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今度こそ「粉飾決算」をしないこと [社会]

秘密法参院「可決」.「立法改憲」という手段で憲法が決定的なダメージを受けた.次に気になるのは,明日の「しんぶん赤旗」の内容だ.

教基法敗北の時の「しんぶん赤旗」の一面トップには「未来は渡さない 改悪教基法 運動 数カ月でガーッと」という見出しで,いろんな人の「元気の出る」ような発言が紹介され,まるで「勝利」したかのような紙面だった.そのあと総括らしい総括の記事は一切なし.要するに「粉飾決算」.その時のことをブログ記事にまとめている.
http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2006-12-17-1

これをまた繰り返すのではないか,それが一番心配だ.
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寂静の矢

特定秘密保護法案は無茶苦茶な法案ですが、なぜ、このような無茶苦茶な法案を自民党が打ち出す事ができるのかといった事も考える必要があると思います。なぜ無茶苦茶な法案を自民党が打ち出す事ができるのか?それは、自民党に対抗し得るような大きな左寄りの政治勢力が存在しないからです。そういった政治勢力が存在すれば、自民党も選挙の事を考えて無茶な法案は打ち出せないだろうし、無茶な法案を打ち出しても、その法案に対する反対世論が高まってくれば、その法案を引っ込める可能性が高くなります。実際、社会党がまだ、大きな政治勢力を有していた1985年の中曽根政権当時、議員立法で国会に提出されたスパイ防止法案は、反対世論の高まりによって廃案になりました。

そして、なぜ日本の左派は自民党に対抗し得るような大きな左寄りの政治勢力を形成する事ができないのかというと、日本の左派は政治戦略的なセンス或は、政治力学的なしたたかさがゼロというか、マイナスだからです。例えば、山本太郎氏を叩いている左派は多いですが、政治戦略的に非常に愚かな行為です。今現在、国会の中で左寄りの主張をしているのは、社民(衆院2名、参院3名)、共産(衆院8名、参院11名)、山本太郎氏、糸数慶子氏の合計26名しか存在しません。その数少ない26名の内の一人である山本太郎を潰していったいどうすんだよ、そんなに日本の右傾化・ファシズム化や新自由主義化に貢献したいのかよ、といった感じです。

山本太郎といえば脱被曝のイメージが強いですが、山本氏はTPPを始めとした新自由主義的な政策に反対したり、ブラック企業の根絶や生活保護の擁護など反新自由主義や反貧困の側面も強く、かつ、平和主義・反戦争の側面も強いです。だからこそ、山本氏は保守勢力からは、「左翼」とか「極左」と呼ばれていて、ネット右翼からしつこく攻撃されています。山本氏ご自身は東スポのインタヴュー記事で「僕のポジションがどうこう言われれば“保守ど真ん中”です」と仰っていますが、ヨーロッパ的な政治基準から見れば、山本氏の主張は現時点では明らかに左寄りです。

日本の左派には問題点が非常に多くありますが、その問題点の中でも最も問題なのが、日本の左派は知的縄張り意識【セクト主義的意識】や独善性【自分(達)とは異なった価値観や考え方を絶対に認めない知的排他性、ある種のスターリニズム性】が非常に強く、左派どうしで足の引っ張り合いをして互いに潰し合い、自滅する悪癖がある点です。かつて新左翼は内ゲバやセクト争いで自滅しましたが、日本の左派はそういった失敗の歴史から教訓を学ぶべきだと思います。歴史から何も学ばない左派が歴史認識についてどうこう言っても説得力がないと思います。

価値観や考え方が異なる者どうしが連携や連帯や共闘するのは、保守の世界ではよくあることですが、左派は一から十まで考え方が同じでないと連携や連帯や共闘できないと考える方々が非常に多いため、日本の左派は政治的に横の繋がりを広げる事ができず、結果、保守のように大きな政治勢力を形成できないという政治的に致命的な欠点があります。別の言い方をすると、左派はエゴ(唯我独尊性)や知的排他性が非常に強いため、保守のように小異を残して大同につく事ができません。

