山本参院議員の行動について
志位委員長がコメント
日本共産党の志位和夫委員長は1日の記者会見で、山本太郎参院議員が秋の園遊会で天皇に手紙を手渡したことについて見解を問われ、「国会議員が、憲法上の存在である天皇に対して、政治的対応を求める行動をとるというのは、『天皇は、国政に関する権能を有しない』としている憲法を知らない者の行動だと思います」と述べました。
問題点は二つです.
1.山本議員が「国政に関する権能」を使っての行動を求めたと暗に言っていることになりますが,そのようなことが手紙に書いてあったという証拠があるのでしょうか?山本議員のインタビュー記事を見るかぎりそれは不明です.証拠ないし事実を示して批判すべきでしょう.発言など天皇個人としての行動を求めたものと考えることも可能です.それとも,志位氏は,天皇には「国政に関する権能」だけでなく,いっさい言論の自由もないと主張されるのでしょうか.
2.「政治的対応を求め」たとありますが,手紙にあったとされる,福島の子どもたちを被ばくから守ろうとすることがなぜ「政治的」なのでしょうか?「政治的」という言葉の拡大解釈はみずからの手足をも縛ることになるのを理解していただきたい.この言葉はしばしば,政府の政策に反対の,または批判的な言説全体を形容・定義する言葉として,体制側によってそれこそ「政治的に」使われます.
なお,天皇には「国政に関する権能」はないにも関わらず,
請願法には「天皇に対する請願」の項目があります.仮に山本議員の手紙が請願であったとすれば,過ちは単に提出先を間違えたということに過ぎません.(同法によれば天皇への請願は内閣に提出することになっています.)
以上より,山本議員の行動に何ら法的な問題はなく,儀礼的な点でも,「園遊会」という場の名称がしめすように,一種のパーティーであり,そのような場で手紙を渡すことは全く自然なことで,何ら問題ありません.
したがって上記の志位コメントは全く的外れなだけでなく,福島の深刻な状況をなんとかしたいという山本氏を貶めるものと言わざるを得ません.撤回していただくようお願いします.
敬具
(住所・氏名・電話番号)