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原発容認派に届く言葉 [仕事とその周辺]

説明付きのプリント(6/15改訂 1401577.gif11月12日改訂版12月2日改訂版)を,今度の日曜(6/19)の「アベ政治を許さない!野党は共闘!」のチラシとともに,自宅周辺約20軒に配布しました.
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毎週金曜夕方,佐賀県庁前の「くすの栄橋」で脱原発のアピールをやっています(今月27日で200回).今は再稼働反対の知事・県議会向けの署名運動もしています.署名してくれる人は驚くほど高率です.1〜2割という感触.署名をスルーした人にも,信号待ちしている場合は話しかけられて,その対話から彼/彼女らがどう思っているのかが少し分かります.つまり,署名はもらえないが情報(世論)はもらえる.それはこの問題をどのように訴えればいいかのヒントになります.

その時の女子高校生の意見に,「将来のエネルギーが心配だから」(原発を続けるべき)というのがありました.また,別の機会に聞いた年配者の意見は,温暖化防止,CO2削減のため必要ということでした.このような人たちには,いくら原発の危険を訴えても効果は少ないと思われます.このような考え(思い込み)そのものに切り込む必要があります.

これらの意見は,核エネルギーが無尽蔵でもあるかのような誤解のためかも知れません.あらためて,他の「非再生エネルギー」の資源量との比較をしてみましょう.すべて熱量に換算します.(出典は末尾参照)

ウラン  3.11×1021 ジュール
原油   1.03×1022 ジュール
石炭   2.59×1022 ジュール
天然ガス 7.61×1021 ジュール

これらを正方形の面積で比較すると分かりやすいでしょう.
non-renewable.jpg
このように,「将来」ウランは天然ガスよりももっと早く尽きてしまうことが分かります.なお,発電に使う場合,熱機関(エンジン)の熱効率を考えると,コンバインドサイクルが不可能な原子力は3割台,他が5〜6割なので,ウランの資源量はもっと割り引かなければなりません.

再生可能エネルギーとして太陽光発電を見てみましょう.九州はこれがとても進んでいます.しかし大半が利用されず遊休設備となっています.しかも1年半も.2018.9訂正:「認定設備」とは必ずしも設置済みのものではない、とのことで、「大半が遊休」は誤り。(電話で九州産業局に確認したら、「全部設置済み」と言われたので真に受けたのですが、後に誤りだったと解りました。)
ninteiPVKyushu.jpg
引用元:http://www.kyushu.meti.go.jp/seisaku/energy/fit/160122_1.pdf
平準化(昼夜,天候)はピークの0.13倍ということなので,1769万kWの認定設備容量は正味では230万kWとなり,原発2基分です.


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以下の出典から発熱量に換算しました.
ウラン  原子力百科事典ATOMICA「ウラン生産国と資源状況」2013年更新
原油   資源エネルギー庁エネルギー白書2015,第2節
     http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015html/2-2-2.html
石炭   石炭エネルギーセンター
     http://www.jcoal.or.jp/publication/s1-2.pdf
天然ガス 日本ガス協会
     http://www.gas.or.jp/user/market/deposits/index.html
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単位換算
バレル -> litre:158.987 l/barrel
cal -> J:4.18605 J/cal

発熱量
原油発熱量:3.83×107 J/l
石炭発熱量:2.90×107 J/kg
天然ガス発熱量:4.09×107 J/m^3
235U, 1g,核分裂発熱量:8.20×1010 J
(高速増殖炉を前提とすれば,238Uも資源となるので100倍ほどになりますが,この技術に将来性がないことはほぼ常識かと思います.)
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追記:資源量を正方形の面積で表示するやり方は,小出裕章氏のプレゼン資料をまねたものです.次の資料の5ページをご覧下さい.
「使用済み核燃料中間貯蔵施設」とは?
上位アドレス:
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouenindex.html
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1401577.gifウランの資源量を修正しましたので,データの出所,計算の詳細をメモしておきます.
ウラン資源量
ウラン発見資源量 5.33×106 ton-U
  ATOMICA ウラン生産国と資源状況 (04-02-01-06)
  http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=04-02-01-06

235U, 1g,発熱量 8.21×1010 J
  ATOMICA 原子核物理の基礎(4)核分裂反応 (03-06-03-04)
  http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=03-06-03-04

235U, 重量割合 0.00711 (0.711%)

235U,資源量全体の発熱量の計算
  5.327×106 × 1,000,000 ×   0.00711 × 8.21×1010
          U資源量(g)   235資源量(g)  1gあたり発熱量(J/g)
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年ごとに資源量評価は変わるので,更新用にもとのエクセルファイルを公開します.最小限の説明しか入れてないので使いにくいかも知れませんが,単純なかけ算だけなので解読は容易と思います.
http://ad9.org/pdfs/publish/non-renewables.xlsx
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