すべての左派、或は多くの国民が自分(達)と一から十まで考え方が同じになる事など絶対に有り得ないという事に、また、社会を動かすには、或は変えるには、自分(達)とは価値観や考え方が異なる人々と連携や連帯や共闘する必要があるという事に、日本の左派はいいかげん気付くべきです。私が山本太郎氏をある種高く評価している理由の一つは、彼は自分に対してナイフを送りつけてくるような人々も99%の側の人間であり、そういった人々とも共闘できるのではないかと語っている点です。そういった発想がなければ社会を変える事はできないと思います。

もちろん、山本氏一人がそう思っても社会を変える事はできません。多くの人々がそう思うことによって、それは山を動かす巨大な力となります。現代のように社会が複雑化してくると、人々の価値観が多様化するので、従来・旧来の日本の左派のように、自分(達)とちょっとでも価値観・考え方の異なる者とは連携や連帯や共闘できないといった発想では、或はそういった人々(自分達の味方になり得る人々)を攻撃して敵に回していたのでは、社会を変える・動かすような大きな力を生み出す事はできません。

また、政治的闘争に勝つには、政治的無関心層やイデオロギー的中間層【イデオロギー的に右でも左でもない、或は右でも左でもあるような人々】を自分達の政治勢力に取り込んでウィングを拡大していく必要がありますが、山本氏は、政治的無関心層やイデオロギー的中間層に語りかける力(耳を傾けて頂ける力)を持った人材です【そういった力がなければ、組織票を持たない山本氏が、参院選で66万票も獲得して当選するわけがないでしょう】。日本の左派でそのような力を持った人材はいったいどれくらい存在するのか?ほとんど存在しないでしょう。

それゆえ、山本氏には危うい面(やや軽率な面など)【但し、山本氏の危うさは、怖いもの知らず的というか同調圧力に屈しない勇気や、卓越した行動力とコインの裏表なので、山本氏の危うさは単純に否定できません】もありますが、山本氏は少なくとも現時点においては(山本氏が左寄りの主張をしている限りにおいては)、政治戦略的に左派勢力にとって貴重な戦力であり、必要な人材です。或は、左右のイデオロギーに関係なく、TPPなど、日本を破壊する新自由主義的な力学から日本を、庶民の暮しを守るためにも必要な人材です。少なくとも、ネットで山本氏を叩いているネット左派に比べたら、山本氏の方が左派勢力の拡大にとって、或は日本を新自由主義的な力から守る上で、はるかに大きな戦力です。ネットで山本氏を叩いているネット左派が無所属で(組織票に頼らず)国政選挙に出馬しても、おそらくほとんど得票することはできないでしょう。

【但し、山本氏が小林よしのり氏のように右翼に転向したり、川田龍平氏のように新自由主義者に転向しないことが前提条件ですが{その可能性(山本氏が右翼や新自由主義者に転向する可能性)もあるとは思います}】

よく、日本人は民度が低いとか、東京都民はバカとか、~はB層だといった主張をしておられるネット左派がいらっしゃいますが、そのような他者を見下した態度のネット左派の主張に対して、政治的無関心層やイデオロギー的中間層が耳を傾けるわけがありません。それどころか、左派に対して反感を持つ人々が大量に増え、左派勢力が縮小するだけです。自分の言いたい事を言えば、その考え方が世間に広まるわけではないし、他者を論破すれば(言い負かせば)、その論破された他者が論破した人間の主張に従うわけではありません。

ご参考までに、下記は山本太郎氏の公式ブログのコメント欄から引用です
http://ameblo.jp/yamamototaro1124/entry2-11660818613.html#comment_module

<今、世の中で山本さんを批判してる方々は、何か良くしようと行動しましたか?人の揚げ足取りに邁進し何もしてないですよね、そんな方々には負けないでほしいです>

山本太郎氏の公式ブログのコメント欄を拝見する限り、山本氏を支持している人々の多くは、右とか左といったある種特殊なイデオロギーを持っている人々ではなく、イデオロギー的中間層の人々、つまり、ごく普通の一般庶民の方々です。

