8年前*に、フェイスブックでショッキングな話を目にしました。ツアーガイドで通訳のHさんが、その仕事中の経験を書かれていました。バイロイトやザルツブルクの音楽祭を巡る音楽ツアーの一行の中に政財界の大物X氏がいたそうです。旅の途上、Hさんが運転する車のなかで、学生時代に覚えたというシューベルトの歌曲集『冬の旅』を、ドイツ語の原語で、全曲そらで歌うような、芸術愛好家だったそう。そのような人が、ある食事の席で、唐突に次のようなことを喋ったと言うのです。
以下、Hさんの当時(2014年)のフェイスブックから引用します。(一部伏せ字)
https://www.facebook.com/hitoshi.kawashima.794/posts/719538388105516

「そろそろどこかで戦争でも起きてくれないことには、日本経済も立ちゆかなくなってきますなあ。さすがに日本の国土でどんぱちやられたのではたまらないから、私はインドあたりで戦争が起きてくれれば、我が国としては一番有り難い展開になると思ってますよ。」
ここまでえげつない戦争待望論には、周囲にいた人達もちょっとびっくりしたらしく、一同目を見合わせ、隣りにいたご夫人が「またあなたそんなことをおっしゃって、、、」ととりなしている。「H君、きみたち若い人の意見を聞こうじゃないか」と、ご本人が話をぼくに振ってきた。言いたいことは山ほどあったけれど、アルバイト中のぼくには、面と向かって彼に反駁することもできず、言葉を濁してしまった。今思うと、通訳のアルバイトなんか棒に振ってでも、彼にしっかり反論しておくべきだったと思う。権力の中枢近くにいるひとに直接ものを言う絶好のチャンスだったのに。もう10年以上昔の話。