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「女王の教室」のメッセージ [メディア・出版・アート]

総選挙の結果に暗澹たる気持ちになっている.次の参院選で同じ様なことが起これば,いつでも改憲の発議ができるようになってしまう^.今回同様にメディアが動員されれば,いま半々程度の九条改憲の世論を一挙に変えることは容易いことだろう.

 気を取り直して,久々に「女王の教室」第10話について.きょうはドラマのテーマソングの,EXILE*のCD,“EXIT”も買ったことだし.

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 阿久津先生の正体についての謎は当然ながら最終回に持ち越されたが,このドラマのテーマ,メッセージは,教育委員会視察の教室での生徒たちと阿久津先生とのやりとりで明確に打ち出されたようだ.「立派な大人になるために,しっかり勉強をしなければならない.」考えてみれば至極あたりまえのこの阿久津先生の言葉は,7月31日の記事の末尾で紹介した三浦朱門の言葉への批判でもある.和美の「幸福論」も然り.この「多様性ある個人の尊厳」は,天童先生の「友達でいい」宣言,ひいては阿久津先生本人の悪魔教師ぶり(もちろん大半は容認できないが)をも包含するのだろう.そして学年主任のサラリーマン先生も.要するに,生徒も多様であり,教師も多様である.それを認め合い,尊重することが大切だ,ということだろう.我田引水だが,6月25日の記事「『寛容さ』は教育の場の大切な要素」で述べたことにも通じると思う.そして,立川第二中学校の根津先生へのエールにもなっていると解釈したい.

 イジメについても阿久津先生は「絶対になくならない」と至極当然のことを言った**.

 ところが,この,とても立派な,ほとんど優等生的とも言える授業に対して,参観した教育委員会スタッフはなぜか怒り,「即刻首に」とまで言う.これは官僚的な教育行政に対する皮肉だろうか?

 阿久津先生の見事な父母操縦が描かれていたが,これも今の先生が抱える複雑さを表しているのだろう.数日前,子どもが世話になった中学の先生と偶然スーパーで会った.「昔は先生は一目置かれたものだが,最近は違って,親への対応のことで気を揉むことが多くなった.生徒のことで気を揉むのは当たり前だが,余分に神経を使うことが多くなり,いやな世の中になった」というようなことを言っておられた.

 さて,最後にまた選挙関係の,しかも尊大な愚痴を一言.小泉芝居小屋の喧騒に引き寄せられて投票所に行った有権者は,次の機会には,「目覚め」た有権者になって,政治家の言葉やメディアの言説の裏を読むことのできる技量を持った有権者として,新しい一票を投じて欲しいと思う.
__________________
^ 民主党も基本的に九条改憲なので,今のままでも十分起こりうる.

* EXILEとは追放とか流刑という意味だが,「再教育センター」にもつながる.このバンド名とドラマのテーマと何か関係あるのだろうか?

** 昔,イジメ問題が騒がれたころ,ある眉毛の長い総理大臣が,「イジメの撲滅」を口にしたことを思い出す.あり得ないことを言って何になるのかと思ったものだ.

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コメント 3

マヤの親

でも、少なくとも、「阿久津先生は再教育センターで洗脳されたサイボーグ」って予想ははずれましたね。
教育委員会については、現実もあんなもんだと思いますよ。私の知っている
限りでは。
by マヤの親 (2005-09-15 23:34) 

yamamoto

むかし「24時間闘えますか」というCMコピーがありましたが,まさかそれが今ごろ復活するとは思いませんでした.マヤを100%善玉にしたのは良くないと思いますね.勘違いして受け取る人もいるかも知れないし.
by yamamoto (2005-09-20 20:52) 

yamamoto

完全に割り切るのではなく,多少なりとも疑問や両義性をも残して終わって欲しかったと思います.「教育」という,いわば永遠の疑問を扱うにはそれがふさわしいかと.マヤの親さん,コメントありがとうございました.
by yamamoto (2005-09-20 20:53) 

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