この種の事件ではいつものことかも知れないが,証拠やそれに結びつく直接的な事実を一つも示さずに犯人を「特定」してしまう報道が気になる.14日夜に佐世保で起こった銃乱射・殺人事件で,NHKも新聞*も馬込容疑者を,「容疑者」の形容詞は付けるものの地の文では完全に犯人と断定して扱っている.しかしなぜそう判断したのかという直接的な事実は一つも教えてくれない.

そのことが気になっていたので今日の19時のNHKニュースは注意深く聞いた.散弾銃の弾をたくさん持っていたとか,メールで友だちを誘い出したとか,そんなことは犯人である直接の証拠にはならない.事件を目撃した人もいるだろうから,その人に馬込容疑者の写真を見せて確かめればいいのだから簡単なはずだ.なぜメディアはそれをやらないのだろうか.もし目撃者がいないのならそのこと自身を報道してほしい.

* 私がチェックしたのは16日の西日本新聞

もし馬込容疑者が犯人である事実や証拠をご存じの方は教えて下さい.
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NHKといえば,低気温のエクスタシーさんが「〔動画〕NHKで公明党・創価学会関連のニュースが唐突に終了」(2007年12月16日)の記事で紹介している映像は本当に奇妙だ.軽い叫び声のような音が入っているので,単なる手違いというものではないような雰囲気を感じる.

佐世保事件に関して追記:たった今(19時55分)西日本新聞の社会部に電話で確かめたが,馬込容疑者を犯人と断定する証拠は知らないとのことだった.しかし紙面にそう断定して書かれているではないかと指摘すると,それはよくなかったと認めた.また,馬込容疑者の死についても,自殺と断定する証拠は持っていないとのこと.
キーワード:佐世保散弾銃乱射事件