近年の国政選挙の選挙結果から考察すると、日本における今現在の左派人口はせいぜい全有権者の10%程度だと思われます【どちらかと言えば左寄りのリベラルも左派人口に含めれば20%ぐらいになると思われますが】。それゆえ、政治的無関心層やイデオロギー的中間層を取り込んでいってウィングを拡大していかない限りは、左派は自民党に対抗し得るような大きな政治勢力を形成することは永遠にできません。ネットなどで消費者やクレーマーの如く、政治に対する文句を言っているだけでは、或は他者の悪口を言って他者の足を引っ張ているだけでは、左派が理想とするような社会を実現することは永遠にできません。

安倍政権の支持率はNHKの世論調査では11月の時点で60%で非常に高く、自民党の支持率も41.9%(第二党の民主は5.2%)で他政党を圧倒しています。これでは、安倍政権が特定秘密保護法案だろうが何だろうが好き勝手なことができるのは当りまえです。自民党の暴走を阻止する最大の処方箋は、日本の左派が政治戦略的に大人になって、自民党に対抗し得るような大きな政治勢力を形成することです。次の国政選挙までには3年「も」ある、のではなく3年「しか」ありません。国政選挙が半年後くらいにまで迫ってきてから、選挙に勝つための戦略だの何だのと騒いでも遅すぎます。「戦略」というのは基本的には中長期的な視点に立って立てるものなので、半年や数ヶ月といった短いスパンでは、まともな戦略を立てることは困難です。【「戦術」は短期的なものですが】

国政選挙の結果に関してよく、左派の中には社民党や共産党の責任がどうこうと語る方々がいらっしゃいますが、ある意味ナンセンスです。左派人口そのものが極めて小さいのだから、社民党や共産党がどんなに死に物狂いで頑張ったところで、社民党や共産党の支持率がそれ程高くなるわけがありません。社民党や共産党が世の中の多数派に迎合して自民党の主張に近い主張をするようになれば、社民党や共産党の支持率は高くなるかもしれませんが、それでは左派政党としての意味がなくなるでしょう。【社民党や共産党には何の問題もないという意味ではありません。社民党や共産党よりも、一般的な左派の問題点の方が大きいということです】

ちなみに、前回の参院選で共産党の議席数が倍増しているのは、それまで民主党を支持していたどちらかと言えば左寄りの人々が、民主党に失望して共産党に票を入れたからであり、左派票そのものが増えたわけではありません。その証拠に自民、みんな、維新といった保守政党はどこも議席数を増やしています。つまり前回の参院選は、共産党の議席数は増えていますが、左派勢力全体としては大敗北です。

また、国政選挙の結果に関しては、ネット左派にも当然、責任があります。例えば、ネットでネット左派が日本人はバカなど、日本人の悪口を言えば、当然、左派政党である社民党や共産党の支持率は低くなります。左派が「反日サヨク」といったような呼ばれ方をするのは、ただ単に歴史認識がどうたらといった事だけではなく、一般的に日本の左派は日本及び日本人に対する悪口が多すぎるからです(私も日本及び日本人に対する悪口を言う事はあるので、あまり人のことは言えないですが)。いや、俺(私)は反日ではないと思われる左派も多いと思いますが、それは、ヘイトスピーチを行っているネット右翼が、俺(私)はレイシストではないと思うのと同じことです。

左派的といいますか、左寄りの政治勢力を拡大するための最大の戦略は「脱セクト主義」「脱唯我独尊」だと思います。とにかく、横の繋がりを広げていかない事には左寄りの政治勢力を拡大することはできません。また、左派どうしのセクト争いは左派勢力の分断化であり、政治的自殺行為です。従来の左派のように、ある考え方を絶対視して、その考え方と少しでも異なっている者達は排除していく、或はそういった者達とは連帯や共闘をしないといった純化主義では、左派勢力を拡大するのは不可能です。なぜならば、前に述べた事をしつこく繰り返し述べますが、すべての左派、或は多くの国民が自分(達)と一から十まで考え方が同じになる事など絶対に有り得ないからです。

