プルサーマルが始動

残念なことにプルサーマルが始動してしまった.5日朝のNHKニュースが「今日にも始まる」と取り上げていたが,プルサーマルと一体である再処理の問題,そしてそのための六カ所事業所が1年近くも止まったままで再開の見通しもないことなど,重要な問題は隠していた.また,反対運動にも触れていたが,署名の数を「4万人」と一桁少なく言っていたように思う.

これに比べて福岡に本社がある西日本新聞は今日,プルサーマルの問題点や反対運動についても繰り返し報じた.JUNSKYblogが同紙の3つの記事を転載している.
http://blog.goo.ne.jp/junsky/e/3a5b83e865ed5070ec14b17d396fd5bd

奇異なことに,それほど頻繁ではないものの,この問題を取り上げ,科学者会議の反対行動も報道していたしんぶん赤旗は,今日5日の朝刊では一行も触れなかった.

反ブッシュのデモを伝えない日本のメディア

ブッシュによる東京ドーム始球式の件では,やはり会場ではブーイングも起きなかったようだ.しかし会場の外ではデモが行われている.ブログ「壊れる前に」が「東京のブッシュ」という記事で,AP電の記事を訳して伝えている.
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-942e.html
「前日、ブッシュは、彼が始球式を行なった東京ドームの外に陣取った抗議行動の人たちから、もうちょっと冷たい扱いを受けた。数十人のデモ隊がスタジアムの外で「ブッシュを逮捕せよ」「戦争の王」などと書かれたプラカードを掲げてデモを行なったのだ」


元記事から原文を該当する原文を以下に引用)

A day earlier, Bush got a bit chillier reception from protesters outside the Tokyo Dome, where he threw out the ceremonial first pitch before Game 3 of the Japan Series between the Yomiuri Giants and Nippon Ham Fighters. Dozens of demonstrators marched outside the stadium carrying signs saying, "Arrest Bush," and "The King of War."
日本の一般メディアの視聴者は知ることは出来なかったが,海外には伝わったわけだ.大津留公彦のブログは動画を紹介している.
ブッシュの日本とHIDEKI MATSUI のアメリカ

平和運動家の偏狭さ?

野球場でブーイングが起きなかったことを,ヤメ蚊さんが「上から目線」で批判している.
あえて、上から目線で問う〜ブーイングが起きない日本の市民レベルはメディアレベルの反映か?
「上から目線」の件についても,「目からウロコ」の感があり全く同感だ.ヤメ蚊さんはメディアのレベルを問題にしている.それもあろうが,ここではわれわれ自身の(この文脈ではもちろん平和運動を進める人々の)問題を考えたい.平和運動の規模がヨーロッパやアメリカと日本とでは全然違うのだ.イラク戦争反対で街頭に出た人の数は,ヨーロッパで十万の桁だったのに日本では千の桁だった.二桁も違うのだ.野球観戦者の中の政治的にアクティブな人口の比もそのくらい違うのだろう.

ではなぜそうなのか,ということになるが,私が問題にしたいのは「タテ割り」の弊害だ.平和運動は上部団体でタテ割り囲い込みの傾向が強く,それらの間の交流がほとんどない.分かりやすい例が原水禁運動だ.分裂に原因はあったが,相互交流に「原因」を見つけることが出来ないでいる.もう一つ,市民運動分断の小さくない要因となっているのが「セクト」にまつわる問題だ.これらについては別に項目を立てて論じてみたい.

平和運動や市民運動が政党やイデオロギーの系列を超えて大きな共同行動(「統一」などとは言わない)を取り組むことが出来れば,参加者も桁違いに増えると思う.
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