今年も原水協と原水禁の世界大会がそれぞれ開かれましたが、内容の公開度に大きな違いがあるのに驚きます。原水禁がそのウェブサイトで多くのセッションを動画で公開しているのに対し(例えばこのページ)、原水協は全くと言っていいほど非公開です。私は、ウクライナ平和主義者運動のユーリイ・シェリアゼンコ氏(Dr. Yurii Sheliazhenko)のスピーチに注目していましたが、ネットでは公開されません。そこで、公式報告集を入手することになりました。(
まさに今戦火にあるウクライナで、少数ながら非暴力で戦争に抵抗しているグループの代表のスピーチです。護憲派の皆さんはもっと注目していいのではないかと思います。なお、原文はおそらく英語で、これはネットで公開されることになるようです。
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私たちは、ウクライナ戦争を含め、世界中で起きている数十もの戦争すべてについて、普遍的な停戦を提唱しなければなりません。
ロシア・ウクライナ間だけでなく、東西聞の和解を達成するために、真剣かつ包括的な和平交渉が必要です。
1980年代から1990年代にかけて、世界各地で起こった人権擁護運動と平和運動は、ともに大きな成果をあげ、各国政府に和平交渉と核軍縮を迫りました。そして今、戦争マシーンが至るところで民主的統制を失い、無力な政治指導者たちの共犯のもと核戦争に関するうんざりするほど無意味な弁明によって、常識がゆがめられ、人権が踏みにじられています。今、私たち、世界の平和を愛する人びとに、この狂気を止める大きな責任が課せられているのです。
縮小されている社会福祉の再生、気候変動の対処の資金が切実に必要とされている今、狂気ともいえる巨額の公的資金が人類絶滅のために投資されていることに、私たちは抗議しなければなりません。
戦争マシーンを止めなければなりません。今すぐ行動を起こし、大声で真実を語り、欺瞞的な敵のイメージに対してではなく、核軍国主義の政治・経済システムに対して責任を問いましょう。平和と非暴力行動の基本を人びとに教育し、殺人を拒否する権利を守り、広く知られた平和的方法で戦争に抵抗し、すべての戦争を止めさせて平和を構築しましょう。
今こそ、未来の世代のために、命と希望の名のもとに、市民の、人類の新たな連帯と集団的行動が必要です。核兵器を廃絶し、ともに地球上に平和を築きましょう。
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