会による包括的な批判です.
http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2014-04-04

自民党の稲富委員との質疑応答で奈良林氏は,オクロの天然原子炉を引き合いに出して「放射能が非常に強い環境下でも生物は進化を遂げている」,「核分裂生成物が20億年にわたって閉じ込められている」と述べています.天然原子炉とは,20億年も昔はウラン235の濃度が原子炉中のウランほども濃度が高かったので(ウラン235の半減期は7億400万年なので,過去にさかのぼるとこの期間ごとに2倍になる),地下水とうまく接触すると臨界になれたのです.

過去は放射線が強い環境であったことはそのとおりで,その中で生命が進化したことも事実ですが,もちろん20億年前にはまだ人類はいませんし,その後に放射線が弱くなった状況に生命が適応してきたことも事実です.いま20億年前の環境でもオーケー,など,どうして確信を持って言えるのでしょうか.

また,「20億年間閉じ込められた」と言っていますが,100%閉じ込められたという証拠があるわけでもなく,相当な部分が拡散したのでしょう.もし「使用済み核燃料も20億年経てば大丈夫」と言いたいのなら,まさにそのとおりで,何も言うことはありません.

稲富氏は質問者であるにも関わらず,放射能・放射線安全神話の宣伝を行っています.上の回答の後で,「1960年代は福島事故前の千倍以上の放射性セシウムの降下があった」と述べています.この数値は正しいのですが,しかし,福島事故によって,事故から2ヶ月経った2011年5月の時点でも1万倍もあったことを言わないと公平ではありません[1].このような関東一帯の大気中セシウムの状況はだらだらと続いており,2014年1月現在でも1立方メートル当たり40〜120マイクロベクレルの値が,つまり以前の百倍以上が記録され続けています[2].
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[1] 当ブログ記事「だらだらと続く福島第一からの放射能放出」参照.
http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2011-07-21
事故直後のピークでは福島事故前の1億倍にもなっていることが分かります.
[2] CTBT高崎観測所のデータ参照.
http://www.cpdnp.jp/pdf/140212Takasaki_report_February12.pdf
ホームページ http://www.cpdnp.jp
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