政治的闘争の戦略を考える場合、陣取りゲームである囲碁をイメージするとよいのかもしれません。政治的闘争で勝利するには、石(ある意思・意志、ある人、もしくはある勢力・集団)と石を繋げていく事によって自陣を拡大し、かつ、逆に敵対する政治勢力は分断化していく必要があります。ちなみに、山本太郎氏は囲碁でいうところの種石といったところでしょうか。或は、リスクの高い勝負石なのかもしれません。また、湯浅誠氏も山本氏とはタイプがかなり異なりますが、左派勢力にとって種石、要石的な存在だと思います。湯浅氏を叩いている左派も結構いらっしゃいますが、その方は経済的弱者を救うために何かおやりになったのでしょうか?湯浅氏によって命を救われた経済的弱者は数多く存在します。弱者の味方のふりをしながら、実は弱者のことなど何も考えてないような左派が多すぎると思います。

下記はhttp://potthi.blog107.fc2.com/blog-entry-1066.html#cmfからの引用です。

<いやー楽しいですねーサヨク同士の罵り合いはw
こーゆーのが発展すると総括(左翼用語の)になったりするんですかね~ お~こわいこわい。
(皆さんが大嫌いなネトウヨの)私は面白おかしく観察させていただきました。
普段はこういう相手をいいまかすためだけの議論は大っ嫌いなのでスルーするのですが、思わず全部読んじゃいましたw(仕事忙しいのに)

左翼によくある自分が絶対に正しい!!だから絶対に引かない!!時と場所と相手を考えてなあなあでごまかして、とりあえず収めるなどということなど絶対にしない!!だって自分が絶対正しいんだから!!!ってかんじなんですかねぇ。あと平和主義者の攻撃性ってやつですか。
(でも今回については左翼うんぬんよりも、多分に個人的資質もあると思いますが…w)
(それともこういう資質をもった人が左翼になりやすいのか??)

ネトウヨの私はどーなろーと知ったこっちゃないので高見の見物を決め込ませてもらいますが、お仲間の左翼の人はたいへんですね…。蚊帳の外の私なんかからすれば同列に見えちゃいますもんね。

まあお二人とも「もっともっとがんばれー!!」とエールをおくっておきます>

左派のセクト(ヘゲモニー)争い【足の引っ張り合い】は、第三者からはバカどうしの潰し合いにしか見えないという事に気付きましょう。また、人それぞれ気質、社会的立場、利害が異なるので、すべての左派、或は多くの国民・市民が自分(達)と一から十まで価値観や考え方が同じになる事など絶対に、永遠に有り得ないという事に気付きましょう。一般的に左派は知的征服欲・支配欲が強すぎると思います。強すぎる征服欲や支配欲の裏返しとしての反権力や反権威である場合が多いです。また、延長された己の自意識にとって異質なもの、異論を排除したいという全体主義的・スターリニズム的・純化主義的欲求が強すぎると思います。

左派の大きな問題点の一つは、他者を自分の価値観・考え方に服従させたいという知的帝国主義【知的植民地主義(他者の意識に対する侵略、植民地化)】的な欲求が強すぎ、他者の価値観・考え方も出来るだけ尊重し、他者と共存共栄しようという知的平和主義的、建設的な志向性が極めて希薄な点です。他者を無理やり屈服・服従させようとしても、他者の意識を侵略・制圧・征服しようとしても、抵抗(レジスタンス)されるだけです。

