大津留氏のルポを見ると,何人もの政治家が「政治災害」という言葉を口にし,国会での特別立法をも構想されています.湯浅村長らの率いる市民運動の大きな成果であり業績です.憲法25条をはっきりと心に刻み,そしてこの社会に「復活」させる素晴らしい機会をこのボランティア運動・市民運動は作り出しました.
憲法25条の生存権とは,あえて端的にその本質を見るために極端な言い方をしますが,たとえどんな怠け者*でも「健康で文化的」な生活をする「権利」があるということです.自由権などは必ずしも国家が介入しなくても(多くの場合介入しないほうが)保障されるのと違って,この権利は国家や社会の介入なしには保障されません.いわば国家・社会にとって「能動的」な権利であると言えるでしょう.
* もちろんこの表現は派遣村に集まった人たちとは関係ありません.