前の記事の追加です.24日朝追記(末尾
4)独自の世論調査,意識調査の必要性 

項目1に関連するが,世論や人々の意識,無意識の状況を独自につかむことが重要だ.それがないと,まず人々の耳に残る言葉を,いや,そもそも耳に入って行く言葉を発することができない.ただ自分が正しいと思っていること,大事だと思っていることを一方的に喋るだけで,相手が聞く耳を持たなければ徒労となる.相手が何に関心があるかを知ることは宣伝戦の基本であり出発点である.

世論調査と言えばわが国ではほぼマスメディアによるものしかなく,それでは不十分というどころではない.人々の意識のどのような側面を知りたいかによって,質問項目もみずから設計しなければならない.そのような世論調査,意識調査を野党や市民団体は独自に実行すべきだ.

先日,イギリスの反核運動家と話をする機会があり,かねてから疑問に思っていることを訊いてみた.イギリスの反核運動CNDは,国民の核意識を民間の世論調査機関を使って調べている(下の画像).どのくらい費用がかかるか訊いてみたところ,設問1項目あたり1,000ポンド(約14万円)とのことだった.もちろんサンプル数によるが,300〜400サンプルの場合とのこと.NHKの世論調査でもサンプル数は1,000程度だから,統計的な精度を厳しく求めなければ十分だろう.

さて,日本にマスコミ以外の独立した世論調査機関がいくつぐらいあるのだろうか.もし見つからなければ,そして対外的な発表目的でなく自分たちの宣伝戦の基礎データを取るためであれば,政党の組織力を使って独自に実施することも考えるべきだろう.

権力の側は,さまざまな組織やツールを使って国民の意識を多面的に調べ上げているはずで,それに基づいてメディア戦略を立てているはずだ.対抗する側がただ勘に頼っているだけでは太刀打ちできない.

24日朝追記:人々の意識,無意識の問題の関連でひとこと.共産党に限らないと思うが,人々の深層心理,イデオロギーの問題を軽視し過ぎている,というより,あまりに無頓着ということがある.あからさまな例は,テレビの永年番組「水戸黄門」に対する無批判性だ.暗示によって「お上への依存」,「最高権力は善である」という考えを心の深いところに植え込むこのイデオロギー装置を宣伝さえしている.このブログで何回となく論じているが,最新では「『道徳ポルノ』再来を持ち上げる赤旗」をご覧頂きたい.