もっと分りやすい話をしましょう。例えば、私が貴方の主張に対して「トンデモ」「~厨」「お花畑」などのレッテルを貼って全否定した場合、貴方は私の主張に耳を傾けるのか?傾けないでしょう。同じように貴方が、例えばAさんやBという勢力の主張に対して「トンデモ」「~厨」「お花畑」などのレッテルを貼って全否定した場合、AさんやBという勢力は貴方の主張に対して耳を傾けることはありません。自分の主張に対して他者に耳を傾けて頂くには、自分も他者の主張に耳を傾ける必要があります。それが「対話」であり、質の高いコミュニケーションであり、建設的な議論です。もちろん自衛権は自然権なので、その時々の状況にもよりますが、他者が自分(達)に対して攻撃をしかけてきた場合は、こちらもその攻撃に対して迎撃するのはやむを得ないと思います。ただ、人と人との関係性は原則的には「対話」が基本だと思います。

過去、左翼勢力が樹立した共同体や国家が悉く全体主義になっていったのはなぜなのか?という事をよく考えましょう。一般的に左派は異質な者を排除したいという欲求が強すぎると思います。例えば、山本太郎氏は左派的な主張をしているのにも拘らず、少なからぬ左派が山本氏を攻撃するのも、山本氏は放射能タブーを破ったり菊タブーを破るなど主流の左派にとって、或は日本社会・多数派世論にとって異質な存在だからでしょう。私が思うに山本太郎氏は文化人類学でいうところのトリックスターなのかなと思います。また、山本氏は現時点では左派的な主張をされていますが、基本的に従来の右翼・保守、左派・リベラルといった概念でカテゴライズする事のできない人物だと思います。

ちなみに、私が「左翼」という言葉を使わずに「左派」という言葉を使っているのは、日本では「左翼」という言葉を使うと、「~は似非左翼だ」とか「真の左翼とは~だ」といった非生産的なセクト争いが発生するので、「左派」というある種あいまいな言葉を使っています。また、左派とリベラルを分けて表象しているは、日本では左派とリベラルが概念的にごちゃまぜになっていますが、本来、Left(左派・左翼)とLiberalism(自由主義)は、それぞれ別の思想体系だからです。但し、Leftという概念は思想体系というよりは政治的に相対的な概念ですが。Liberalismには新自由主義も含まれます。実際、自称リベラリストの宮台真司氏の主張は新自由主義的・リバタリアニズム的な傾向が強いです。ちなみに、社会民主主義はLiberalismではなく、Leftです。もっとも、私は基本的に右翼・保守、左派・リベラルといった概念にあまりとらわれない方が良いと思っています。

それはそれとして、私が山本氏にある種の大きな可能性を感じるのは、山本氏は小難しい理屈を述べるのではなく、人を切り捨てない社会を目指すという分りやすい理念を掲げて日本各地を回り、人々の横の繋がり(連帯や共闘の輪)を広げる活動をされているところです。そこが従来の左派とは根本的に異なる点です。従来の左派は敵対する勢力、或は自分(達)とは異なった主張をしている勢力を攻撃、言論爆撃する事ばかりを重視して、連帯や共闘の輪を広げていく、人々の横の連携・繋がりを拡大していくといった平和的・対話的な努力はほとんどやってきませんでした。結果、左派勢力はどんどん縮小していって、今では絶滅危惧種になっています。また、民主主義がどうたらとか人権がどうたらといった小難しいことを述べても、世の中の多くの人々、特に政治的無関心層やイデオロギー的中間層には耳を傾けて頂けないと思います。自分達の政治勢力が小さい場合は、他者を攻撃しても、その事によって自分達の政治勢力が拡大する事はありません。現に、共産党の与党に対する批判は鋭いですが、支持層はほとんど増えてないでしょう。

但し、山本氏に指導者的・リーダー的なものは求めない方がよいと思います。山本氏はそういったタイプではないと思います。山本氏が秀でているのは、人々を覚醒させる表現力や直観力(ものごとの本質を見抜く力)や創造力(新しいものを生み出す力)や行動力だと思います。

