小泉の靖国参拝問題に関する文章では,「南京事件」の著者である笠原一九司氏のコメントがとても的確だと思いました(しんぶん赤旗,8月16日,14ページ).その冒頭のパラグラフを全文引用します.

戦前日本は,無謀な侵略戦争で国内外の民衆に無駄な死を強制した.靖国神社は兵士の悲惨な死の実態を「英霊」の名で覆い隠す,ごまかしのための装置として機能した.そこに戦後の首相が参拝を繰り返すのはその機能の追認であり,死者に対する冒涜だ.歴史から何も学ぼうとしていない.
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そのすぐ横には上智大学の村井吉敬氏の文章があって,その中に,日本政府の,「公式参拝はサンフランシスコ講和条約第11条(東京裁判およびBC級裁判の受諾)に反する」との見解を紹介しています.小泉首相の「CM記者会見」に参加の記者たちは,このことを直接質問したことがあるのでしょうか?

同じ紙面の12ページの「知りたい聞きたい」の欄には,その境内にある遊就館に触れながら,靖国神社を「ヨーロッパでいえばネオ・ナチに匹敵する考え方と政治目的をもった運動体」と断じています.

そのような「運動体」の中心施設に,今日(8月16日)の西日本新聞によると,昨日は25万8千人もの人出があったそうです.その全員が「参拝」目的ではなかったかも知れませんが,たいへんな動員力であることは間違いありません.護憲派の集会に数千人集まったなどと喜んではいられません.その二桁上の規模で,「ネオ・ナチ」の施設が稼働しているのです.

今こそ,昨年の記事で紹介したビデオを多くの人に見てもらいたいと思います.お蔵入りはもったいない.
「靖国問題のビデオ『まだ軍服を着せますか?』」
 http://blog.so-net.ne.jp/pegasus/2005-11-05