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過激思想の影響 -- しんぶん赤旗記事から [メディア・出版・アート]

選挙に際して「赤旗から頻繁に引用」を予告しながら,一度も引用せず終わったが,これからは選挙と関係なく同紙からの引用記事を書いてみたいと思う.それは,一般紙に載らない重要な情報がたくさんあるのに,部数がそれほどでもなく,中継すること自体に意義があると思うからだ.

政党機関紙というと,政党のプロパガンダと思われるだろうが,「しんぶん赤旗」に関しては,一般ニュースにほとんどの紙面が割かれていて,一見しては普通の新聞と大差ない.もちろんニュースの取捨選択など編集には党の方針が反映しているだろうが,これは一般紙も同じ事で,「プロパガンダ」度は程度問題と言えるだろう.

6ページに次のような英NPOの報告書の紹介ニュースが目に付いた.

大企業 税逃れ深刻
英団体発表 貧困国,より収入難に

内容を簡単に紹介する.イギリスの援助団体「クリスチャン・エイド」の報告書の内容を紹介して,外資呼び込みなどのための税率の引き下げや貿易自由化,タックスヘイブンのため,発展途上国で貧しい国民の税負担が上昇している,とのことである.貧困層の税負担の増大は途上国だけでなく,イギリスなどでもそうだという.例えば税収の割合は,法人税15.5%(75年)から12.9%(現在)へ,間接税19.5%から22.4%と変化している.タックスヘイブンに流れるお金に30%の税率で課税したとすれば,世界の援助予算の3倍以上のお金になるとのこと.主な責任は多国籍企業にあるとしている.

ここで指摘されたような変化は,グローバリズムや「新自由主義」* イデオロギーがもたらしたものだろう.これらが,イスラム原理主義やネオコン同様,「過激主義」の一つであり,この主張をするひとたちが「過激派」であるという認識が重要だと思う.放任主義,市場原理主義ではなく社会的なバランスを重視すること,「自由貿易」からフェアー・トレード(公正貿易)**へのパラダイム転換が必要だ.
20日追記:ブッシュ政権の支持基盤であるキリスト教福音派は,過激派どころかテロリストそのものであることをみずから証明した.同派のパット・ロバートソンがテレビで公然とベネズエラのチャベス大統領の暗殺を呼びかけたのは記憶に新しい.)

あるブログのコメント欄で「イデオロギーの時代は終わった」などと一昔前の言説を見たが,この世を支配したいと思う人がいる限り,そのプロパガンダと洗脳のために,イデオロギーは絶え間なく製造され続け,メディアを使ってそれと分からない形で,つまり暗示的に流布され続けるだろう.「イデオロギーは終わった」などと言う人は無邪気なため暗示に気付かないだけの話だ.一方,不当な支配から解放し平等を実現するためにもイデオロギーは必要なのだ.
______________________
「しんぶん赤旗」サイト http://www.jcp.or.jp/akahata/index.html

* 私はこのような美名で呼ぶべきではなく,せいぜい「新放任主義」がいいとこだと思う.
** http://ftsnkansai.exblog.jp/i6


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