また、山本太郎というある種の劇薬によって、日本の左派が視野狭窄・偏狭なセクト主義から脱して政治的に進化・成長するといいんだけどなあと個人的には思っています。日本の左派は日本の保守に比べると、政治戦略的なセンスや政治力学的なしたたかさという点が、かなり子供だと思います。例えば以前、亀井静香氏が橋下徹氏に秋波を送っているという報道がされた時、亀井氏を見損なったといったような反応をした左派は多かったですが、正直、左派は政治的に子供だなと思いました。亀井氏は死刑制度に反対したり、経済左派的な主張をされていますが、亀井氏は保守です。保守の亀井氏が同じく保守で、かつ当時、国民からの人気が非常に高かった橋下徹氏を自分達の政治勢力に取り込みたいと考えるのは政治戦略的には正しいです。

日本の左派のようにAさんやBという勢力と自分(達)とでは価値観や考え方が異なるということで、単純に(短絡的に)AさんやBという勢力を敵対視して攻撃していたのでは、永遠に自民党に対抗するような大きな政治勢力を形成することはできません。なぜならば、しつこく繰り返しますが、すべての左派、或は多くの国民・市民が自分(達)と一から十まで価値観や考え方が同じになる事など絶対に、永遠に有り得ないからです。自分自身のことを省みてみればそのことは容易に理解できるはずです。貴方は他者に何かを言われたからといって自分の信じている価値観や考え方を容易に変えますか?変えないでしょう。また、自分の主張をある他者に批判(否定)されればされるほど、その他者(の主張)に対して反発心が強くなるのではないですか?日本の左派のように自分は絶対に正しいということで、自分の価値観や考え方を他者に対して一方的に押し付けるような独善的な主張の仕方では、社会的に権威(有名人も含む)があり、かつ表現能力が非常に高い人間でも無い限り、反発・反感を買うだけで、他者の価値観や考え方を変えるのは極めて困難であるし、支持層(自分達の政治勢力)を拡大することもできません。

しかし、対話を繰り返すことによって、お互いの価値観や考え方が、お互いに変容していく事は十分に有り得ます。それゆえ、自分達の政治勢力を拡大するには、基本的には、自分達と比較的価値観や考え方や利害や社会的立場の近い人々との連携や連帯や共闘の輪を広げていくのがベストの方法です。

自分(達)と価値観や考え方の異なる者(達)に対して敵対する事を第一に考えるのではなく、また、自分(達)と他者との違いに注目するのではなく、共通性に注目し、そういった人々と、どうすれば連帯や共闘ができるのか?という事を第一に考えなければ、左派勢力は永遠に自民党のような大きな保守政党に対抗できるだけの大きな政治勢力を形成する事はできません。なぜならば、しつこく繰り返しますが、すべての左派、或は多くの国民・市民が自分(達)と一から十まで価値観や考え方が同じになる事など絶対に、永遠に有り得ないからです。

日本の保守が巨大な政治勢力を形成する事ができるのは、日本の左派に比べて思想的許容範囲・キャパシティがかなり広いからです。思想的キャパシティが大きければ、当然、それだけ多くの人々を自分達の政治勢力に取り込むことができます。譬えて言うならば、保守の思想的キャパシティが東京ドームだとすれば、左派の思想的キャパシティはウサギ小屋といったところでしょうか。左派はほんのちょっと考え方が違うだけで、すぐに内ゲバになってしまうので、ウサギ小屋というのは極端な比喩ではないと思います。

当りまえの事ですが、保守(系)政党が政権を担っていれば、打ち出す政策は保守的なものになります。また、左派が自分達の理想とする社会(に近い社会)を実現するには、左派(系)政党が政権を獲得しなければなりません。そして、左派(系)政党が政権を獲得するには、最低限、偏狭なセクト主義から脱却しなければなりません。よく考えて頂きたい、世の中の多数の人々が一から十まで価値観や考え方が同じになる事はあり得るのか?100%有り得ません。したがって、左派が偏狭なセクト主義に拘っている限り、左派は永遠に政治的に多数派を形成することはできません。

by 寂静の矢 (2013-12-08 21:55) 

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