このブログでも再三にわたって,国政選挙,特に小選挙区での護憲勢力の共闘の必要性を訴えているが,共産党大会の「公開討論」にも同様の意見が多く見られる.このほど,しんぶん赤旗別刷りの「学習・党活動版臨時号」として出された「大会議案公開討論」という5冊に別れた冊子を購入して,この論点について「斜め読み検索」を試みた.その結果,投稿者319名の9.7%にあたる31名が,護憲勢力の選挙協力・共闘の必要性を述べている.(見落としがあるかも知れないので,これ以上である可能性もある.なお,うち1名は,議案の選挙に関する部分に深刻な疑問を呈しているが,共闘など具体的なことは書いてない.)

これと対照的なのが,今日の「しんぶん赤旗」(折り込み別刷り)に掲載された代議員の発言である.36名の代議員の発言の要旨が紹介されているが,そのうち選挙共闘に触れた発言は一つもない.それどころか,発言内容のほとんどは活動報告や経験交流であり,そもそも決議案に対する討論ですらないのだ.旧態依然たるこの「討論」スタイルには失望せざるを得ない.提出された議案は,議論の必要もないほど「完璧な」ものなのだろうか?

同紙の大会報道にも違和感を感じないわけにはいかない.掲載された何枚もの写真には例外なく出席者の笑顔ばかりが写っている.考え込んでいる様子や,議論している表情などは全くない.この報道スタイルも十年一日である.多少なりとも深刻な議論を交わすようなシーンは全く見られなかったのだろうか?こんなに「和気藹々」ですむような,その程度のことしか,この大会には求められていないのだろうか?

一般の人がこの紙面を見てどのような感想を持つだろうか?「和やかでいい」と思うのか? おそらく逆だろう.執行部に賛同するだけの,かつての「社会主義」国の共産党大会のイメージを重ねる人も少なくないだろう.「しんぶん赤旗」にはそのような一般の人々の気配を感じ取る感性が欠けている.これでは2〜3%の支持率から抜け出すのはまず難しい.

それにしても「大会議案公開討論」は,冊子だけでなくウェブ上でも公開すべきだろう.まだまだオープンさが足りないと感じるのは私だけではないだろう.