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「神事」を扱うコミュニティーにおける個人の良心−貴乃花親方の場合 [社会]

(昨日のFB投稿を,少し補筆してブログに格上げします.1401577.gif追記2件)
takanohana.jpg2月7日夕方のテレビ朝日の緊急特番「貴乃花親方 すべてを語る」をほぼ全部見た.スポニチによると,視聴率13.6%だったとのことである.(右の写真をクリック) [1401577.gif2/12追記:全録画が公開されています.]

貴乃花親方がメディアに対して沈黙を貫いていた時,彼は理事会に何通もの意見書などを提出していたことが明らかにされた.そして彼と貴ノ岩に対する,協会とメディアによる印象操作という実態が暴露された.

もちろん貴乃花の側の主張を一方的に取り上げているので,協会などの反論も待たなければならないだろうが,証拠と論理性・一貫性のある証言は,とても説得力があると思った.(むしろ協会の側の言い分はこれまですでに一方的かつ過剰に報道されたと言っていいのかも知れない.)

この一件は,単に相撲協会の内部の話題に止まらず,大きく言えば「組織における個人の良心」という規範問題にかかわってきて,「長いものには巻かれろ」「出る杭は打たれる」に代表されるこの国の精神風土までも揺さぶりそうな気配を感じる.その意味で元文科事務次官・前川喜平氏の告発行動と似ているが,今回の件は「現役」の組織人であるという点が大きく違う.また,番組視聴率が示すように,幅広い市井の人々の注目の中で繰り広げられたドラマという点でも,インパクトには格段の差があるだろう.

理事選で2票しか取れなかったことを聞かれても,その事実を淡々と受け止めていて,理事だからどうということはない,「自分は親方だから」と自らの力に自信を示した.

大学の教授会に引き写せば,執行部と違う考えを持っていても「どうせ言っても無駄」などと,自分の臆病さ,怠惰さを「力関係」のせいにする「賢い」教授たちは,昨日のインタビュー番組を見て,貴乃花親方の今回の態度について思索を巡らせて見てはどうか?しかしこの件では事件を見逃し置いてきぼりを食っているのはむしろインテリ層かも知れないので,「切れている電線」をつなぐのはむしろ難しいのかも知れない.

ちなみに,インタビューの中で貴乃花親方は「神事」という言葉を使った.相撲はスポーツではなくやはり「神事」らしい.
4.jpg
(YouTubeから)
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1401577.gif2/15追記:上記の件とは直接は関係しませんが、貴乃花親方に対しては、次のような批判的報道(見解?)もあります。
理事選に敗れた貴乃花親方が弟子を引き連れ“豆まき”した場所は、あのオカルト新興宗教団体だった!(2月4日「リテラ」記事)
1401577.gif3/1追記:続報 貴乃花親方「すべてを語る」で、それでも触れられなかった相撲協会の闇=山岡俊介
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コメント 7

バッジ@ネオ・トロツキスト

協会側も貴乃花側も目くそ鼻くそですよ。
いろんな悪行が双方にある。
相撲界は、もう全面的にダメなんですね。

こういう事態に至っているのも、「しんぶん赤旗」の協会との「癒着」や共産党の悪しき民族主義に原因の一端があるんじゃないかな?「誰からも批判されない『国技』」という状況を放置してきたんですからね(赤旗や共産党は、週刊ポストなどの八百長告発報道も長年無視して玉ノ海梅吉紙上登用以来の協会オベンチャラ的な報道を続けていたのでした。玉ノ海でさえ「大鵬の八百長」を指摘していたのに)。

この問題も、もう少しお調べになった方が良いと思います。


by バッジ@ネオ・トロツキスト (2018-02-13 11:50) 

yamamoto

この問題に深入りする気はないので、貴乃花側の「悪行」についてどうか例示・ご教示をお願いします。
by yamamoto (2018-02-13 12:21) 

