元の職場の学科が極端な予算削減に見舞われている.「院生をかかえている以上,自腹を切らなければならないかも」という声も聞いた.しかし実験系では相当な額になりかねない.

国立大学の「法人化」以降,多かれ少なかれほとんどの大学が似たような状態にあるだろう.そこに防衛省から,あるいは関連企業から資金提供のオファーがあれば断れる人は少ないかも知れない.経済徴兵制の大学教員版だ.

2010年のネイチャーに“Enlisting investigators”という記事が載った(右画像クリック).
enlistとは兵役に取るという意味だ.もちろん銃を持たせるのではなく,試験管やオシロスコープを持たせるのだ.軍事研究ばかりとは限らない.基礎研究も支援される.恩を売ることは軍・産にとって大きなメリットがあるからだ.日本でもこれが広範に広がる恐れがある.

「日本の科学者」の7月号ではこの問題の特集が組まれる.数日前に寄稿論文を脱稿したばかりだ.マイナーな雑誌だが読んでもらえたらありがたい.(まだ先ですが)
9/27追記:既刊,全文をネットで公表しています.