「CO2による地球温暖化」は壮大な迷信? [仕事とその周辺]
[この記事には問題ありです.でもとりあえず残しておきます.追記をご覧下さい.]
つい先日,同僚のM氏から教えてもらったのだが,日本物理学会誌に,CO2地球温暖化説に対する明白な反論・反証が掲載されているという.さっそく今年の2月号115ページの槌田敦氏の投稿を読んで驚いた.確かにCO2濃度と平均気温には相関があるが,問題はどちらが原因でどちらが結果か(あるいは共通の原因による二つの結果)ということだ.この文章で引用されている近藤邦明氏のグラフが正確・妥当なものなら,気温変化が原因でありCO2濃度はその結果であることが明らかだ.
「Keelingのグラフ解釈に対する考察」のページから拝借
(近藤邦明氏のHPは次のとおり.)
http://env01.cool.ne.jp/global_warming/index.htm
このように,明らかに気温変化に1年ほど遅れてCO2濃度が変化している.遅れて起きる現象が先行するものの原因であるはずがない.単純に言えば,温暖化すると海水温も上がり,海水へのCO2の溶解度が減るために大気中のCO2濃度が上がるのだ.ラムネを氷水から出したままにしてから栓を抜くとガス勢いよく出過ぎる.あれと同じだ.[実はこれほど単純ではない.追記とコメント欄参照]
もしこれほど単純な話なら,なぜ世界の気象学者の多数が「CO2による地球温暖化説」を支持しているのか,あるいは,少なくとも黙認しているのか.おそろしく奇妙な話だ.
上のようなデータや反論はすでに数十年前から公知のものであり,その気になればだれでも検証できた.しかし私自身も,「専門外」ということもあり,多数意見をあえて疑うのは時間の無駄だろうと思って,これまでついぞこの説を疑ったことがなかった.
壮大な迷信かも知れないという点では,「911=テロ」説も似たようなものだろうか.
日本物理学会誌そのものは一般の図書館にはないが,大きな大学の図書館にはあるはずだ.
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18日午後追記:上に掲げた槌田氏の日本物理学会誌に載った文章の決定的な誤り(の一つ?)は,「AがBの原因ならば,BはAの原因ではありえない」という謬論に依っていることだ.この反例はいくらでも見つかるだろうが,例えば,不況(A)は失業率増加(B)の原因になるが,逆に失業率増加(B)は不況(A)を加速する.このようなことを「正のフィードバック」という.
CO2の濃度がなぜ気温変化より遅れるのかという疑問については,海洋研究開発機構の河宮未知生氏が回答している.
質問:気温の変化が二酸化炭素の変化に先行するのはなぜ?
http://221.243.18.148/tenki/pdf/52_06/p071_072.pdf
上がリンク切れとなっています.こちらが同じものと思われます(2014.7.1追記).
ここで「自然起源」とか「人間活動に端を発する」という言葉を使っているのは逆に話を分かりにくくしているように思う.要するに,次の二つの因果関係について,
(1)気温 → CO2濃度
(2)CO2濃度 → 気温
因果関係(1)の時定数(遅延時間)が数年のオーダーであるのに対し,(2)の時定数が100年(?)のオーダーである,と言えばより分かりやすいのではないだろうか.
トラックバックどうもです。
他人の解説ですが、hechikoさんのブログより
http://hechiko.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/co22_a362.html
がそのグラフの解説となっています。
参照ください。
by SGW (2007-08-18 09:56)
化石燃料消費量とCO2濃度との明白な相関は,「ラムネ説」だけではもちろん説明できませんね.もう少し調べてみます.
ところで,ご紹介いただいたサイトに次の記述があります.この「両立」した場合のことを「正のフィードバック」と言うわけですね.
「ただし、気温が原因でCO2濃度は結果であることから、CO2濃度が原因で気温は結果であることを導くことはできない。地球温暖化FAQ:二酸化炭素と温暖化は因果関係が逆?でも説明しているように、因果関係はどちらか一方しか成立しないという性質のものではなく、両立しうるのだ。」
by yamamoto (2007-08-18 10:49)
現在の地球が急速に温暖化しつつ有るのは紛れも無い事実です。
しかし12~13万年周期で地球に訪れる氷河期の内、最後の氷河期が3万年前に始まり1万1千年前に終わったところ。
氷河期に至る寒冷化は10万年位かけてゆっくりと進行するが、氷河期が終わった後の温暖化は1万年位の単位で、寒冷化のスピードの10倍位の速さで進む。
現在の急速な温暖化はこの地球サイクルの一環です。
勿論化石燃料や人類の爆発的増加による環境破壊がそれに幾らかの影響を与えているでしょう。
其れがどれくらい影響があるか、或いは無いか、化学的解明が待たれる。
by 布引洋 (2007-08-18 13:06)
トップに紹介しているグラフについて指摘をしておきますと、二つの変数の原点(y軸の0点)は本来重なっているべきものが重ねていません。
なのに曲線同士は中心が合っているとはこはいかに。
つまりCO2排出量の方には、電気信号で言うDC(直流)成分が重なっています。
この長期的継続的に影響を及ぼしているDC成分こそが人為的な排出の影響です。
実際には人為的な排出の半分が陸と海に吸収されていることから、人為的な排出量はDC成分の倍に当たる大きさです。
http://www.janjanblog.jp/user/stopglobalwarming/files/tuchida2.png
by SGW (2007-08-20 12:52)
こんにちは。短期的にも長期的にも温暖化が先で、後から追従するようにCO2が増加しています。SGWさんが仰るような、CO2の結果として温暖化が起きているという解釈はかなり難しいように思います。
by しょうゆゴマ (2007-09-24 06:58)
「長期的にも」温暖化が先,というデータはどこにありますか?
by yamamoto (2007-09-24 10:58)
不況と失業率増加は互いに依存していますが、二酸化炭素濃度と気温上昇には物理的な依存関係がないため、この場合は気温上昇が原因で二酸化炭素濃度上昇は結果であると断定できます。
今年の初めにNASAが太陽活動の活発化に伴う火星の急速な温暖化を報告していますね。
地球の温暖化も太陽活動と考えるべきでしょう。
http://news.nationalgeographic.com/news/2007/02/070228-mars-warming.html
IPCCが二酸化炭素原因説の定量的な根拠としていた大規模コンピュータシミュレーションも、今年の8月の測定結果から間違いだったことが判明し、なんともお粗末なことです。
二酸化炭素による温暖化は、まさに現代の迷信だったというわけです。
by Alamy (2007-12-22 06:54)
「今年の8月の測定結果から間違いだったことが判明」とはどのような文献なり報道を指しておられるのか,ご教示下さい.
by yamamoto (2007-12-22 06:58)
お久しぶりです。
先日行った「風」第1回活憲政治セミナー「地球温暖化問題から取り残される日本の政治」の報告ができたので、トラックバック差し上げておきます。すでにご存知かもしれませんが。
「長期的にも温暖化が先」というデータがあるとしても、正のフィードバックが働くでしょうね。
ただ、「懐疑論」で有力と思える主張には、温室効果ガスである水蒸気の膨大な量に比べ二酸化炭素の量は取るに足らない、というのがあります。これについてはどう思われますか?
http://env01.cool.ne.jp/ss02/ss025/ss0252.htm
それから、以前から気になっていたのでしたが、温暖化論で、化石燃料の燃焼や原発により発生する熱そのものの影響って、正当に考慮されているのかしら、という素朴な疑問があります。
by OHTA (2008-06-25 11:25)