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伊方原発の審査書にパブリックコメント提出 [仕事とその周辺]

1401577.gif23時現在,まだ提出ページが開くので,24時まで可能のよう.
「締め切り時刻は募集要項等を見よ」とあるのに,「時刻」は見つからない.17時を想定して,間に合うよう提出した.と言っても,規制委員会の伊方原発審査書は,私が精査した範囲では,先の川内原発審査書の事実上の「コピペ」に過ぎない.まともに審査をしたのか,非常に疑わしい.電力会社と規制委員会とのやり取りの部分まで同じである.四電は当然,九電・川内の先例を見ただろうから,このような指摘があるならと,前もって対策するはずだ.同じやり取りが繰り返されるということは,全く読んでいないか(あり得ない),あるいは,すくなくともこの部分にかんしては「やらせ」ということだ.

以下に両者を併記するので,よく眺めていただきたい(画像クリックでpdf).最後に,提出した私のパブコメを付けます.応援のクリック歓迎
sendai-ikata-comp.jpg以下,私が提出したパブリックコメントです.

受付番号 201506190000342651
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201ページからの,4-1.2.2.5の「水素爆発」の項,および
207ページからの,4-1.2.2.6の「溶融炉心・コンクリート相互作用」の項
について意見を述べる.

まず,これらの部分について,同じようにパブリックコメントが募集された先の川内原発の評価申請書との異常な類似について指摘する.これら2つについて上記部分の文章を比較すると,テニオハや若干の数値を除いて,事実上全く同一であることが分かる.しかも,これら2つの項の「審査過程における主な論点」にある,申請者と規制委員会とのやり取りまでが全く同じである.独立なはずの2つの審査で,このような事が起きる確率はどのくらいであるのか,不思議に思うところである.むしろ,独立した審査ではなく,少なくともこれらの部分に関する限り,川内審査書の「コピペ」であるとの疑いを禁じ得ない.

では本論に入る.と言っても,対象が事実上同一であるため,当方のコメントも川内原発へのそれと同様とならざるを得ない.先の当方のコメントも含め,多くの方々からのコメントに対するまともな応答は全く見られないからである.

1.「水素爆発」の項(201ページから)について
(1)爆轟条件の検討が不十分である
水素濃度の空間的不均一性についての検討が十分に行われているかどうか不明である.不均一性については,わずかに(頂部に)「成層化する懸念」(207ページ2行)を述べているのみである.もし,センサ部分の濃度が爆轟条件を下回っているがイグナイタ部分またはそれに近接する部分がこの条件を超えているような場合には,イグナイタは文字通り爆轟の点火装置になってしまう.
また,下記の(2)で述べるようにコンクリートの浸食厚評価に問題があるため,当然MCCI(溶融炉心・コンクリート相互作用)で発生する水素の量についても疑問が生じる.

2.「溶融炉心・コンクリート相互作用」の項(207ページから)について
(2)非科学的,曖昧な表現とコンクリートの浸食厚
209ページ24行に「溶融炉心の崩壊熱は除去される」とあるが,単なる高温物体ではなく継続的に発熱を続ける物体について,時間スケールも示さずにこのように述べても意味をなさない.すなわち,少なくとも「x分でT度以下になり,y時間まではこの温度を超えない」というような記述が最低限必要であるが,それが見当たらない.したがって続くコンクリートの浸食厚についても何らの根拠を与えない.数値シミュレーションにおいては溶融炉心の発熱は当然考慮されているであろうが,それが文書に反映しないのでは評価に値しない.崩壊熱が十分に小さくなる時間まで熱の「除去」が維持されるのかも当然不明である.
以上のような申請者の記述に対して,規制委員会の何らの批判やコメントが見当たらない.
関連して,210ページ11行目に「炉心崩壊熱の変動」という言葉がある.この「変動」は不確かさを意味すると思われるが,むしろ時間的変動と誤解(?)しやすい.
(3)MCCIによる一酸化炭素発生の無視
コンクリートには石灰石に由来する炭素が含まれるため,MCCIでは水素だけではなく大量の一酸化炭素発生(CO)が予想される.しかし本審査書では全くこれについて触れていない(一酸化炭素発生,COのどの語も一度も使われていない).発生量の評価以前の段階であり,本審査書案の重大な欠陥である.

3.上記二項に共通する問題
規制委員会の重要な判断根拠に対するリファレンスがほとんど示されていない.仮に会議録やその提出資料にあるとしても,その指示なしには検索不能である.不親切さとしては許容範囲を超えており,「ない」ものと見なさざるを得ない.そのなかでも特に目立つのは,これらの事象の解析に申請者は計算コードMAAPを使ったとのことであるが,規制委員会自身による再計算,あるいは独立した計算コードによるチェックなどが行われたかどうかが記述がなく不明なことである.記述がないということは行われていないと判断するほかはない.
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