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東海村の加速器実験施設の事故で出た放射性物質の種類 [仕事とその周辺]

東海村の加速器実験施設で放射能漏れ事故が起きました.原子炉と違って,加速器施設での放射能漏れは業界関係者にも奇異に感じられます.普通の加速器では,たしかに運転時の「放射線」は問題になりますが,「放射能」,つまり放射性物質の生成は微々たるものだからです.しかしこのJ-PARKというのは,エネルギーはさほどでなくても,ビームの強度(毎秒打ち出される粒子の個数)が桁違いなので,なるほどと思われます.

問題は放射性物質の種類ですが,J-PARKのサイトによると,次の5種類が内部被ばくを引き起こしたとされています.
Hg-197, K-43, Au-198, Hg-195, Na-24
(出典: http://j-parc.jp/researcher/ja/safety/HDtrouble20130525.pdf

それぞれの半減期を調べてみると,次のように短いものばかりです.
Hg-197:64時間, K-43:22時間, Au-198:2.7日, Hg-195:10.5時間, Na-24:15時間

(半減期などは次のサイトで調べられます.カーソルで核種を選んでクリックすると,下にその核種の基本的な情報が表示されます.
http://www.nndc.bnl.gov/chart/

したがってすぐに消えてしまうもので,後遺症は心配する必要はありません*.(ホントの話です.御用学者の安全宣言ではありません.)
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職員や院生の内部被ばくはミリシーベルトの桁のようです.もちろんあってはならないことですが,福島の汚染地域の線引きが,年間とは言え「20ミリシーベルト」というのがいかにとんでもない数字か,このことも今回の事件で連想して下さい.しかも外部被ばくだけ,内部被ばくはカウントせずに,です.
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* 汚染の影響が長く残ることはない,という意味です.被ばくの後遺症はもちろん別です.
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