このブログでも再三,九条廃棄を阻止するためには,政党間の幅広い共同が必要だと訴えているが,今日の「しんぶん赤旗」には,これに後ろ向きとしかとれない記事があった.

2006年1月7日(土)「しんぶん赤旗」
「政党間共闘の条件は存在しない」
共産党が新社会党の申し入れに回答
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-01-07/2006010704_03_0.html

全文は上のurlで読める.拒否の理由に,(1)新社会党の人事構成や運動方針,(2)「新社会党綱領に日本共産党への不当な攻撃がある」,(3)党利・党略的なものであることが明らかである,との3点を挙げているが,どれも説得力がない.特に(1)では,委員長を代えなければダメと言うに等しいことを述べており,さらに(2)は綱領を変えなければダメと言うのだから,全く信じられない態度だ.このように,「問題」そのものの存在も疑わしいが,かりにこれらの問題があったにしても,それは「協議するための窓口を作る」ことさえ不可能にするものとは到底思えない.協議とはお互いどうしが何らかの変化を起こすプロセスであるはずだ.

もし共産党執行部が政党間の何らかの共同が必要だと思うのなら,断るだけでなく,どうすればそれが可能になるのかにも触れるべきだろう.少なくともこの数ヶ月間の記事で,そのような提案や問題提起を見たことがない.つまり,そもそも共同・共闘についてほとんど考えがなく,今回の対応は,単に断るための口実を並べただけではないのか,そのように思われてしかたがない.党員ブログの意見を聞きたいと思う.

以前の,規約についての記事で述べたように,この記事は国民運動委員会責任者の浦田氏の行動を報じたもので,これが共産党の規約第五条や第十七条第一項に言う「党の決定」や「全国方針」に当たるわけではないだろう.(もしそうなら,何か肩書きのある党員の言動が党における「法」になるわけで,「人治」そのものになってしまう.)つまり公開の議論が可能なはずだ.
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