私たちの親またはその上の世代はあの無謀な戦争を止めることができなかった.「なぜ止められなかったの?」と親や祖父母に問い掛けた人もいるだろう.危険が迫って来た時にはすでに言論の自由はなく,何よりも国民に事実を知る手だてもなかった.しかし今は違う.言論を理由に逮捕されることはない.大手メディアはともかく,その気になればインターネットで幅広い情報を得ることが出来る.だからもし日本が再び侵略者となることを止められなかったとしたら,あるいは国際紛争から戦争への道を遮断できなかったとすれば,現在の成人世代の責任の重さは1930〜40年代のそれとは比べものにはならないだろう.

今日の市民が戦争予防のために行動しようとするとき,ほとんどの場合,闘う相手は警察ではもちろんなく,「めんどう」とか「目立つのはいや」という,自分自身の気持ちがせいぜいだろう.

今の世代の責任は,その持ち場持ち場でさまざまだ.メディアに属する人の責任が大きいことにはだれも異論はないだろう.そのメディアの権力への屈服が多くの人に気付かれ始めている.この状況を記録することは,メディアの中で闘っている人たちを激励することにもなるだろう.応援のクリック歓迎

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