昨年末の記事の「社会評論」短文ですが,次の号が出て旧号になったので,出版社の許可を得て転載します.
http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2015-12-31
5/7追記:本文中数カ所に関連記事へのリンクを設置しました.
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[巻頭エッセイ] →誌面イメージ

戦争法,どうすれば阻止できたのか
         豊島耕一(元佐賀大学理工学部教授)
戦争法が国会を通過したことにされてしまったのは重大な敗北である.問題は今回の運動の総括の仕方だ.避けるべきは,かつてない規模で,また多様な新しい形の運動が行われたことだけを取り上げて,まるで勝利したかのような言説で終わってしまうことだ.これでは敗走を「転進」と呼んだ旧軍部と同じだ.プラスの面を正当に評価し,自らのエンパワーメントにつなげるのは当然だが,なぜ負けたのか,どうしたら勝て「た」のかを(あるいはもともと勝つ見込みはなかったのかを),深く,多面的に分析しなければならない.これには想像力が必要で,また骨の折れる作業だ.