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あたかも,繰り返された原爆の轍を踏むかのような「第二のフクシマ」を描きます.しかし内容は福島原発事故そのもの.酪農業の主人公の妻は認知症.彼女の口から出るタイムスリップの言葉によって,通常はフラッシュバックとして挿入される説明的な画像を排除している.これは斬新な手法.
歴史上の物語やフィクションを借りて現実を批判,などというまどろっこしいことでなく,ダイレクトに現在進行中の問題を映画に取り上げる監督に賛辞を贈りたいと思います.未だに原発が必要などと言う人にぜひ観てもらいたい.
蛇足ながら,戦時中の物理学者を描いた舞台「東京原子核クラブ」を,この春に岡山県の里庄(りしょう)まではるばる観に行きましたが,その演劇で朝永振一郎(劇中は友田晋一郎)を演じた田中壮太郎が,この映画では福島事故を語る学習会講師という役で出ていました.
同じ園子温監督の「ヒミズ」の感想はこちら.