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映画「沈まぬ太陽」 [メディア・出版・アート]

ネットで見られるニュースでは,「始球式には米国のジョージ・ブッシュ前大統領が登場した」とあるだけで,会場でブーイングぐらいはあったのかどうか,分からない.九州にいては,一昨日紹介した「反戦と抵抗のフェスタ」に参加することもできず・・・と言うわけで今日は映画館に行った.(ホントは東京以外のどこでも「戦犯容疑者逮捕」を街頭で呼びかけなければいけないのだけれど)応援のクリック歓迎 (1日1回まで)

img_lineup.jpg見た映画は話題の「沈まぬ太陽」.原作をちょっと手に取ったことはあるのだが,なにしろあの長編,読むまでには行かなかった.

驚いたのは観客の多さ.客席はほとんど満員だった.休日でも,また人気の映画でも,これほどの入りは最近経験したことがない.

途中休憩をはさむ3時間を超える大作で,十分に見応えのあるものだった.もちろん細かく言えば,描写不足,説明不足だったり,説明目的ミエミエの台詞があったり,難点はあるが,主演の渡辺謙のみごとな演技を中心に,よくドラマティックにまとまっていた.労働組合がこのように大きく肯定的に扱われる映画も最近では少ないだろう.

日航123便墜落事故がテーマの大きな柱である.広島,長崎は世界平和にとっての「聖地」だという人がいたが,同じような意味で,御巣鷹山は日本の航空輸送の安全に関わる人にとっての「聖地」だろう.(もっとも,事故原因そのものについては,公式に流布されている「修理ミス説」は大いに疑問であり,「ミサイル標的機原因説」についても公に議論されるべきだ.)

印象に残ったシーンの一つは,総理大臣の「使い」(瀬島龍三がモデルと思われる)が,自分が担ぎ出した国民航空(もちろん日航がモデル)会長に「クビ」を言い渡した後の場面だ.事故の後,総理大臣から頼まれて就任したのに,「政治」の都合でクビにされることに会長は当然怒る.靖国神社の境内でこの密会は行われるが,別れた後,「使い」は靖国に参拝するため神社に向かって歩いて行く後ろ姿になり,一方会長は画面を横切って左手に去る.このシーンで語られた台詞と併せて,戦争と事故という,規模は違うが失われた多くの命に対するこの映画の姿勢が込められているように思えた.
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