長崎の伊藤市長が撃たれるという恐ろしい事件が起きた.なんとか一命をとりとめて欲しいと祈るだけだ.直接面識はないが,昨年秋の「核兵器廃絶地球市民集会ナガサキ」のレセプションでのスピーチを間近で聞いたのが思い出される.その前の,原爆の日の集会での演説も,これは遠くから聞いた.

この事件で当然思い出されるのは,20年ちかく前の,本島市長銃撃事件だ.この事件を社会がどう「総括」したのかが問われる.その「総括」が不十分どころでないことは,2年前の地方紙の記事で露呈した.

当ブログの一昨年12月の記事「西日本新聞が間接的なテロ容認記事」で,西日本新聞が,本島等元長崎市長を撃った犯人と本島氏とを,紙面に対等に登場させたことを非難した.同紙にも抗議したが,返事は来たものの,取り消しや謝罪はなかった.その後,この記事に対する大きな非難も起こらず,結局見過ごされ,容認された形になった.このことと,今回の事件とが直接関係があるわけではないが,しかし,バックグラウンドとして,今回の事件の遠因として,ただの1ppmも影響しなかったと断言できるだろうか.

なお,上の記事のすぐ次の,「西日本新聞の記事,『阿修羅』での投稿に関して」 にも関連したことを書いています.
(写真の下に追記あり)

昨年の「核兵器廃絶地球市民集会ナガサキ」のレセプションで,ケイト・デュースさんから,NGOの平和賞のメダルを受け取る伊藤市長.筆者撮影のムービー画像から.

18日昼追記:事件直後のNHKのニュースでは,伊藤氏の容体について「政府関係者によると」(あるいは「政府筋」?)という引用が何度も繰り返された.非常に奇異な印象を受けた.地方都市での事件の情報がなぜいきなり「政府関係者」から出されるのか,たまたま政府高官が現地に居合わせたのか,説明が欲しいところだ.

19日追記:この点について,氏名はともかく,その人の所属部署ないし地位を教えてもらえないかとNHKの視聴者コールセンターに問い合わせたところ,「政府関係者」という以外は答えられない,との返事だった.

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