ニューズウィーク日本版12月29日/1月15日合併号掲載の,フローラン・ダバディー氏のコラム「世界一の『温室』にいる若者たちへ」に共感するところが多い.特に,「彼らの政治的無関心は危険すぎる」という指摘には全く同感.彼らの多くにはそれが「危険なこと」という自覚もないのだろう.私の見方では,これは文部省・文部科学省が意図的に作り出した状況という要素が,おそらく7〜8割あると思われる.言い換えれば,同省による教育基本法8条の系統的な無視,というより敵視がもたらしたものだ.
 また,「価値観も持たずに大人の世界に入るなんて危険すぎる.流される,洗脳される,どこかで決定的に自分を失う」もまさにそのとおりだと思う.このことに関しては,多くの若者にとって社会に入る直前の教育の機会である大学は,責任のかなりの部分を担っている.
 ある大学での氏の講演会の討論が5時間も盛り上がったとあり,若者を相手にする職業の人間としてうらやましい限りだ.(この項はpegasus.phys.saga-u.ac.jpの記事の繰り返しです.)

(2021/07/28追記)上の、「氏の講演会」に関する当ブログ記事
東北大学学生自治会主催のダバディー講演会
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