土井さんらが宇宙ステーションから無事帰還して何よりだが,この計画について,今回のミッション途中の3月15日,西日本新聞が疑問を呈していた.ほとんどすべてのメディアがご祝儀報道だったので,目立った.忘れないうちにメモしておこうと思ったが,もう10日以上経ってしまった.
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見出しは次のようなものだ.(3月15日朝刊,3ページ,久留米市で購読)

「きぼう」保管室設置

宇宙実験 薄れる魅力

先端研究 応募なし

投資一兆円 成果出せるか


この疑問の理由として次のようなことを挙げている.
1)これまで貴重だった微少重力環境が,生命科学分野では,地上での技術が格段に進歩してメリットが少なくなった.
2)使い勝手の悪さ:膨大な審査を受けないと実験できない.そこまでやる魅力ある施設とは言えない.
3)実験室までの交通手段であるスペースシャトルは2010年で運行停止.

「宇宙ステーションの有人活動はしょせん,80年代の技術」とのノンフィクション作家松浦晋也氏の言葉を紹介している.また記事は,当初この計画を主導したNASAの関心は今では,月や火星に大きくシフトしたとしている.

なにしろ一兆円という巨費を使うのだから,宇宙飛行士をヒーロー扱いするだけでなく,費用対効果についての冷静な議論が必要だ.

この記事は同紙の公開のウェブサイトには出てないようだ.