靖国問題のビデオ「まだ軍服を着せますか?」を見た.内容が深い.ぜひとも一見をお奨めする. [DVD化されています.]

プロデューサーは落合誓子氏,企画・制作は金沢出版社,1989年の作品である.だいぶ前のものだが,決して古くなっていない.小泉首相の靖国参拝でこの問題がクローズアップされているので,むしろ今が旬と言っても良い作品である.

前半は靖国にお参りする旧軍人や遺族たちがクローズアップされる.この人たちのインタビューを見ていると,そうなのか,そんなに強く信仰しているのか,とか,自分の肉親がこの神社に祭られているのなら,それに参りたくなるのも当然か,この人たちの気持ちも尊重しなければいけないのかなあ,という思いに駆られるほどだ.

しかし後半まで進み,靖国の生い立ちが明かされ,実はこれが宗教施設というより「軍事施設」であること,つまり戦争を支えるイデオロギー装置であるということが明晰に描かれる.

私自身は行ったことがないので分からないが,敷地や建物は「巨大」というほどのものではないだろう.しかし戦前,戦後を通じてのイデオロギー装置としての巨大さは,この国において実に比類のないものだということが分かる.


ブログ「世に倦む日日」も靖国問題をよく取り上げているが,このビデオの内容と良く重なるのは次の記事だろう.
「日本国憲法は靖国を認めず − 石橋湛山の靖国神社廃止論」
 http://critic.exblog.jp/2626405#2626405_1
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知りあいの人が5本持っていて,安く分けてくれるそうです.もしかすると今も販売中かも知れないのでここに値段を書くことは出来ませんが,このルートはかなり安いです.関心をお持ちの方は
toyosimaアットマークta2.so-net.ne.jp
までメールを下さい.

ビデオのタイトルでネット検索をしても「所蔵リスト」や「上映会」しか出てこないので,もう販売はしていないのかも知れません.(週明けにも問い合わせてみます.→販売中.下記参照)ですからDVD化もされていないでしょうが,その値打ちは十二分にあると思います.

11月15日追記:出版元の金沢出版社に問い合わせたところ,まだ在庫はあるそうです.DVD化の計画もあり,準備も整っているが,問題は資金とのこと.皆さん,在庫一掃に協力して,DVD化を実現してもらいましょう! 金沢出版社はウェブサイトもないようなので,ここに住所と電話番号を転載します.

金沢出版社, 電話 076-291-4977, 住所 921-8011 石川県金沢市入江3丁目132


08年4月3日追記:ブログ ごぼはんのひとりごと によると,DVD化されているようです.
関連記事:靖国は日本に於ける「ネオ・ナチ」の施設(06年8月)
2010年11月追記:靖国を扱った映画では,2008年に公開された中国人の李監督の「靖国」も優れた作品だ.
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