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神々の棲家を訪ねて(その3)伊勢神宮編 [身辺雑記]

IMG_5541伊勢神宮正宮.jpg私の家のすぐ近くにある天満宮*同様、全国津々浦々にある神社のひとつですが、その中でも特別な存在である伊勢神宮、「お伊勢参り」として庶民の旅行の目的地でもあり続ける、言わずと知れた古くからの観光スポットです。私もその例に漏れず、バスの団体旅行客として初めてこの地を踏みました。

まず「外宮」に、そしてそこからバスに乗って、4キロも離れた内宮へ。第一印象は、敷地の広さや建物の周りの塀の多重性にとは対照的に、建物自体がとても簡素なことです。屋根の「千⽊」だとか「鰹⽊」という名前のパーツが金ピカに光る以外、ほとんど「バラック」と言ってもいいほどです。何せ20年ごとの「式年遷宮」で「使い捨て」にするので、そのための合理的な設計ということかも知れません。
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* この社(やしろ)の狛犬を自分のツイッターのアイコンにしています。

しかしこのお宮の最大の特徴は、「隠す」ことにあると思います。御神体はおそらく他の神社同様、鏡、ミラーと思われますが(wikiによれば八咫鏡−やたのかがみ)、それは一般参詣者は絶対に拝めないようになっています。御神体どころか、社殿そのものさえ一番外側のゲートに垂らされた白いカーテンで遮られて見られません(冒頭の写真参照。これは外宮も同じです)。これに対して、近所のどこにでもあるような神社では大抵、奥に鎮座した鏡が見えます。

一行のうちで、たまたま参道を並んで歩くことになった人が、「何度もここに来るが全然感動しない。中を全く見られないから」というようなことを話しかけられました。全然感動しないところになぜ来るのか、逆に聞けばよかったですが、宮大工とか、そんな仕事をされているのかと後で想像しました。式年遷宮のこともよく知っているようで、予算がいくらかかるとか、お金をいくらかでも皇室が出しているとかいないとか、そんな話までされていました。

御神体は鏡でも、祭神は言わずと知れた天照大神で、皇室「の」氏神ということになっています(これまたwiki頼り。この神社に限らず筆者に宗教的な知識はほぼゼロ)。ということは、これを氏神とする人たち、つまり「氏子」が、皇室以外にもいるということでしょうか?では、それは誰でしょうか?また、その人たちは、この建物のもっと中に入ったり、果ては御神体も拝むことも可能なのでしょうか?はては、氏子になってこの神社を「改革」するには、どういう手続きを踏めばいいのか?

この神社は皇室との繋がりの強さで、言うまでもなく日本社会で特別な意味を持っていて、皇室の権威の源泉となっているのでしょう。そしてそこに付随する文化は「隠す」ことにあるように思われます。見えないもの、隠されたもの、意味不明のものを有り難がる文化。政府が「公開する」と称して出してくる文書の多くが「墨塗り」で隠されていることも、そしてそのことを厳しく問わない世論も、その文化的な根っこがここにありそうな気がします。そのような文化は、この神道だけでなく、仏教の「お経」もこれに軌を一にするものと言えるのではないでしょうか。日本人は子供の頃から、家やお寺で催される仏事のたびに、長ったらしい意味不明の音列を大人たちが有り難がっている風景を見て育つのです。以前、仏事の後にお坊さんに「電光掲示板を背中に背負って、お経の口語訳を「同時通訳」で出したらどうか」と提案したら、苦い顔をしていました。

IMG_5545.jpg内宮からの帰り、風日祈宮(かざひのみのみや)という案内板があったので寄り道。祭神は、風雨を司る神ということで(これまたwiki)、「気候危機」の今日、大いに崇敬されるべき神かも知れません。式年遷宮ではこの神社もまた建て替えるとのことで、すぐ横にそのための空き地が確保されています。



koyasan-tanisebridge.jpg紀伊半島縦断のバスツアーは、ヘアピンカーブの連続で、初日はひどいバス酔いに。周りの席から、例のポリ袋をいくつももらって、取っ替え引っ替え、胃のなかが空になるまで使いました。それにしてもこの症状は私だけ。皆さん強い!(図は高野山から谷瀬の吊り橋までの途中の、呪いのヘアピンカーブ)
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