CTBT高崎観測所が大気中微粒子の放射能を継続的に監視しています.包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効に向け,核爆発を監視する地球的システム整備の一環です.日本では他は沖縄にあります.
このデータは福島原発事故直後の,それ以前の1億倍もの放射能濃度を記録しました.今回,昨年末発表分のデータをグラフ化しました.

オリジナルデータエクセルファイル
セシウム137が未だに50〜60マイクロベクレル/立方メートルで推移していることが分かります.
長い時間スケールではこちらのグラフをご覧下さい(このグラフを引用しているブログ記事).2011年の数字からは数十分の1に下がったとはいえ,原発事故以前が0.1マイクロベクレルのレベルだったのと比べると,その数百倍の濃度の放射能大気を呼吸していることになります.大気圏内核実験のころ以来の,人類史上稀な集団的人体実験になってしまいました.

なお,元のデータを見ると,50以上の値が続く一方で,突然,または継続して「検出限界以下」(数マイクロベクレル以下)というデータが見られます(グラフでは点が欠けている部分).しかしこのような変動は不自然なので,スペクトル解析ソフトがガンマ線のピークを同定し損なったためではないかと思われます.担当者に電話で尋ねてみたいと思います.
(過去のグラフは左の検索窓に「CTBT高崎」を入れて下さい.)