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川内原発パブリックコメント提出 [社会]

(関連情報:福岡核問題研究会の審査書批判,その1その2
今日締め切りの川内原発審査書案へのパブリックコメント,提出しました.多くの方が本格的なコメントを出されていると思いますが,私のはやや「斜めの方角から」の内容です.
応援のクリック歓迎
提出予定の方はお急ぎ下さい.次が提出のページです.
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198252311&Mode=0
募集ページはこちら.
http://www.nsr.go.jp/public_comment/bosyu140716.html
ここにある,対象となっているpdfファイルですが,文書中で字句検索が出来ない,コピーペーストが出来ないなど,不便でした.そこでワードファイルに変換して少し前から次に置いています.もし必要でしたらご利用下さい.少し修正しましたがまだかなり誤変換(付点カタカナやローマ数字)が残ったままです.
http://ad9.org/uploads/docs/gov/
ここの,次のファイルです.
sendai-shinsasho-an1.docx

それでは,次が私が送った意見です.

----------------
4-1.2.2.5の「水素爆発」の項(195ページ)および4-1.2.2.6の「溶融炉心・コンクリート相互作用」の項(201ページ)について意見を述べる.

その前に,この意見募集に当たり規制委員会は「科学的・技術的な」内容に限るとしている点に関して注意を喚起したい.

まず,これから少しでも外れた記述部分は,「御意見提出上の注意」にある「科学的・技術的判断と無関係」,あるいは「思想等の宣伝」であるとして,(この段落も含め)その部分を削除して公表される懸念がある.しかしそれは極めて不当であることを先ず指摘しておきたい.

そして,規制委員会による募集意見に対するこの制約は,再稼働の判断が規制委員会の適否判断だけでは完成しないことも意味するものである.つまり,原発という規模とリスクの双方において巨大な事業の可否が「科学的・技術的な」点だけで判断できるものであるはずはなく,倫理問題や経済性など,さまざまの価値観の尺度に照らされなければならないことは自明だからである.

では本論に入る.

1.「水素爆発」の項(195ページから)について
(1)爆轟条件の検討が不十分である
水素濃度の空間的不均一性についての検討が十分に行われているかどうか不明である.不均一性については,わずかに「頂部に成層化する可能性」(199ページ)を述べているのみである.もし,センサ部分の濃度が爆轟条件を下回っているがイグナイタ部分またはそれに近接する部分がこの条件を超えているような場合には,イグナイタは文字通り爆轟の点火装置になってしまう.
また,下記の(3)で述べるようにコンクリートの浸食厚評価に問題があるため,当然MCCI(溶融炉心・コンクリート相互作用)で発生する水素の量についても疑問が生じる.

(2)水蒸気爆発について触れていない
前節「原子炉圧力容器外の溶融燃料-冷却材相互作用」で水蒸気爆発の問題を議論しているが(この内容にも問題がある),しかしその「冷却剤」が本節で述べられた「原子炉下部キャビティへ注水」された水とサブクール度などの条件が同等かについて述べられていない.このため前節の議論がここでも有効かどうか不明である.

2.「溶融炉心・コンクリート相互作用」の項(201ページから)について
(3)非科学的,曖昧な表現とコンクリートの浸食厚
203ページ3行に「溶融炉心の崩壊熱は除去される」とあるが,単なる高温物体ではなく継続的に発熱を続ける物体について,時間スケールも示さずにこのように述べても意味をなさない.すなわち,少なくとも「x分でT度以下になり,y時間まではこの温度を超えない」というような記述が最低限必要であるが,それが見当たらない.したがって続くコンクリートの浸食厚についても何らの根拠を与えない.数値シミュレーションにおいては溶融炉心の発熱は当然考慮されているであろうが,それが文書に反映しないのでは評価に値しない.崩壊熱が十分に小さくなる時間まで熱の「除去」が維持されるのかも当然不明である.
以上のような申請者の記述に対して,規制委員会の何らの批判やコメントが見当たらない.
関連して,同ページ下から10行目に「炉心崩壊熱の変動」という言葉があるが,この「変動」は不確かさを意味すると思われるが,むしろ時間的変動と誤解(?)しやすい.

(4)MCCIによる一酸化炭素発生の無視
コンクリートには石灰石に由来する炭素が含まれるため,MCCIでは水素だけではなく大量の一酸化炭素発生(CO)が予想される.しかし本審査書では全くこれについて触れていない(一酸化炭素発生,COのどの語も一度も使われていない).発生量の評価以前の段階であり,本審査書案の重大な欠陥である.

3.上記二項に共通する問題
規制委員会の重要な判断根拠に対するリファレンスがほとんど示されていない.仮に会議録やその提出資料にあるとしても,その指示なしには検索不能である.不親切さとしては許容範囲を超えており,「ない」ものと見なさざるを得ない.そのなかでも特に目立つのは,これらの事象の解析に申請者は計算コードMAAPを使ったとのことであるが,規制委員会自身による再計算,あるいは独立した計算コードによるチェックなどが行われたかどうかが記述がなく不明なことである.記述がないということは行われていないと判断するほかはない.
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