出版されました! https://www.nanpou.com/?pid=178896281
アンジーさんの本の出版セミナー第3回の録画はすでに紹介しましたが(12月8日の記事からリンク)、その冒頭の彼女のスピーチのテキストです。日本語訳、原文の順に紹介します。[引き続き出版資金クラウドファンディングにご協力を]
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「抗議行動がなければ民主主義は死ぬ」

日本とは異なり、英国では非常に多数の、数千人を数える人々が抗議行動中に逮捕され、告訴され、有罪となっています。
例えばファスレーンのような核兵器基地やイスラエルのエルビット社のような兵器製造会社の封鎖をしたり、環境破壊を止めるためのデモで化石燃料の使用をやめさせようと公道をゆっくりと歩いたりすれば、重い罰金刑か禁固刑を課せられます。
職を失うことを恐れたり、子供や身内の世話をしなければならないなど、逮捕のリスクを負うことができない人もいます。
そのような状況にある人たちは裏方で支援したり、罰金支払いのために寄付を募ったり、報道やマスコミに対応したり、服役中の活動家の支援をします。逮捕を覚悟の活動をする活動家一人につきおおよそ5、6人が支援をしています。
日本でもそうだと思うのですが、こちらでは逮捕を怖がったり、心配する人は大勢います。
でも、十分な準備を整え、 友人や家族や運動が支えるならば、思っていたほど悪くないことに気づきます。
実際、恐怖に立ち向かい、人間として強くなることで、とても解放されます。行動を起こしたことに満足できます。
私自身は様々な国で逮捕を経験しました。どのようなことが起こるのか、全くわからないこともありました。
もちろん、他国で逮捕されることのほうが楽な場合もあります。その国の当局は、外国人が逮捕されたときに受けるかもしれない世間の評判を嫌っている可能性があるからです。それで、告訴や提訴はされず、国外退去もしくは逮捕されるだけで済むかも知れません。
韓国の済州(チェジュ)島でのことです。平和の島、チェジュの豊穣な土地と水源を破壊しながら建設されている巨大な米軍基地建設に反対して 地元の韓国人と共に抗議行動をしている時に、逮捕され、刑務所に入れられました。[右の写真,原書105頁]
しかし最終的に、私は国外退去させられただけでした。
十分に自由がきく生き方をしていたため、逮捕されても私自身は大変な影響を受けることがありません。一人一人違いますので、その状況によってどうするかは個人の選択に任されることになります。
韓国では、基地建設に反対する運動が継続していること、活動をやめないこと、刑務所に送られても反対運動を続けることから、地域の人々は力を得ています。
時には、この地球の破壊を続ける「通常業務」の状態を封鎖行動などで混乱させるような、一歩も引かない覚悟での抗議行動だけが変化を引き起こせる場合もあります。「抗議行動がなければ民主主義は死ぬ」と書いてあるTシャツを持っています。

私は地球市民であると考えています。そして英国の大企業、投資銀行や軍隊が世界中で何をやっているのか、自覚しています。
英国はその破壊的な収奪・搾取(開発)主義と軍事主義で他国に影響を及ぼしています。私は、私自身が異議申し立ての行動を起こすことで、全身全霊を持って、私の名の下にまた私の意志のもとに、このような収奪や軍事行動が行われていないことを主張します。
私は同志である人々と連帯します。そして、異なる国々の人と共に行動することは大きな喜びであり、またインスピレーションの源です。
この大切な地球を守って、共にここで暮らしたいと、思いを同じくする人々が、世界中どこにでもいることを学びました。
友人や同志は世界中にいます。遥か彼方に住んでいようと、文化が異なろうと、それら人々の存在はとても近くに感じます。
長年に亘って積み重ねてきた抗議行動の私の経験、私の間違い、そして私が学んだことが、みなさんの役に立てば幸いです。
世界中の人々が行動を起こし、それぞれの政府、大企業、軍隊に異議申し立てをしたならば、人々が共生し、素晴らしい地球の資源を分かち合い、生きとし生けるものと共に生きていかれるようになるのではないか。そうなることを願ってやみません。
私たちが住んでいるこの生態系を気候変動と軍事主義が破壊してしまうまでに時間はありません。今、行動しなければなりません。

(次は原語)