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「貧すれば鈍す」 [メディア・出版・アート]

8月15日のNHKの討論番組「考えてみませんか?憲法9条」は,TVの前を通るたびに少し見たり,隣の部屋からの音だけを聞いたりと,その程度の「視聴」者だったので,全体的な論評は出来ない.しかし,あるフリーター(だったと思う)の,戦争を待望するというとんでもない意見を,わざわざ本人に取材し画面に登場させるという形で取り上げていたのには呆れ返る.

多分ネットで「有名」になった輩で,それでNHKは取り上げたのだろうが,戦争でしか自分の窮状を変えられないから戦争を望むという「意見」をもっともらしく公然と取り上げていたのである.これと,例えば「不況を解決するには戦争しかない」という言説や,武器商人が利益拡大の為に戦争を望むこととの間には,単にレベルの違いしかない.

いったいぜんたい,「人を殺してはいけない」という最も基本的な倫理をNHKはどう考えているのか.殺人も「戦争」という名前が冠されさえすればこの倫理規範の対象外になるとでも言うのだろうか?戦争とは殺人の工業化であり,工業的殺人が殺人でなくなるわけではない.

本人には悪いが,この言説は「貧すれば鈍す」の見本以外の何物でもない.それとも彼は,逆説的に矛盾を際立たせるためにこの言説を演じているつもりなのだろうか.いずれにせよ,このような言説を吐く者を,あるいはその言説を,テレビという公器に「市民権を持った」形で登場させるなどもってのほかだ.


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Chic Stone

彼のその文章は公開されています…お読みになりましたか?
http://www7.vis.ne.jp/~t-job/base/maruyama.html
http://www7.vis.ne.jp/~t-job/base/maruyama2.html

そして、「自分は確実に(父親が死んだら)餓死と自殺の二択しかない」とリアルに感じなければならない、ということを感じることはできませんか?
戦争肯定、の四文字だけで、全人格を否定して言葉を受け入れることができなくなっているのでは?
by Chic Stone (2007-08-27 20:21) 

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