一年前に翻訳出版された「ポスト・デモクラシー」という本を読んだ.このタイトルの意味は,20世紀前半に世界中で進んだ「民主化」,つまりデモクラシーの進展が,その後のグローバル企業の隆盛や,政府や政党と企業との進化した癒着の形態によって形骸化させられ,形式的,制度的な外見とはかけはなれて,もはやデモクラシーとは言えない状況にあることを指している.そのような状況下で,民主主義的な平等社会を実現して行くにはどうしたらよいか,というのがこの本のテーマである.著者コリン・クラウチはイギリスの経済社会学者で,主にイギリスとイタリアの政治状況を扱っている.しかし,・・・
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