鳩山辞任の時,鳩山氏が小沢幹事長の進退に言及したことをもって,民主党の代表職と幹事長職が互いに独立であるかのような言説がメディアでまかり通っている.つまり幹事長留任が制度上あり得たかのような言い方だ.たとえば今日の毎日新聞だ.
毎日世論調査:菅首相に期待63% 小沢氏辞任評価81%
小沢氏辞任についての「評価」が可能なのは,留任の選択肢があったことが前提である.しかし「世に倦む日日」の6月2日までの指摘のように,これは間違いだろう.民主党の規約13条3項には「幹事長は・・・代表が選任」とある.
第13条 本党に、幹事長を置く。同じ3項の後段に「党大会または両院議員総会の承認」という言葉があることをもって,代表と独立とすることは無理であろう.なぜなら,第2項でその第一の職責が「代表を補佐」となっているからである.代表が辞任すれば連動して辞任というのが自然な解釈で,もしそうでないのだとすれば,少なくとも特別な解説記事をメディアは用意すべきである.応援のクリック歓迎
2 幹事長は、代表を補佐し、党の運営および国会活動を統括する。
3 幹事長は、国会議員の中から代表が選任し、党大会または両院議員総会の承認を得る。
このように,鳩山氏が小沢氏を「道連れ」にしたかのような報道は,この規約に基づく限り不自然で,その裏には何か意図があると考えるのが自然だろう.マスコミがみんなで一緒に勘違いしているだけ,という解釈は無理な気がする.