バッジ@ネオ・トロツキスト

さしあたりこれ ↓ とかいかがでしょうか?
http://lite-ra.com/2018/02/post-3779.html
by バッジ@ネオ・トロツキスト (2018-02-13 16:56) 

yamamoto

記事紹介ありがとうございました。記事末尾に追記しました。
by yamamoto (2018-02-15 14:17) 

バッジ@ネオ・トロツキスト

共産党なども、スポーツの商業主義化は批判しますが、国際主義を踏み外した「国民こそ主人公」路線の下でスポーツ・ナショナリズムへの批判が非常に弱い(というよりも、「領土問題」で顕著なように、反マルクス的な悪しきナショナリズムに絡めとられている)んですね。五輪開催問題でも自国の財政(圧迫)問題は取り上げても、民族や国家を超えた全人類的な五輪のありようについては財政的措置(例えば「国際五輪開催・運営基金」のようなものの創設による開発途上国(貧困国)での五輪開催への支援のような政策)なども視野の外なんです。スポーツ政策でも自国中心主義的な視野しかもてていない。
だから先々代の春日野(元横綱栃錦)以来、二子山(初代横綱若乃花)や大鵬、北の湖などを盛んに「赤旗」紙面に登場させ「民族文化の守護者・共産党」を宣伝しても相撲界の悪弊にメスを入れるような遠慮ない態度はとれなかった。むしろ相撲協会の「免罪符」「お墨付き」的役割を果たしてきた。年寄株問題で相撲界のカネにまつわる暗部を指摘しても靖国奉納相撲には目をつぶっているやくみつる氏的なスタンスに近い。

だから、大相撲を歴史的にも怪しげな「神事」に固定しようという貴乃花に対してもこれまで甘い見方しかしてこなかった。
彼の右翼思想とのつながりや貴ノ岩を含むモンゴル人力士たちに対する問題ある対応についても正確に見抜けていないということです。
だいたい、貴乃花は、理事職に就いていた8年間に、いったいどんな実績や提言を残したというんです!
「選挙目当て」のような物言いにダマされてはいけません!!!
by バッジ@ネオ・トロツキスト (2018-02-16 10:28) 

宗純

貴乃花親方が、元文科事務次官・前田(前川のタイプミス)喜平氏の告発行動と似ているとは大きな誤解で、
一番いているのは準強姦で安倍お友達の逃げ回っている元TBSワシントン支局長の山口敬之ですよ。あるいは佐川国税庁長官。
今回もインタビュアーが何も追求しないから肝心の貴乃岩の所在も病状も、何も具体的には答えない。
事件から3日後の警察に提出した診断書は全治1週間の軽傷だった。
ところが、翌月の場所中に出されたものは2週間、
何んと今回のインタビューでは3番目の診断書が存在していて、頭蓋骨の骨折は『疑い』ではないと貴乃花親方が言い出したが、
これが事実なら、暴行したのは間違いなく貴乃花部屋関係者、(そもそも、事件3日後に警察が把握している病状は1週間の軽傷)
この事件では時間が経つほど病状が悪化しているのですから、貴乃岩を暴行した相手ですが、一番怪しいのは貴乃花親方ですよ。
現在、貴乃岩の所在が不明であり、肉声が何もない状態では、拉致監禁されている疑いまであるが、インタビューでも、この事実を否定していなかった。
大阪堺市でのムエタイジムで、今回と同じような密室内での悲惨な暴行事件が起きているが、マスコミの扱い(関心)が異様に低い。
薄々マスメディアが、堺市のムエタイジムと相撲部屋の類似性に気が付いている可能性があります。



by 宗純 (2018-02-19 14:36) 

バッジ@ネオ・トロツキスト

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180404-00000065-kyt-l26

こういう ↑ 問題についての態度も、主流派、貴乃花側双方に共有されていそうですね。共に靖国派ですから。
結局、エセ改革派では政治の世界もスポーツの世界もダメなんですよw
by バッジ@ネオ・トロツキスト (2018-04-05 14:20) 

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