「踏み絵」の復活という思いもよらない事態が数年前から続いていますが,これがまた繰り返される季節になってきました.公立学校の式典での日の丸・君が代の強制です.04年3月卒業式・4月入学式の「不起立」で処分を受けた人たちが,東京都の人事委員会に処分取消請求をしています.この人事委員会審理を傍聴した人たちの声が「自由の風MN」(自由の風ネットワーク)というメルマガでシリーズで紹介されています.その最新号から転載します.

人事委員会傍聴者の声 その(15)
【2006・2・28】
普通の市民が聞いても、都教委のおかしさはわかるのです。
2・28卒業㈰グループ・証人尋問:鈴木敏夫市ヶ谷高校校長

*「たまたま都庁に用があって一緒に行った知人(還暦を過ぎたご婦人)を、「真実と嘘の人間ドラマが見られるよ」と誘って一緒に傍聴しました。PTA活動はやったことがあるが、この方面のことは殆ど知らない方です。
 失礼ながらくすんだ地味な服装の方々が多い中で、真っ赤な上着を着た女性がいるのも、審理官に色んな市民が来ているという印象を与えるによいかと思い、最前列に一緒にすわりました。人情家で理解のよい方で、うんうんとうなづきながら熱心に反応していました。
 終わってから帰り道、どうでしたかと聞いたら、『オモシロイ!こんな面白いものを、何処で見つけたんですか』と妙なお礼を言われてしましました。普通の市民が聞いても、都教委のおかしさは分かるのです。」(元保護者 鈴木)

*「都教委のものすごい圧力が、校長に発せられ、校長は『職務命令』を出すことを"余儀"なくされ、学校現場・教育の自由を破壊していることが、校長の証言から明らかになったと感じた。」(遠山 威 元都教育庁)

*「鈴木校長は、人間味のあふれる答弁であった。職員の意見を聞き、校長自身の言葉で語り、考えながら学校運営を心がけていたことが尋問でわかる。まさしく『10・23』通達の犠牲者の一人であると思う。鈴木氏は若い頃から、ひょうひょうとした語り口と温かい人柄で、生徒から絶大な人気を得ていた。元同僚としてこういう場で再会したことに複雑な思いの中で少しほっとする気持ちがある。東京の教育現場は、良心的な校長を苦しめ、教員をバラバラにする実態を見た。」(佐々木 純恵 元都立高教員)

*「前任校の校長が証言するということで、初めて傍聴に来させていただきました。2年前のあの日、自分は場外を選ばせてもらったのですが、それは他の人に場内起立を押し付けたことに間接的のつながっていたことを改めて感じました。証言のやりとりは、全任校の当時の職員会議や校長交渉を見ているようで面白かったです。」(現役教員)

*<ヒゲメモ>
28日「つくる会」の会長、副会長、事務局長らが解任された。1月にも3人の副会長、西尾名誉会長も辞任しており、執行部全員が役職を降りた。今朝(3・1)の朝日には1行もない。これから他紙はどうか、図書館に行き拝読します。批判力のかけたメディアを何とかしなくては。
(傍聴者22名。心から感謝しています。 被処分者の会 星野)
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次の,「『日の丸・君が代』と起立・不起立、そして処分との関係」という文書が,この問題についてよくまとめられています.推薦します.
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hishobunshanokai/newpage8.html