筆者は日本科学者会議の会員で、私の属する「平和問題研究委員会」がこのほど、「大軍拡を柱とする新安全保障戦略3文書の閣議決定を許さない」と題する12月14日付けの緊急声明を発表しました。委員会から報道関係などに送っていますが、当ブログにも掲示します。

平和問題研究委員会は科学者会議に設置された17の研究や問題別の委員会の一つで、主な活動は、原水爆禁止世界大会とその関連行事である科学者集会への協力、隔年の総合学術研究集会での平和の分科会運営への参加などです。本声明は、直前の12月11日まで開催された、この総合学術研究集会での議論なども踏まえたものです。

本件についての問い合わせは、この委員会の委員長の亀山統一さん(JSA幹事、琉球大学)にお願いします。
電話 098-895-8794
メール kameyama@agr.u-ryukyu.ac.jp
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(緊急声明)
大軍拡を柱とする新安全保障戦略3文書の閣議決定を許さない!

―予算に復興特別所得税や建設国債を使う政府・与党方針に満身の怒りを表明するー



         2022年12月14日

         日本科学者会議平和問題研究委員会


構成員の選考の基準も方法も明示されないで岸田首相が開催した会議、「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」なるものが、11月22日に自分宛つまり岸田首相宛にまるで一人芝居のような「報告書」を出した。そこでは「我が国を取り巻く厳しい安全保障環境を乗り切るために国力を総合し、あらゆる政策手段を組み合わせて対応していく」ことを前提として、インド・太平洋のパワーバランスが大きく変化し周辺国の核ミサイル能力の質・量ともの急速な増強に対応し、防衛力の抜本的強化が不可欠だと提言した。そして防衛省のいう防衛力の抜本的強化の7つの柱として、(1)スタンド・オフ防衛能力、(2)総合ミサイル防空能力、(3)無人アセット防衛能力、(4)領域横断作戦能力、(5)指揮統制・情報関連機能、(6)機動展開能力、(7)持続性・強靭性を追認し、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有と増強を抑止力とし、継戦能力の維持を挙げ、自民党・政府の大軍拡路線を後押しした。また国全体で総合的に取り組む新たな国家安全保障戦略3文書の提起を促した。