(11/19追記)19日,しんぶん赤旗社会部から返事がありました.末尾をご覧下さい.

麻生邸を見学しようとして歩いていただけで逮捕されるという事件が先月26日に起きましたが,今月6日には3人が釈放されひと安心です.13日には,国会議員やメディアも参加しての国会内集会が開かれるなど,「逆襲」の動きへと移りつつあります.この集会の様子はらくちんランプさんが全部をビデオに収録し,自身のブログで公開しておられます.

「麻生邸拝見リアリティツアーの警察による強権的な逮捕を検証する!」録画ビデオ

また,この事件を多言語で世界に発信する手だても整いつつあります.救援会ブログの右サイドバーの「非日本語版」のところに,救援会声明の英語,中国語,フランス語,ペルシャ語,韓国語の翻訳があります(ただし15日現在リンク先がメンテナンス中).

また,一般メディアも, 共同通信 日テレ朝日などわずかながら,警察一辺倒ではない報道を始めています.

その中でたいへん奇異に思えるのがしんぶん赤旗の沈黙です.権力による不当な弾圧には敏感に反応するはずの同紙がこの事件を一行も報道しないということは,一般メディアによるネグレクトよりも目立ちます.併せて奇異なのは,一般メディアの沈黙や警察一辺倒の姿勢を批判する左派・リベラルのブログのほとんどが,このこと,つまり赤旗の態度について触れていないということです(かく言う当ブログでもこの記事での指摘が初めてですが).

そこで,遅ればせながら,末尾のようなメールを赤旗の編集部に送りました.
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赤旗の沈黙の理由については,法政大学弾圧事件や早稲田大学でのビラまき逮捕事件と類似しているかも知れませんし,あるいは違うかも知れません.これら二つの事件に関連しては,7月20日の記事「『ニーメラーの詩』の書き出しは『共産主義者』でなくてもいい(その2)」で推論しました.しかしこの問題は憶測や推測でなく,公にきちんと論じられる必要があり,そのためには赤旗は無視の理由を明示すべきだと思います.

以下が本日送ったメールです.
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しんぶん赤旗御中

        (所属・氏名・住所・電話番号)

貴紙の国民・市民の立場に立った報道を尊敬致しております.
さて,“麻生邸見学”逮捕事件についてお尋ねしたくメールを差し上げます.

10月26日に,麻生首相の邸宅を見学に行こうとしたグループのうち3人が警視庁に逮捕され,11日間も拘留されるという事件が起きました.逮捕の理由についてのメディアの報道は警察発表をそのまま繰り返したもので,無許可デモであり公務執行妨害容疑であるというものでした.

しかし,この事件は逮捕前後の様子が詳細にビデオで撮影されネット上に公開されています.それを見る限り,これらの逮捕理由は虚偽のように思われ,むしろ警察官による違法行為の疑いが濃厚です.

この疑いは,上記のビデオ映像を見た多くの人が共有しており,13日に開かれた,国会議員2名も同席しての国会内での記者会見ではこれが多くのメディア関係者に紹介されたようです.

お尋ねしたいのは,この事件について貴紙が全く報道していないのは何故かということです.また,貴紙は上記の13日の記者会見を取材されたでしょうか?

貴紙が言論,表現の自由など,国民の権利の問題を重視して報道しておられることに常々尊敬致しております.今回は単なる「遠足」が取り締まりの対象となったのですから,表現の自由の問題どころではありません.ごくふつうの市民の「歩行」の権利が奪われたのかも知れないので,ことはより重大かも知れません.にもかかわらず,もし貴紙が,この事件を報道するに価しないと判断されるのであれば,その理由を教えていただきたく存じます.

 (署名)
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(11/19追記)19日に届いた赤旗社会部からのメールを紹介します.そのままコピペしてもいいような短いものですが,一応親書ということで,内容を「要約」します.
警察関係は時事通信に依っているが,26日当日は時事からの送稿がなく,独自取材もしていなかった.11月13日の記者会見も案内がなく取材していない.指摘のとおり国民の権利にかかわる問題を含んでいるので引続き注視していきたい.
うーん,国会内集会の案内は共産党や赤旗には行っていなかったのですか.